アーミデール級哨戒艇
アーミデール級哨戒艇(Armidale class patrol boat)は、オーストラリアの哨戒艇。14隻がオースタルによって建造された。 開発オーストラリア海軍は、保有する15隻のフリーマントル級哨戒艇の老朽化に伴い、1999年より更新計画SEA 1444を立案していた[3]。これに対してディフェンス・マリタイム・サービスズ(DMS、後のDMSマリタイム)が設計し、建造をオースタルが担う分担で応札した[4]。2003年12月17日には、DMSの案が採用され5億3300万ドルで12隻の建造が決定、2004年10月には2隻が追加された[5]。 建造はオースタルが所有するフリーマントルのヘンダーソン造船所で行われた[6]。 設計艇体艇体は総アルミニウム製であり、南緯50度以南での活動は考慮されていない[6]。高速艇の商船規格に軍艦構造を組み合わせたハイブリッドであり、環境汚染と安全規格については民間船のものに準じている[7] シーステート5まで対応し、シーステート4(波高2.5m)で全ての任務をこなして25ノットでの24時間巡航が、シーステート5(4m)で主要な捜索任務をこなすことが求められている。3,000海里の航続力を用いて1,000海里離れた洋上で42日間の任務に従事可能とされている[7]。 耐航性は、フリーマントル級よりも大型で半滑走型のV字型艇体とスタビライザーにより、能動的に海面の変化に対応することが可能となっている[7]。 人員標準的な乗組員の構成は、船長を含む士官7人、下士官4人、伍長・兵18人の29人である。船室は、船長室1、士官用2人部屋3、下士官用2人部屋2、伍長・兵は2人部屋1に4人部屋4となっている。加えて、簡易寝台20台を運用可能である[1]。 オーストラリア海軍では、21人で運用している[2]。 装備主砲としてタイフーンRWS上にM242 25mm機関砲を装備している他、ブリッジ後方両舷にM2HB 12.7mm機銃各1挺を有する[1]。 搭載艇はゾディアックの複合艇ZH 733を2隻後部甲板上に搭載している[7]。 光学機器に加え、スペリー・マリーンのE/F/IバンドレーダーブリッジマスターEとBAEシステムズ・オーストラリアのESM装置PRISM IIIを備え、通信機器はCEAテクノロジーズ製のものを採用している[8]。 運用アーミデール級は、アーデント(Ardent)、アセイル(Assail)、アタック(Attack)、アウェア(Aware)の4個哨戒艇隊に振り分けられ、4隻が6組のクルーによって運用されている[9]。アウェア隊のみ半個艇隊規模であり、クルーも3組となっている[10]。配置は、ケアンズにアーデント隊が配備され[11]、他の3隊はダーウィンに配備されている[9]。 海上での捜索救難活動、不法入国阻止や排他的経済水域での密漁取り締まり等の治安維持、国境警備などに用いられている[12]。 問題点硫化水素や一酸化炭素が内部に漏出する点が指摘されており、2006年には4人の負傷者が出ているとされる[13]。また、燃料やエンジンのトラブルに加えて、トイレの排水不良等の居住空間についての問題も指摘されている[13]。 同艦型
登場作品
脚注
外部リンク |
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