アンドレア・モーダ・S921
アンドレア・モーダ・S921 (Andrea Moda S921) は、シムテックが設計し、アンドレア・モーダ・フォーミュラが1992年のF1世界選手権に投入したフォーミュラ1カー。ドライバーは経験豊富なブラジル人ドライバーのロベルト・モレノとイギリス人ドライバーのペリー・マッカーシーが起用された。 概説S921は元々1990年にニック・ワースのシムテック・リサーチがBMWのF1参入計画のために設計したマシンであった。参戦に当たってデザインはアップデートされた[1]。 S921はジャッドGV V型10気筒エンジンを搭載した。前年、同エンジンを搭載したスクーデリア・イタリアのダラーラ・BMS191からエンジンと共にギヤボックス、サスペンションを流用し(シムテック#前身を参照)、リアセクションを構成している。 S921は車の性能を問う以前にチームの参戦態勢が整っていなかった。『F1 TV HANDBOOK´92 コンストラクターズ』(フジテレビ出版 1992年)では、「マシンはハイノーズ、ボルテックスなどのトレンドはおさえてある」「コローニ・C4よりは進化している」「短期間でこれだけのマシンを用意した事は評価していい」とする一方で、「スタッフが不足している。ドライバーのモレノまでもマシンを組む状況はあんまりだ」と評している。また、川井一仁も同書で、「F3000チーム以下のF1チーム」とコメントしている。チームの参戦態勢については、アンドレア・モーダ#余談も参照されたい。 決勝進出したのは1992年モナコグランプリのみであったが、予選26位、決勝では19位走行中の11周目にエンジントラブルでリタイアした。 チームオーナーのアンドレア・サセッティが通関書類を偽造していたとしてスパ・フランコルシャンで逮捕され、チームは追放された。チームは次戦イタリアへの参加準備を行っていたが、パドックへの立ち入りを禁止された。 チームはポイントを獲得することができず、コンストラクターズ選手権での順位は付かなかった。 S921は2台が製作された。 F1における全成績
参照
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