ゆきのはなふる『ゆきのはなふる』は、わかつきめぐみによる日本の漫画。いわゆる主様シリーズの連作を収録して、2006年6月に白泉社のジェッツコミックスから刊行された単行本『ゆきのはなふる』に、書き下ろしで収録された。 概要作者が1990年から断続的に発表してきた和風ファンタジー連作の一つで、人間によく似た「人形」に対して抱く心の揺れを一定のテンションを保ちつつ描き出した中編作品。人工知能と人間との関係について描いた作者初期の代表的な短編「トライアングル・プレイス」(1984年)との関連性も指摘されている。 単行本に同時収録されている短編「あわゆき、ふわり」(『月刊メロディ』2004年4月号掲載)は、発表の見込みがないまま作者が本作のストーリーを構想していた時期に、本作の設定の一部を利用して描いたスピンオフ作品。 あらすじ不香花洞の「主様」で雪を降らせる「雪師」の幻宵はある日、池に落ちてきた人間そっくりの少女の人形と出会う。洞の侍女たちや交流のある眉掃山の香珠姫たちが人形を可愛がっていたある日、「雪花」と名付けたその人形は幻宵が口ずさんだ伝承の唄に反応して動き出す。幻宵は激しい戸惑いを覚え始める。 主な登場人物
単行本収録作品本作を表題作とし、作者が1990年から2004年までに白泉社の『LaLaDX』『ルナティックLaLa』『月刊メロディ』に発表した主様シリーズの7作品を合わせて収録した。 主様シリーズは、自然界の山々を見守り、自然現象をつかさどる男女の神々「主様」たちの日々を描いた平安調和風ファンタジーの作品群。単行本収録作品以外に関連作品として「卵売り峰曽太の日常」(『月刊LaLa』1990年3月号 - 1990年5月号掲載、花とゆめコミックス『グレイテストな私達』2巻収録)が存在する。 1998年までの5作品は梔子山の茜姫(くちなしやまのあかねひめ)と鶉山の秋水様(うずらやまのしゅうすいさま)、表題作を含む2003年以降の3作品は眉掃山の香珠姫が中心キャラクターを務めている。 (かっこ内は掲載誌)
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