さくらさくら

さくらさくら」または「さくら」は、伝統的な日本の歌曲

日本古謡と表記される場合が多いが、実際は幕末江戸で子供用のの手ほどき曲として作られたもの[1]。作者は不明[2]

江戸時代の筝曲のひとつ「さいた桜」に、「さいた桜 / 花見て戻る」という歌詞がついていた[2]。その曲はそのままで、歌詞を改作して明治の始め1888年(明治21年)発行の音楽取調掛の「箏曲集」に記載された[2][3]。以降、歌として一般に広まり、子どもの遊びにも転用され伝播していった[2]。13小節目以降の違いで3通りのメロディがある。

2006年平成18年)に文化庁日本PTA全国協議会が「日本の歌百選」に選定した[4]

日本の代表的な歌として国際的な場面で歌われることも多い。「荒城の月」と並んで欧米人によく知られている[2]

歌詞

歌詞は二通りある。元の歌詞は「さくらさくら / 弥生の空は」で始まる[3]

もう1つは1941年(昭和16年)に改められたもので、同年文部省発行の「うたのほん 下」に掲載された[5]。こちらは「さくらさくら / 野山も里も」で始まる[5]。改変の理由は、児童に歌わせるには歌詞が難しいから、とされている[1]。第二次大戦後の検定教科書には、こちらが掲載されている[2]。こちらを1番、前述の元の歌詞を2番と扱っているものもある。

使用例

海外向け国際放送NHKワールド・ラジオ日本でも日本語周波数案内(流れるのは日本時間で12時前、13時前、19時前、21時前。ラジオ第1同時放送の途中飛び乗り案内も含む)や日本語・英語を除く各言語の地域別放送でもBGMとして流れている。

JR山手線駒込駅とJR中央線快速武蔵小金井駅では発車メロディとしてこの曲が流れる[6]

近鉄特急では吉野駅到着時の車内チャイムとして流れる。

東京空港交通エアポートリムジンバスの車内放送開始時のBGM(成田空港発のみ)として流れる。

愛工大名電高校の野球部の応援で使用されている。

ゲーム

編曲

後世様々な編曲がなされているが、宮城道雄の「さくら変奏曲」が特に有名。大澤寿人もソプラノと管弦楽のための歌曲「桜に寄す」[7]と、ピアノと管弦楽のための「さくら幻想曲」[8]を作曲している。珍しい編曲としては、日本のエレキインストバンド井上宗孝とシャープファイブエレキギターで箏のような音(いわゆる琴奏法)を出すなど和風アレンジで演奏している。彼らは「さくら変奏曲」も同様に演奏している。

  • 開花から満開へ、そして散りゆく桜に寄せる変奏曲 - 大宝博の編曲。『おもしろ変奏曲にアレンジ! 〜童謡唱歌〜』(ヤマハミュージックメディア)に掲載。
  • 桜花吹雪、舞い踊る変奏曲 - 大宝博の編曲。『おもしろ変奏曲にアレンジ! 〜日本のうた〜』(ヤマハミュージックメディア)に掲載。
  • 1976年6月21日、郷ひろみがアメリカ ロサンゼルス スコテッシュ・ライト・オーディトリアムにて、コンサート開催、ロック調にアレンジした「さくらさくら」を披露した。

関連曲

脚注

  1. ^ a b 「さくらさくら」の歌詞が2種類あることについて。その変遷を知りたい。”. レファレンス協同データベース. 2025年1月11日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 上笙一郎 編『日本童謡事典』東京堂出版、2005年9月、174-175頁。ISBN 4-490-10673-4 
  3. ^ a b 音楽取調掛 編『筝曲集』文部省編集局、1888年10月、2頁https://dl.ndl.go.jp/pid/857651/1/62025年1月11日閲覧 
  4. ^ 文化庁(編)「「親子で歌いつごう 日本の歌百選」選考結果」(PDF)『文化庁月報』2007年2月号(通号461)、ぎょうせい、38–39頁、国立国会図書館書誌ID:000000021158-d121179542024年3月24日閲覧 
  5. ^ a b 文部省『うたのほん』 下、文部省、1941年、8-9頁https://dl.ndl.go.jp/pid/1083480/1/7 
  6. ^ 小林拓矢 (2024年3月26日). “山手線の「発車メロディー」で、“企業の存在”を感じられる駅がある理由”. ITmedia ビジネスオンライン. 2025年1月11日閲覧。
  7. ^ 生島 2017, pp. 201, 217.
  8. ^ 生島 2017, pp. 356–357.

参考文献

  • 生島美紀子『天才作曲家大澤壽人:駆けめぐるボストン・パリ・日本』みすず書房、2017年8月。ISBN 978-4-622-08629-1 

関連項目

外部リンク

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