ウィンザーの陽気な女房たち (オペラ)
![]() 『ウィンザーの陽気な女房たち』(ドイツ語: Die lustigen Weiber von Windsor)は、オットー・ニコライが作曲した3幕からなるオペラ。サロモン・ヘルマン・フォン・モーゼンタールによるドイツ語台本(ウィリアム・シェイクスピアが著した同名の戯曲『ウィンザーの陽気な女房たち』(The Merry Wives of Windsor )に基づく)による。1849年3月9日にベルリン王立歌劇場(現在のベルリン国立歌劇場)にて初演されたが、当時は不評だった。初めて称賛を受け、何回も演奏されるようになった頃には、ニコライは既に故人であった。 あらすじ
作曲から初演まで作曲ニコライは1845年から1846年にかけてこの音楽の旋律の大部分を完成させ、この作品の初演が延期になった1849年にスコアを調整した。ドニゼッティの『Rosmonda d'Inghilterra』、自身の『Gildippe ed Odoardo』と『Il templario』、メルカダンテの『Il proscritto』などの作品を1843年にドイツ語の台本に改訂して『Die Heimkehr des Verbannten』として出版してさらなる賞賛を得たことで、ニコライはシェイクスピアの劇に目を向けるようになった。『ウィンザーの陽気な女房たち』が発表されるまでは、『Die lustigen Weiber von Windsor』は彼の唯一の代表作として知られていた。4つのイタリア語のメロドラマでも成功を収めていたが、本作の成功により忘れられた存在となった。 ニコライはモーゼンタールのドイツ語台本を調整するのに自信を持っていた。 初演![]() 当初は上演してくれる劇場を探すのに大変な苦労をした。1849年3月9日にようやくベルリンのベルリン王立歌劇場(現在のベルリン国立歌劇場)で作曲者自身の指揮のもと初演されたが、最初は不成功に終わり、わずか4回の公演で中止となった。しかし、ニコライの死後間もなくしてからは好評的な意見が増え、急激に演奏回数も増え始めた。台本とドラマツルギーは現代の観客にとっては時代遅れとも評されているが、それでもなおこの作品は今日まで標準的な人気を保っている。また、音楽としての質が非常に良いため、この作品はより定期的に演奏されるようになっている。 初演に先立つ1847年4月1日には、ニコライ自身が創立したウィーン・フィルハーモニー管弦楽団により、作品の抜粋および序曲が演奏されていた。 登場人物
ニコライの代表作
同時期のドイツ語による喜歌劇 ジングシュピールの中でもユーモアと新鮮さにおいて傑出している。 喜歌劇の作曲者として先輩であるアルベルト・ロルツィングの作風に似るものとされているが、形式的にはより簡潔であり、ヴェルディの『ファルスタッフ』のような笑わせるような見せ場は少ない。旋律が美しく、活発でいかにも喜劇的な作品である。ヴェルディ作品に比べ上演機会は(特にドイツ圏以外では)多くないが、序曲は有名で、器楽の演奏会曲目に用いられることもある。 この序曲は短編ミュージカル映画『ウィンザーの陽気な女房たち 序曲』のインスピレーションとなった。エドウィン・ルメア(Edwin Lemare)はオルガン用に編曲を行った。ピーター・リチャード・コンテ(Peter Richard Conte)はワナメイカー・オルガンのスコアを書き写した。 楽器編成フルート2(ピッコロ持ち替えあり)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ(1対)、大太鼓、シンバル、トライアングル、鐘、弦5部(ヴァイオリンソロあり)、ハープ 演奏時間約2時間10分(各幕50分、45分、35分) 著名なアリア
参考文献
関連項目
外部リンク |
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