さとり世代
さとり世代(さとりせだい)とは世代の一つ。一般的に「欲がない」と言われている世代を指す[1][2]。 世代の明確な定義はないが、一般的に1987年(昭和62年)度から2003年(平成15年)度までに生まれた世代のことを指す[2][3]。「新人類ジュニア世代」とも呼ばれ、ゆとり世代とも重複する[4]。 2013年の新語・流行語大賞にノミネートされた言葉である[5][6]。 定義これは現代の若者気質から作られた言葉であり、2010年代に若年世代であった者たちが物欲にこだわる煩悩から解脱し、あたかも悟りを開いているかのように見えたところから生まれた言葉。 この言葉は2013年の「新語・流行語大賞」にノミネートされていた。博報堂若者研究所リーダーである原田曜平が角川書店から「さとり世代」(2013年10月)というタイトルの本を発売し、メディアで広まった。 特徴「さとり世代」の特徴は「欲が無い」「恋愛に興味が無い」「車に興味がない」「旅行に行かない」といったこと[7]などが典型例として指摘される。休日は自宅で過ごしていることが多く、「無駄遣いをしない」し「気の合わない人とは付き合わない」傾向が強い。 さとり世代は、生誕と前後してバブル崩壊し、不況下の日本しか知らず、資本主義経済のダイナミックな発展の姿は見たことがない[8]。インターネットネイティブでもあるから情報が豊富で、無駄な努力や衝突は避け、大きな夢や高望みが無く、俗な意味での「合理性」を重視する傾向があるという。安くてそれなりに質のいいものを好み、コストパフォーマンスを重視する傾向がある[9][10]。この世代の若者の特徴として、ボランティアへの意欲が高い、消費・所有に執着をしない、などが挙げられるが、こうした事から、これまでの消費に重きを置く社会から、精神的な豊かさ、幸福感への移行期における、新しい価値を模索している世代ではないか、との指摘がある。 原田曜平は、こうした若者の特徴について、経済が成熟した国で見られる気質であり、日本に限った事ではないと述べている。 しかし、さとり世代を対象に、2013年度時点での日本の大学生を対象とした調査では、「さとり世代」という言葉の認知度は25.3%に過ぎず、さとり世代の意味を「よく理解している」者に至っては5%にも満たないという結果となっている。また彼らの自意識としては、「海外旅行に興味がある」と答えた者や「浪費しがち」と自覚している者も多く、格別に消費をしない、物欲がない世代と決めつけられるわけではない[11]。若者自身の変化ではなく現代社会が若者に反映しているだけではないかとの指摘もある。 この世代は前述の記載にあるように、成長期でのインターネットの経験があり、携帯電話(フィーチャーフォン、スマートフォン)パソコン、タブレット、その他ウェブサービス等といった情報技術(IT)に関する商品への興味は高い。また、おもちゃやゲーム機など多くの新製品が登場した時代でもあったため、多種多様な室内娯楽に触れてきた世代でもある。 「欲がない」という特徴に対しては反論意見があり、三菱総合研究所「生活者市場予測システム」の調査では「金持ちになり、高級品を持ちたい」人は「とてもそう思う」「そう思う」の合計で平成世代は39%おり(男女計)、氷河期世代の34%より多いし、バブル世代の28%よりかなり多いというデータが出ている。「人生の勝ち組になりたい」も平成世代は51%であり、氷河期世代の41%やバブル世代の34%よりかなり多いというデータが出ている。「行きたい『旅行先』がすぐに思い浮かぶ」かを聞いた質問では、「とてもそう思う」人は平成世代では20%であり、氷河期世代やバブル世代より多いとのデータが出ている。こういったデータを元に「社会経済的地位の上昇意欲は、若いときは高いが年をとるにつれて低下すると考えるべきであり、特に平成世代が上昇意欲が低いとは言えない」という主張がされている[12]。 統計若者の消費の推移20代及び30代前半の可処分所得に占める消費支出の割合である「平均消費性向」の推移を示す。
若者の年収の推移
ソース:20代・20歳代の平均年収 年表最初に「さとり世代」という言葉が使われたのはインターネットの掲示板2ちゃんねるのスレッドだとされる。
脚注
関連文献
関連項目
外部リンク |
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