アレグザンダー・“サンディ”・マコール・スミス(Alexander "Sandy" McCall Smith、CBE、FRSE(エディンバラ王立協会員)(英語版)、1948年8月24日 - )は、ローデシア(現・ジンバブエ)生まれのスコットランドの作家、エディンバラ大学の医事法の名誉教授。20世紀後半に医事法と生命倫理学の権威となった。代表作は『No.1レディーズ探偵社』シリーズ。
経歴
1948年、南ローデシア(現・ジンバブエ)のブラワヨに生まれる。父はイギリス植民地時代の検察官だった[1]。ブラワヨのクリスチャン・ブラザーズ・カレッジ (en) で学んだ後、スコットランドへ引っ越し、エディンバラ大学で法律を学び、学位を取得した[2]。
その後、クイーンズ大学ベルファストで法律の教鞭を取りながら、小説や児童書のコンペに参加した。児童書部門で優勝し、1980年代から1990年代には30冊の児童書を出版した[1]。
1981年、ボツワナ大学創設の協力と法律の教鞭を取るため、アフリカ南部を訪れる。そこで、現在も国の法体系の唯一の書物である"The Criminal Law of Botswana" (1992) を共同で執筆した[3]。
1984年、エディンバラへ戻って以降、現在も同地に内科医の妻と2人の娘と暮らしている。エディンバラ大学の法学部教授を経て同学と同学ロー・スクールの名誉教授となる。ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞の関係で、現在も大学に留まっている。
イギリスの医学誌『BMJ』の倫理委員会の委員長(2002年まで)、イギリスのヒト遺伝学委員会の副委員長、ユネスコの国際生命倫理委員会のメンバーを務めた。作家として成功した後、これらの委員会を辞した。
2006年12月、文学での貢献によりCBE(大英帝国勲章)を授与される[4]。2007年6月、エディンバラ大学ロースクールの創立300年を記念するセレモニーで法学博士の名誉学位を授けられる。
ファゴットのアマチュア奏者で「The Really Terrible Orchestra」の創設者の一人でもある。ボツワナで初となるオペラのトレーニングセンター「No.1レディーズ・オペラ・ハウス」の創設に協力し[5]、初公演のためにオカバンゴ・デルタを舞台とした「マクベス」のリブレットを執筆した[6]。
2009年、イギリスの38人の作家による短編集プロジェクト「Ox-Tales」のために"Still Life" を寄稿した[7]。
前アメリカ合衆国大統領夫人、ローラ・ブッシュはレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーと同じくらい、マコール・スミスの大ファンである[8]。
著書
ヘルシンキで著書にサインをするマコール・スミス(2007年4月)
No.1レディーズ探偵社シリーズ
The 2½ Pillars of Wisdom(ドクター・フォン・イゲルフェルド シリーズ)
日曜哲学クラブシリーズ(イザベル・ダルハウジー シリーズ)
44 Scotland Street Series
- 44 Scotland Street (2005)
- Espresso Tales (2005)
- Love Over Scotland (2006)
- The World According to Bertie (2007)
- The Unbearable Lightness of Scones (2008)
- The Importance of Being Seven (2010)
- Bertie Plays The Blues (2011)
- Sunshine on Scotland Street (2012年8月予定)
Corduroy Mansions
その他
- La's Orchestra Saves the World (2008)
- Trains and Lovers (2012)
短編集
- Children of Wax: African Folk Tales (1991)
- Heavenly Date: And Other Flirtations (1995)
- 『ささやかなしあわせ―デートにまつわる9つの物語』(2008年2月、訳:小林浩子、ヴィレッジブックス)
- The Girl Who Married a Lion: And Other Tales from Africa (2004)
- The Strange Story of Bobby Box (2011) - ヤングアダルト向けアンソロジー"What You Wish For" に収録
児童文学
# |
邦題 |
原題 |
刊行年
 |
刊行年月
 |
訳者 |
出版社
|
1 |
|
The White Hippo |
1980年 |
|
|
|
2 |
小さな町のおいしいハンバーガー屋さん |
The Perfect Hamburger |
1984年 |
1989年1月 |
鋤柄暁子 |
ポプラ社文庫
|
3 |
|
Alix and the Tigers |
1988年 |
|
|
|
4 |
|
The Tin Dog |
1990年 |
|
|
|
5 |
|
Calculator Annie |
1991年 |
|
|
|
6 |
|
The Popcorn Pirates |
1991年 |
|
|
|
7 |
アキンボとライオン |
Akimbo and the Lions |
1992年 |
2007年6月 |
もりうちすみこ |
文研出版
|
8 |
|
The Doughnut Ring |
1992年 |
|
|
|
9 |
アキンボとクロコダイル |
Akimbo and the Crocodile Man |
1993年 |
2009年1月 |
もりうちすみこ |
文研出版
|
10 |
|
Paddy and the Ratcatcher |
1994年 |
|
|
|
11 |
|
The Muscle Machine |
1995年 |
|
|
|
12 |
|
The Bubblegum Tree |
1996年 |
|
|
|
13 |
|
Bursting Balloons Mystery |
1997年 |
|
|
|
14 |
|
The Five Lost Aunts of Harriet Bean |
1997年 |
|
|
|
15 |
|
Chocolate Money Mystery |
1999年 |
|
|
|
16 |
|
Teacher Trouble |
2000年 |
|
|
|
17 |
アキンボとアフリカゾウ |
Akimbo and the Elephants |
2005年 |
2006年5月 |
もりうちすみこ |
文研出版
|
18 |
|
Dream Angus |
2006年 |
|
|
|
19 |
アキンボと毒ヘビ |
Akimbo and the Snakes |
2006年 |
2010年1月 |
もりうちすみこ |
文研出版
|
20 |
アキンボとマントヒヒ |
Akimbo and the Baboons |
2008年 |
2011年2月 |
もりうちすみこ |
文研出版
|
21 |
|
The Great Cake Mystery |
2012年 |
|
|
|
学問書
- 1978 Power and Manoeuvrability (トニー・カーティ共著)
- 1983 法と医の倫理 Law and Medical Ethics (J・K・メイソン共著) - 改訂されており、マコール・スミスが担当したのは第6版までである
- 1987 Butterworths Medico-Legal Encyclopaedia (J・K・メイソン共著)
- 1990 Family Rights: Family Law and Medical Advances (エラニー・スーザーランド共著)
- 1992 The Criminal Law of Botswana (クワム・フリムポン共著)
- 1993 The Duty to Rescue (マイケル・メンロウ共著)
- 1992 Scots Criminal Law (デイヴィッド・H・シェルドン共著)
- 1997 Forensic Aspects of Sleep (コリン・シャピーロ共著)
- 2000 Justice and the Prosecution of Old Crimes (ダニエル・W・シューマン共著)
- 2001 Errors, Medicine and the Law (アラン・メリー共著)
- 2003 A Draft Criminal Code for Scotland (エリック・クライブ、パメラ・ファーガソン、クリストファー・ジェーン共著)
- 2004 Creating Humans: Ethical questions where reproduction and science collide (講義録)
出典
外部リンク