アンドレス・セゴビア (Andrés Segovia 、本名:Andrés Segovia Torres 、爵位:サロブレーニャ初代侯爵 (1st Marquis of Salobreña)1893年 2月21日 - 1987年 6月2日 [ 1] )は、スペイン のギタリスト 。音楽史 研究者 やギター奏者から「現代クラシック・ギター奏法の父 」と称される。
生涯
1962年のセゴビア
ハエン県 リナーレス で生まれた。4歳でギターに触れる。最初の演奏会 は16歳のときスペイン国内で、それから数年後には、初めてプロの演奏家としてマドリッド で演奏会を行い、フランシスコ・タレガ による編曲集と、自身の編曲によるバッハ の作品を演奏した。家族 からは常に妨害され、タレガの門人 の多くからは見下されていたが、弛まずギター演奏の研鑽を続けた。
セゴビアの演奏技巧は、タレガの高弟ミゲル・リョベート とエミリオ・プジョールの集まるサロンに通いタレガ奏法を見て学び取り、発展をさせた。タレガ派から踏襲した『(弾弦前に)指頭で弦を押し、爪から抜くタッチ』と『爪のみをで弾く明るいスタッカート』を加え色彩感をひき出した。当時のクラシック・ギター演奏家たちは、フラメンコ、マンドリン、歌伴奏のギター「かき鳴らし」からの脱却を目指し、クラシック音楽的な楽音を目指していた。
彼の卓越した演奏技巧と豊富なタッチ種類は、聴衆を驚嘆させた。結果的に、ギターはもはや大衆音楽 の楽器としてだけでなく、クラシック音楽の演奏にもふさわしいとみなされるようになった。
彼は生涯を通じて進歩を続け、より多くの聴衆のために演奏するようになるにつれて、既存のギターでは、満足な音量が得られないため、大規模な演奏会場(1000人以上)での演奏にとって不十分であると実感するようになった。これによって演奏技術の向上と、楽器の自然な音量の改善をもくろむようになった。
彼は楽器製作者と協働して、今日のクラシック・ギターとして知られるようなデザインを編み出した [要出典 ] 。これは、より良い木材と、ナイロン弦の利用が特徴的である。音響効果を改善するためにギターの形状も変更された。この新型ギターは、それ以前に世界各地で使われてきたギターに比べて、より大きな音が出せるようになった。
1928年 にアメリカ合衆国 における演奏旅行の後、「ギター弾き」として有名になった。演奏や芸術家としての姿勢はスペイン内外の作曲界に感銘を与え、20世紀 に数多くのギター作品が作曲された。とくに、直接作品を献呈した作曲家としては、ヴィラ=ロボス のほか、アルベール・ルーセル やマヌエル・ポンセ 、カステルヌオーヴォ=テデスコ 、アレクサンデル・タンスマン らの名を挙げることができる。自身も、多くのクラシック音楽をギター用に編曲したり、タレガらによるギター用の編曲を復活上演させたりした。
彼は生涯にわたって多くの学生をかかえたが、中でも有名な門人はアリリオ・ディアス 、松田晃演 、クリストファー・パークニング やジョン・ウィリアムス 、エリオット・フィスク 、オスカー・ギリア 、ステファノ・グロンドーナ 、フォルクローレ奏者のソンコ・マージュ らである。これらの門人は、彼の遺産を引き継ぎ、ギターの存在やレパートリー、認識を広げるために尽力している。
1987年 6月2日 、マドリッドにて心臓発作 により死去。94歳であった。亡くなった当日、訪日中のスペイン国立管弦楽団 (指揮: ヘスス・ロペス・コボス 、ギター: ナルシソ・イエペス )により追悼演奏(ロドリーゴ のアランフェス協奏曲 の第2楽章)が成された。1985年エルンスト・フォン・ジーメンス音楽賞 受賞。
主なディスコグラフィ
アルバム
Guitar Solos (1949年、Decca)
An Evening With Andres Segovia (1954年、Decca) ※1999年グラミーの殿堂 入り
Golden Jubilee (1958年-1960年、Brunswick) ※1958年グラミー賞 最優秀インストゥルメンタル・ソロ演奏(オーケストラなし)受賞
Ingterpreta: Granados, Albéniz, Scarlatti, Paganini (1961年、Deutsche Grammophon)
Segovia plays Bach (1969年、Saga)
Castles of Spain (1970年、Decca)
El arte de Andrés Segovia (1970年、MCA)
Fantasia para un Gentilhombre (1972年、MCA)
Recital intimo (1975年、Intercord)
The Segovia Collection (1989年-1991年、MCA) ※9枚組
Vol. 1: The Legendary Andrés Segovia in an All-Bach Program
Vol. 2: The Legendary Andrés Segovia plays "Fantasia para un Gentilhombre", "Concierto del Sur", "Castles of Spain"
Vol. 3: The Legendary Andrés Segovia: my Favorite Works
Vol. 4: The Legendary Andrés Segovia: The Baroque Guitar
Vol. 5: The Legendary Andrés Segovia: five centuries of the Spanish Guitar
Vol. 6: The Legendary Andrés Segovia: Ponce sonatas
Vol. 7: The Legendary Andrés Segovia: Guitar etudes
Vol. 8: The Legendary Andrés Segovia: Mario Castelnuovo-Tedesco
Vol. 9: "The Legendary Andrés Segovia: The Romantic Guitar"
The complete 1949 London Recordings (1994年、Testament)
The complete Early Recordings (1927–1939) (1997年、Fono Enterprise)
The Art of Segovia (2002年、Deutsche Grammophon)
The Segovia Collection (2003年、Deutsche Grammophon) ※4枚組
Vol. 1: Rodrigo, Boccherini, Ponce
Vol. 2: Rodrigo, Ponce, Castelnuovo-Tedesco, Torroba, Mompou
Vol. 3: Albeniz, Granados, Sanz, Sor
Vol. 4: Johann Sebastian Bach
Andres Segovia: 1950s American Recordings (2007年、Naxos)
Ponce: "Concierto del Sur". Rodrigo: "Fantasia para un Gentilhombre" (2012年、Naxos)
Segovia – Guitar Music (2016年、Brilliant Classics) ※セゴビア作曲、アルベルト・ラ・ロッカ演奏。収録: 11 Preludios , Estudio en mi mayor , Estudio para Deli , Recordando a Deli , Estudios , Estudio-Vals , Estudio sin luz , Improntu , Two Pieces , Veintitrés canciones populares de distintos paìses
脚注
関連項目
外部リンク