ウエストナイルウイルス
ウエストナイルウイルスの電子顕微鏡像
分類
ウエストナイルウイルス (West Nile virus、WNV )とは、フラビウイルス科 フラビウイルス属に属するRNAウイルス の一種である。ウエストナイル熱 の病原体 であり、主にイエカ を媒介とする。西ナイルウイルス [ 1] 、ウエストナイル熱ウイルス [ 2] と呼称されることもある。血清学 的には、日本脳炎ウイルス と同じ血清型 群に分類される[ 2] [ 3] 。
構造
ウエストナイルウイルスのNS2B-NS3プロテアーゼのリボン図
他のフラビウイルスと同様に、ウエストナイルウイルスは正二十面体 対称のエンベロープ を持つウイルスである[ 4] 。低温電子顕微鏡法 と三次元再構成により、フラビウイルス属の1種であるデングウイルス 同様、表面が比較的滑らかなタンパク質 の殻によって覆われた、45 - 50 nm 程の大きさのビリオン であることが判明している[ 4] 。このタンパク質の殻は糖タンパク質 であるEと、小さい膜タンパク質 であるMという2種類のタンパク質から構成されている[ 5] 。このうちEには、受容体 の結合やウイルスの付着、膜の融合による細胞への侵入などといった役割がある[ 5] 。
RNAゲノムは、105アミノ酸残基からなるカプシド (C)タンパク質と結合し、ヌクレオカプシド を形成する[ 6] 。このカプシドタンパク質は、感染した細胞で最初に合成されるタンパク質であり[ 6] 、ゲノムRNAをウイルスに詰め込むことを主な目的とした構造タンパク質である[ 7] 。また、カプシドはPI3K/Akt経路を活性化させることで、アポトーシス を防ぐ働きを持つことも判明している[ 6] 。
ヌクレオカプシドは、エンベロープとも呼ばれる宿主由来の膜で覆われている[ 6] 。この膜には、デングウイルスの解析結果から、コレステロール とホスファチジルセリン の成分が含まれていることが判明しているものの[ 8] [ 9] 、その他の構成成分は現在も判明していない。この膜はシグナル伝達分子として働くため、ウイルス感染 において重要な役割を果たしている[ 10] 。特にコレステロールは、宿主 の細胞に侵入する際に必要不可欠な役割を果たすことが判明している[ 11] 。最外層の殻を構成しているタンパク質E、Mは、この膜に挿入されている[ 6] 。
ゲノム
ウエストナイルウイルスのゲノム
ウエストナイルウイルスは、一本鎖プラス鎖RNAウイルス である。ゲノムは約1万1000塩基 の単一のオープンリーディングフレーム から構成され、その5'末端と3'末端には隣接してノンコーディング ステムループ 構造が存在している[ 12] 。それぞれ5'末端側が約100塩基長、3'末端側が約600塩基長である[ 13] 。ゲノムのコーディング領域 は、3種類の構造タンパク質をコードする遺伝子 と、7種類の非構造タンパク質をコードする遺伝子で構成されている[ 12] [ 13] [ 14] 。ゲノムはポリプロテインとして翻訳された後、ウイルスと宿主のプロテアーゼ によって、NS1、C、Eといったタンパク質へと切断される[ 12] [ 14] [ 15] 。
構造タンパク質
構造タンパク質 C、prM/M、Eは、それぞれカプシド、前駆体膜タンパク質、エンベロープタンパク質である[ 12] 。これらの構造タンパク質のコード領域は、ゲノムの5'末端側に位置している[ 13] 。
構造タンパク質
特徴
C
カプシドタンパク質であり、RNAゲノムを包み込み、未成熟のビリオンにゲノムを詰め込む役割を持つ[ 7] 。
prM/M
prMはMの前駆体 であり、ウイルスが成熟する途中に転換酵素であるフリン によって、膜タンパク質Mへと切断される。Mタンパク質の存在によってウイルスの細胞侵入に関与するタンパク質が活性化されるため、Mタンパク質を持つウイルスが感染力を持つ[ 13] 。
E
エンベロープを形成する糖タンパク質であり、細胞へと侵入するために宿主の細胞の表面にある受容体と結合する[ 16] 。
非構造タンパク質
非構造タンパク質 はNS1、NS2A、NS2B、NS3、NS4A、NS4B、NS5からなり、主にウイルスの複製を補助したり、プロテアーゼとして働いたりしているものの[ 17] 、これらのタンパク質の機能は断片的にしか解明されておらず、不明な部分も多い[ 13] 。これらの非構造タンパク質のコード領域は、ゲノムの3'末端側に位置している[ 13] 。
非構造タンパク質
特徴
NS1
ウイルスの複製、特に複製複合体を調節する役割を持つ[ 18] 。
NS2A
ウイルスの複製やビリオンの構築、自然免疫応答の調節など、多くの役割を持つ[ 19] 。
NS2B
NS3の補因子 であり、NS2B-NS3プロテアーゼ複合体を形成する。末端部には3つの膜ドメインがあり、プロテアーゼをウイルス誘導膜に結合するために重要である[ 17] 。
NS3
ポリプロテインを切断し、成熟タンパク質の産生を担うセリンプロテアーゼ 。ヘリカーゼ などとしても機能する[ 17] 。
NS4A
ウイルス複製の補因子であり、特にNS3のヘリカーゼ活性を調節する[ 20] 。
NS4B
インターフェロン シグナルの伝達を阻害する役割を持つ[ 21] 。
NS5
WNVゲノムの中で最大のタンパク質であり、最も保存性が高い。メチルトランスフェラーゼ やRNA依存性RNAポリメラーゼ として機能するが、校正機能は存在しない[ 17] 。
生活環
ウエストナイルウイルスが宿主となる動物の血流に侵入すると、エンベロープタンパク質Eが標的細胞の表面にあるグリコサミノグリカン と呼ばれる接着因子に結合する[ 16] 。これらの因子はウイルスが細胞に侵入する際に重要となるが、そのために一次受容体との結合が必要となる[ 22] 。一次受容体にはDC-SIGN (英語版 ) やDC-SIGN-R、インテグリン αV β3 といったものが含まれ[ 23] 、これらの受容体と結合することで、ウイルスはクラスリン 介在性エンドサイトーシス によって細胞に侵入する[ 24] 。
エンドソーム の酸性環境はエンドソームの膜とウイルスの膜の融合を触媒し、ゲノムを細胞質 に放出できるようになる[ 25] 。一本鎖プラス鎖RNAは小胞体 上でポリプロテインとして翻訳 された後、宿主のプロテアーゼとウイルス由来のNS2B-NS3プロテアーゼによって切断され、成熟したタンパク質が作られる[ 26] 。
自身のゲノムを複製するため、RNAポリメラーゼ であるタンパク質NS5は他の非構造タンパク質と複製複合体を形成し、一本鎖マイナス鎖RNA の中間体を生成する[ 22] 。生成されたマイナス鎖は、プラス鎖の合成の鋳型として機能する[ 22] [ 23] 。合成されたプラス鎖は、カプシドタンパク質Cによって[ 7] ビリオン内に詰め込まれる[ 23] 。ウイルスの残りの部分は、小胞体とゴルジ体 を介して組み立てられ、非感染性の未成熟なビリオンとなる[ 26] 。その後、タンパク質Eがグリコシル化 され、タンパク質prMがフリンによって切断されMとなることで、感染性を持った成熟したビリオンが形成される[ 12] [ 26] 。こうして形成された成熟したウイルスは細胞表面から細胞外へと分泌される[ 12] 。
系統
全ゲノムシーケンス中のエンベロープ遺伝子の配列決定に基づくウエストナイルウイルスの系統樹 [ 27]
ウエストナイルウイルスはセントルイス脳炎ウイルス やマレーバレー脳炎ウイルス (英語版 ) といったフラビウイルスと同様に、日本脳炎血清型群に分類される[ 3] [ 13] [ 28] 。系統樹 解析の結果、ウエストナイルウイルスは約1000年前に新たなウイルスとして発現したことが判明している[ 29] 。最初のウイルスは、異なる2つの系統へと進化していった。系統1(右図のLIN-1)のウイルスは、西アフリカ や中東 、東ヨーロッパ 、アメリカ 、オーストラリア など世界中に分布している[ 27] 。系統1は1aから1cまで細分化されており、1aには北アフリカ や中部アフリカ 、ヨーロッパ、中東、南北アメリカ で分離された株が、1bには主にオーストラリアに分布している[ 30] クンジンウイルス (英語版 ) が、1cにはインド で分離された株が含まれている[ 31] 。1aの中でも、アメリカやイスラエル で分離した株(右図のU.S./Israel)は他の1aの株と比べて、鳥類の致死率が高いことが知られている[ 32] 。このため、カナダ のケベック州 にて実用化された、ウイルスの流行を監視するシステムでは、カラス科 の鳥の死亡数も判断材料として用いられた[ 33] 。
系統2(右図のLIN-2)のウイルスは、アフリカ大陸 の中でも主にサハラ砂漠 より南部の地域と、マダガスカル島 に分布していたものの[ 30] [ 34] 、2008年にハンガリー にて、ウマ 18頭から系統樹2由来のウイルスが検出されたことで、ヨーロッパでの感染が確認された[ 34] 。また南アフリカ共和国 では、これまで系統樹1由来のウイルスは確認されていなかったものの、2010年に牝馬 と流産 した胎児 から検出され、初めての感染例となった[ 35] 。
当初は北アメリカ大陸 には分布していなかったものの、1999年8月から10月にかけて初めてアメリカにて人と馬で感染が確認され、その後にカナダ や中南米 地域にも分布が拡大している[ 36] 。主にヒト やウマ、鳥類 での感染例がある[ 36] 。しかし、2002年にはトロント の動物園にて死亡したオスのバーバリーマカク からウエストナイルウイルスが検出されたことで、ヒト以外のサル目 の動物にも感染することが判明した[ 37] 。また、2007年には、アメリカ・テキサス州 にてシャチ がウイルスに感染することが判明したため、宿主域にクジラ目 の動物が追加された[ 38] 。
宿主域と伝染
ウエストナイルウイルスの媒介者 となるアカイエカ
ウエストナイルウイルスの自然宿主は鳥類とカ である[ 39] 。特に鳥類においては、300種以上の鳥が感染することが判明している[ 40] [ 41] 。この内、アメリカガラス やアオカケス 、キジオライチョウ を含む複数の鳥類は感染によって死亡するものの、その他の鳥は感染しても死亡しないことが判明している[ 42] [ 43] 。また、コマツグミ やイエスズメ が、ヨーロッパや北米の都市において最も重大な保因宿主であると考えられている[ 44] [ 45] 。この他に、北米に生息する鳥の中では、チャイロツグミモドキ やネコマネドリ 、ショウジョウコウカンチョウ 、マネシツグミ 、モリツグミ に加え、ハト科 の鳥などの抗体保有率が高いことも判明している[ 42] 。
ウエストナイルウイルスは多くの種類のカから検出されているが、感染拡大の要因となるカは、アカイエカ (学名:Culex pipiens )やネッタイイエカ (英語版 ) (学名:Culex quinquefasciatus )、Culex salinarius 、Culex nigripalpus 、Culex erraticus などが含まれるイエカ属である[ 42] 。日本 ではアカイエカやネッタイイエカの他に、チカイエカ やヒトスジシマカ が重要な媒介蚊となる可能性があると指摘されている[ 13] 。また、感染実験は軟ダニ (英語版 ) を媒介者として用いることで実証されているものの、自然感染ではベクターとして役割を果たす可能性は低いとみられている[ 46] 。
ウエストナイルウイルスの宿主域は非常に広く、ヒトやヒト以外のサル目の動物に加え[ 47] 、ウマやイヌ 、ネコ など少なくとも30種以上の哺乳類 が感染する可能性があることが知られている[ 48] 。しかし、ヒトやウマと違い、イヌやネコは感染しても症状を発症しないとみられている[ 15] [ 49] 。哺乳類以外では、ワニ やヘビ 、トカゲ 、カエル といった爬虫類 や両生類 の動物も感染することが判明している[ 48] [ 50] [ 51] [ 52] 。哺乳類はウイルス血症 となる可能性が比較的低く、別のカに感染させることはあるが、そのカが感染源となることがほとんどないため[ 42] 、終末宿主であると考えられている[ 13] 。また、一部の鳥も終末宿主であることが判明している[ 42] 。
ウエストナイルウイルスは、鳥とカの間で感染環を形成することで伝染するウイルスである[ 13] [ 15] [ 45] 。また、直接的な接触や感染した鳥の死骸の捕食、汚染水を飲むといった行為により感染することもある[ 45] 。さらに、メスのカとその子孫の間で垂直感染 が起こることがあり、ウイルスが越冬 する上で重要なメカニズムである可能性がある[ 53] 。地方では単に鳥とカの間で感染サイクルを形成するものの、都市部ではウイルスに感染した鳥から血 を吸ったカがヒトを刺すことで感染させることがある[ 45] [ 54] 。この感染には鳥とヒトの両方に吸血嗜好性を持つカが必要であり、こうしたカのことをブリッジベクターと呼ぶ[ 55] [ 56] 。カを介さない感染経路として、妊婦が感染したことによる胎児への感染や授乳 、輸血 、臓器移植 等による感染例等が報告されているものの[ 13] [ 54] 、これらの感染が起きることは稀であると考えられている[ 54] 。鳥とは異なり、上記以外ではヒト-ヒト感染は発生しないと考えられている[ 39] 。
症状
ヒト
ヒトにとって、ウエストナイルウイルスはウエストナイル熱 を引き起こす病原体として知られている[ 3] [ 13] [ 15] 。アメリカ疾病予防管理センター (CDC)によれば、感染者の約80 % は無症状 であるが、残りの約20 %の人は発熱 や頭痛 、嘔吐 、下痢 などといった中程度の症状を発症し、完治までに数週間から数か月を要することになる[ 57] 。このうち、約150人に1人の割合で、脳炎 や髄膜炎 、痙攣 、筋力・視力低下等の深刻な症状を発症し、重体になることがある[ 57] 。ヒトが脳炎を発症する原因として、ウイルス感染によりサイトカイン の1種であるケモカイン が増加し、血液脳関門 を透過させるからであると判明している[ 58] 。また、神経系 の症状を発症した患者の死亡率は約10 %であり、60歳以上の高齢者やがん 、糖尿病 、高血圧 を持病に持つ人、臓器移植を受けた人は重症になりやすい[ 57] 。ナイル川デルタ など、歴史上流行したことのある地域の住民は、無症状または軽度の症状の発症を経験したことのある人が多い[ 27] 。アメリカでは疑わしい症状を発症した場合、主に抗体検査 を用いることが多い[ 59] 。これらの症状に対する明確な治療法は確立していないものの、鎮痛剤 が役立つ可能性があるといわれている[ 57] 。
ウマ
ウマも発症することがまれであり、発症率は8 %程であるといわれている[ 60] 。発症しても運動失調 や発熱など[ 60] の軽症であることが多いものの、脳脊髄炎 等の重度の神経疾患を患うことがある[ 39] [ 60] 。このため、現在はウマ用のワクチン が利用可能である[ 13] [ 39] [ 61] [ 62] 。これらのワクチンが開発される以前は、北米での致死率が約40 %もあり、数万匹ものウマが死亡した[ 42] 。
発見の経緯
「ウエストナイルウイルス」という名称は、ウガンダ の西ナイル地方 が由来である[ 1] 。1937年 当時、ウガンダのエンテベ には、ロックフェラー財団 によって設立された黄熱病 の研究所があり、アメリカ人の研究者が黄熱ウイルスの分離作業を行っていた[ 1] 。ある日、発熱した現地に住む女性の血液から初めてこのウイルスを分離することに成功した[ 1] [ 3] [ 15] 。この女性が西ナイル地方に居住していたため[ 1] [ 3] [ 15] 、ウエストナイルウイルスと命名した[ 1] 。女性の症状は軽度の発熱のみであったため、しばらく行方不明であったものの、未知のウイルスを分離した研究者らが必死で捜索し、発見後に検査したところ、女性の血清からウイルスの中和抗体が検出された[ 1] 。
その後、分離したウイルスをネズミ に投与すると、ネズミが脳炎を発症したため、研究者らは1940年 にアメリカ熱帯医学会(ASTMH)に神経に影響を与える新種のウイルスを発見したという論文を寄稿した[ 1] [ 63] 。
感染の特徴
CDCによれば、温帯 の地域でのウエストナイルウイルスの流行には季節性があることが判明している[ 64] 。北アメリカやヨーロッパ、地中海 沿岸の温帯地域では、7月から10月ごろがピークであると考えられている[ 64] 。実際、アメリカでの感染報告のうち、そのほとんどは8月と9月に集中している[ 65] 。このピークの時期は地域差があり、湿度の高い地域ではピークの期間が長くなると考えられている[ 64] 。すべての年齢層の人が同様に感染する可能性があるものの、高齢者は神経浸潤性疾患の罹患率や死亡率が他の年齢層に比べて高いことが判明している[ 64] 。
予防
2019年時点で4種類の獣医用ワクチンが市販されているものの、ヒト用ワクチンとして第III相試験 へと進んだワクチンは存在していない[ 66] 。ヒト用ワクチンとして複数の候補薬が開発されているものの、使用が許可されたワクチンは未だない[ 66] 。このため、ウエストナイルウイルスの感染予防対策は、人が感染した蚊と接触することを避けることに焦点を置いている[ 67] 。その方法として、自己防衛と蚊の駆除の2つが挙げられている[ 67] 。自己防衛の手段としては、蚊が活発に活動する夜間の外出を控える、屋外では長袖、長ズボン、靴下を着用する、ディート を含む防虫剤 やペルメトリン を使用するといったものがある[ 67] 。また、網戸 や蚊帳 を利用して、蚊が室内に入らないようにすることでも予防しやすくなると考えられている[ 39] [ 68] 。
蚊の駆除作業は、アメリカでは主に自治体ごとに行われ、蚊の監視や生息地での駆除、溜まった水の排水などが実施されている[ 69] 。このほかに、鳥類を監視するシステムの利用も感染予防に効果的であると考えられている[ 33] 。アメリカでは、鳥の死骸はウエストナイルウイルスや鳥インフルエンザ といった感染症の早期発見に役立つ可能性があることから、CDCは鳥の死骸を発見した場合に州の保健局などへ連絡を入れるよう要請している[ 40] 。
気候変動による影響
ウエストナイルウイルスの分布図。CDC作成[ 70] 。
気候変動は人の健康に様々な影響を与える。この影響は複雑であり、その規模や時期は環境条件や人の脆弱性によって変化する。こういった影響の1つにウエストナイル熱などの媒介性疾患の発生がある。気候変動はウイルスの出現率や出現範囲、季節性などに変化を与えることで、ウイルスの分布に変化を与える。このため、気候変動はこれらの感染症の疫学に変化を与える大きな環境要因であると考えられている[ 71] 。
降水量や温度、風など気候変動の影響を受けるものは、蚊の生存率や繁殖率、生息地、分布数などに影響を与える可能性がある。周囲温度は、感染した蚊の発生時期や人の感染者の増減に関する地理的変動に影響を与えるため、ウイルスの複製や伝播に影響を与える。例として、温度が上昇すると、ウイルスの複製速度や進化する速度が大きくなり、ウイルスの感染効率が高まる。また、冬から春の気温が高くなると、夏に発生する蚊が増えるため、感染の危険性が高まる。同様に、降水量が増加することで蚊の繁殖がより活発になり、感染の危険性が高まる。この他に、風によって、ウイルスを持つ蚊が移動するため、ウイルス拡散の要因になりうる[ 71] 。
日本での感染
ウエストナイルウイルスはアフリカや中東、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなど様々な地域に分布していることが判明しているが、日本国内での感染例は存在しない[ 3] 。しかし、2005年10月3日には、アメリカに滞在していた人物がウエストナイル熱を発症したことが判明し、初の輸入症例として報告された[ 13] 。
脚注
^ a b c d e f g h 森田公一「5.ウエストナイル熱・脳炎 」『日本内科学会雑誌』第93巻第11号、日本内科学会 、2004年11月、2328-2333頁、doi :10.2169/naika.93.2328 、ISSN 0021-5384 、NAID 10014293552 。
^ a b 高島, 郁夫. “ウエストナイル熱 西ナイル熱 ”. 日本獣医学会. 2020年9月11日閲覧。
^ a b c d e f 伊藤, 美佳子. “ウエストナイル熱/ウエストナイル脳炎とは ”. 国立感染症研究所 . 2020年9月8日閲覧。
^ a b Mukhopadhyay, Suchetana; Kim, Bong-Suk; Chipman, Paul R.; Rossmann, Michael G.; Kuhn, Richard J. (2003-10-10). “Structure of West Nile Virus” (英語). Science 302 (5643): 248. doi :10.1126/science.1089316 . ISSN 0036-8075 . PMID 14551429 . https://science.sciencemag.org/content/302/5643/248 .
^ a b Kanai, Ryuta; Kar, Kalipada; Anthony, Karen; Gould, L. Hannah; Ledizet, Michel; Fikrig, Erol; Marasco, Wayne A.; Koski, Raymond A. et al. (2006-11-01). “Crystal Structure of West Nile Virus Envelope Glycoprotein Reveals Viral Surface Epitopes” (英語). Journal of Virology 80 (22): 11000-11008. doi :10.1128/jvi.01735-06 . ISSN 0022-538X . PMC 1642136 . PMID 16943291 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1642136/ .
^ a b c d e Urbanowski, Matt D.; Hobman, Tom C. (2013-01-15). “The West Nile Virus Capsid Protein Blocks Apoptosis through a Phosphatidylinositol 3-Kinase-Dependent Mechanism” (英語). Journal of Virology 87 (2): 872-881. doi :10.1128/jvi.02030-12 . ISSN 0022-538X . PMC 3554064 . PMID 23115297 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3554064/ .
^ a b c Hunt, Tracey A.; Urbanowski, Matthew D.; Kakani, Kishore; Law, Lok-Man J.; Brinton, Margo A.; Hobman, Tom C. (2007-11-01). “Interactions between the West Nile virus capsid protein and the host cell-encoded phosphatase inhibitor, I2PP2A” (英語). Cellular Microbiology 9 (11): 2756-2766. doi :10.1111/j.1462-5822.2007.01046.x . ISSN 1462-5822 . PMID 17868381 . https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1462-5822.2007.01046.x .
^ Carro, Ana C.; Damonte, Elsa B. (2013). “Requirement of cholesterol in the viral envelope for dengue virus infection” (英語). Virus Research 174 (1-2): 78-87. doi :10.1016/j.virusres.2013.03.005 . PMID 23517753 .
^ Meertens, Laurent; Carnec, Xavier; Lecoin, Manuel Perera; Ramdasi, Rasika; Guivel-Benhassine, Florence; Lew, Erin; Lemke, Greg; Schwartz, Olivier et al. (2012). “The TIM and TAM Families of Phosphatidylserine Receptors Mediate Dengue Virus Entry” (英語). Cell Host & Microbe 12 (4): 544-557. doi :10.1016/j.chom.2012.08.009 . PMC 3572209 . PMID 23084921 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3572209/ .
^ Martín-Acebes, Miguel A.; Merino-Ramos, Teresa; Blázquez, Ana-Belén; Casas, Josefina; Escribano-Romero, Estela; Sobrino, Francisco; Saiz, Juan-Carlos (2014-10-15). “The Composition of West Nile Virus Lipid Envelope Unveils a Role of Sphingolipid Metabolism in Flavivirus Biogenesis” (英語). Journal of Virology 88 (20): 12041-12054. doi :10.1128/jvi.02061-14 . ISSN 0022-538X . PMC 4178726 . PMID 25122799 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4178726/ .
^ Medigeshi, Guruprasad R.; Hirsch, Alec J.; Streblow, Daniel N.; Nikolich-Zugich, Janko; Nelson, Jay A. (2008-06-01). “West Nile Virus Entry Requires Cholesterol-Rich Membrane Microdomains and Is Independent of αvβ3 Integrin” (英語). Journal of Virology 82 (11): 5212-5219. doi :10.1128/jvi.00008-08 . ISSN 0022-538X . PMC 2395215 . PMID 18385233 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2395215/ .
^ a b c d e f Colpitts, Tonya M.; Conway, Michael J.; Montgomery, Ruth R.; Fikrig, Erol (2012-10-01). “West Nile Virus: Biology, Transmission, and Human Infection” (英語). Clinical Microbiology Reviews 25 (4): 635-648. doi :10.1128/cmr.00045-12 . ISSN 0893-8512 . PMC 3485754 . PMID 23034323 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3485754/ .
^ a b c d e f g h i j k l m n 高崎, 智彦「ウエストナイル熱・脳炎 」『ウイルス』第57巻第2号、日本ウイルス学会 、2007年12月、199-206頁、doi :10.2222/jsv.57.199 、ISSN 0042-6857 、NAID 10020283697 。
^ a b Chung, Kyung Min; Liszewski, M. Kathryn; Nybakken, Grant; Davis, Alan E.; Townsend, R. Reid; Fremont, Daved H.; Atkinson, John P.; Diamond, Michael S. (2006-12-12). “West Nile virus nonstructural protein NS1 inhibits complement activation by binding the regulatory protein factor H” (英語). Proceedings of the National Academy of Sciences 103 (50): 19111-19116. doi :10.1073/pnas.0605668103 . ISSN 0027-8424 . PMC 1664712 . PMID 17132743 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1664712/ .
^ a b c d e f 倉根一郎「アルボウイルス感染症におけるウエストナイル熱・脳炎の位置付け 」『ウイルス』第55巻第1号、日本ウイルス学会、2005年6月、63-68頁、doi :10.2222/jsv.55.63 、ISSN 00426857 、NAID 10016449453 。
^ a b Perera-Lecoin, Manuel; Meertens, Laurent; Carnec, Xavier; Amara, Ali (2013-12-30). “Flavivirus Entry Receptors: An Update” (英語). Viruses 6 (1): 69-88. doi :10.3390/v6010069 . PMC 3917432 . PMID 24381034 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3917432/ .
^ a b c d Londono-Renteria, Berlin; Colpitts, Tonya M. (2016). “A Brief Review of West Nile Virus Biology” (英語). West Nile Virus . Methods in Molecular Biology. 1435 . Humana Press. pp. 1-13. doi :10.1007/978-1-4939-3670-0_1 . ISBN 978-1-4939-3668-7 . ISSN 1940-6029 . PMID 27188545
^ Youn, Soonjeon; Ambrose, Rebecca L.; Mackenzie, Jason M.; Diamond, Michael S. (2013-11-18). “Non-structural protein-1 is required for West Nile virus replication complex formation and viral RNA synthesis” (英語). Virology Journal 10 : 339. doi :10.1186/1743-422x-10-339 . ISSN 1743-422X . PMC 3842638 . PMID 24245822 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3842638/ .
^ Melian, Ezequiel Balmori; Edmonds, Judith H.; Nagasaki, Tomoko Kim; Hinzman, Edward; Floden, Nadia; Khromykh, Alexander A. (2013). “West Nile virus NS2A protein facilitates virus-induced apoptosis independently of interferon response” (英語). Journal of General Virology 94 (2): 308-313. doi :10.1099/vir.0.047076-0 . PMC 3709616 . PMID 23114626 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3709616/ .
^ Shiryaev, Sergey A.; Chernov, Andrei V.; Aleshin, Alexander E.; Shiryaeva, Tatiana N.; Strongin, Alex Y. (2009). “NS4A regulates the ATPase activity of the NS3 helicase: a novel cofactor role of the non-structural protein NS4A from West Nile virus” (英語). Journal of General Virology 90 (9): 2081-2085. doi :10.1099/vir.0.012864-0 . PMC 2887571 . PMID 19474250 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2887571/ .
^ Wicker, Jason A.; Whiteman, Melissa C.; Beasley, David W.C.; Davis, C. Todd; McGee, Charles E.; Lee, J. Ching; Higgs, Stephen; Kinney, Richard M. et al. (2012). “Mutational analysis of the West Nile virus NS4B protein” (英語). Virology 426 (1): 22-33. doi :10.1016/j.virol.2011.11.022 . PMC 4583194 . PMID 22314017 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4583194/ .
^ a b c Brinton, Margo A. (2002-10-01). “The Molecular Biology of West Nile Virus: A New Invader of the Western Hemisphere”. Annual Review of Microbiology 56 (1): 371-402. doi :10.1146/annurev.micro.56.012302.160654 . ISSN 0066-4227 . PMID 12142476 .
^ a b c Samuel, Melanie A.; Diamond, Michael S. (2006-10-01). “Pathogenesis of West Nile Virus Infection: a Balance between Virulence, Innate and Adaptive Immunity, and Viral Evasion” (英語). Journal of Virology 80 (19): 9349-9360. doi :10.1128/jvi.01122-06 . ISSN 0022-538X . PMC 1617273 . PMID 16973541 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1617273/ .
^ Vancini, Ricardo; Kramer, Laura D.; Ribeiro, Mariana; Hernandez, Raquel; Brown, Dennis (2013). “Flavivirus infection from mosquitoes in vitro reveals cell entry at the plasma membrane” (英語). Virology 435 (2): 406-414. doi :10.1016/j.virol.2012.10.013 . PMID 23099205 . https://reader.elsevier.com/reader/sd/pii/S0042682212005119?token=5796B03B7CCCEBBBB6641D71E612636937EFB32010F81904CD533C20C95962B4D38C336D2CC00500C7C6B8AB4A14F6C5 .
^ Mukhopadhyay, Suchetana; Kuhn, Richard J.; Rossmann, Michael G. (2005). “A structural perspective of the flavivirus life cycle”. Nature Reviews Microbiology 3 (1): 13-22. doi :10.1038/nrmicro1067 . PMID 15608696 .
^ a b c Suthar, Mehul S.; Diamond, Michael S.; Jr, Michael Gale (2013). “West Nile virus infection and immunity”. Nature Reviews Microbiology 11 (2): 115-128. doi :10.1038/nrmicro2950 . PMID 23321534 .
^ a b c Lanciotti, R.S; Ebel, G.D; Deubel, V; Kerst, A.J; Murri, S; Meyer, R; Bowen, M; McKinney, N et al. (6 2002). “Complete Genome Sequences and Phylogenetic Analysis of West Nile Virus StrainsIsolated from the United States, Europe, and the Middle East” (英語). Virology 298 (1): 96-105. doi :10.1006/viro.2002.1449 . ISSN 0042-6822 . PMID 12093177 . https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0042682202914492?via%3Dihub .
^ Lobigs, M; Diamond, M.S (2012). “Feasibility of cross-protective vaccination against flaviviruses of the Japanese encephalitis serocomplex” (英語). Expert Rev Vaccines 11 (2): 177-87. doi :10.1586/erv.11.180 . PMC 3337329 . PMID 22309667 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3337329/ .
^ Galli, M; Bernini, F; Zehender, G (7 2004). “Alexander the Great and West Nile virus encephalitis” (英語). Emerging Infect. Dis. 10 (7): 1330-2; author reply 1332-3. doi :10.3201/eid1007.040396 . PMID 15338540 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3323347/ .
^ a b Bakonyi, T; Ivanics, É; Erdélyi, K; Ursu, K; Ferenczi, E; Weissenböck, H; Nowotny, N (4 2006). “Lineage 1 and 2 Strains of Encephalitic West Nile Virus, Central Europe” (英語). Emerging Infectious Diseases 12 (4): 618-623. doi :10.3201/eid1204.051379 . ISSN 1080-6059 . PMC 3294705 . PMID 16704810 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3294705/ .
^ 『馬のウエストナイルウイルス感染症 』(PDF)(第2版)公益社団法人 中央畜産会、2017年1月、4頁。http://keibokyo.com/wp-content/themes/keibokyo/images/learning/pdf/62.pdf 。
^ Sejvar, J.J (2003). “West Nile Virus: An Historical Overview” (英語). The Ochsner Journal 5 (3): 6-10. PMC 3111838 . PMID 21765761 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3111838/ .
^ a b Gosselin, P; Lebel, G; Rivest, S; Douville-Fradet, M (13 September 2005). “The Integrated System for Public Health Monitoring of West Nile Virus (ISPHM-WNV): a real-time GIS for surveillance and decision-making” (英語). International Journal of Health Geographics 4 (21): 1-12. doi :10.1186/1476-072X-4-21 . https://ij-healthgeographics.biomedcentral.com/articles/10.1186/1476-072X-4-21 .
^ a b West, C (2010年2月8日). “Different West Nile Virus Genetic Lineage Evolving? ” (英語). The Horse . 2010年2月17日時点のオリジナル よりアーカイブ。2010年2月10日閲覧。
^ Venter, M; Human, S; van Niekerk, S; Williams, J; van Eeden, C; Freeman, F (8 2011). “Fatal neurologic disease and abortion in mare infected with lineage 1 West Nile virus, South Africa” . Emerging Infect. Dis. 17 (8): 1534-6. doi :10.3201/eid1708.101794 . PMC 3381566 . PMID 21801644 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3381566/ .
^ a b 『馬のウエストナイルウイルス感染症 』(PDF)(第2版)公益社団法人 中央畜産会、2017年1月、2頁。http://keibokyo.com/wp-content/themes/keibokyo/images/learning/pdf/62.pdf 。
^ Ølberg, R.A; Barker, I.K; Crawshaw, G.J; Bertelsen, M.F; Drebot, M.A.; Andonova, M (2004). “West Nile Virus Encephalitis in a Barbary Macaque (Macaca sylvanus)” (英語). Emerg Infect Dis 10 (4): 712-714. doi :10.3201/eid1004.030675 . PMC 3323069 . PMID 15200866 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3323069/ .
^ St Leger, J; Wu, G; Anderson, M; Dalton, L; Nilson, E; Wang, D (2011). “West Nile virus infection in killer whale, Texas, USA, 2007” (英語). Emerging Infect. Dis. 17 (8): 1531-1533. doi :10.3201/eid1708.101979 . PMC 3381582 . PMID 21801643 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3381582/ .
^ a b c d e “West Nile virus ” (英語). World Health Organization (2017年10月3日). 2020年10月7日閲覧。
^ a b “West Nile Virus & Dead Birds ” (英語). West Nile Virus . CDC (2018年12月10日). 2020年10月7日閲覧。
^ “Species of dead birds in which West Nile virus has been detected, United States, 1999-2016 ” (PDF) (英語). CDC. 2020年10月7日閲覧。
^ a b c d e f Kilpatrick, A.M; LaDeau, S.L; Marra, P.P (2007). “Ecology of West Nile virus transmission and its impact on birds in the western hemisphere” (英語). The Auk 124 (4): 1121-1136. doi :10.1642/0004-8038(2007)124[1121:EOWNVT]2.0.CO;2 . https://academic.oup.com/auk/article/124/4/1121/5562707 .
^ VanDalen, K.K; Hall, J.S; Clark, L; McLean, R.G; Smeraski, C (2013). “West Nile Virus Infection in American Robins: New Insights on Dose Response” (英語). PLOS ONE 8 (7): e68537. Bibcode : 2013PLoSO...868537V . doi :10.1371/journal.pone.0068537 . PMC 3699668 . PMID 23844218 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3699668/ .
^ Kilpatrick, A.M; Daszak, P; Jones, M.J; Marra, P.P; Kramer, L.D (2006). “Host heterogeneity dominates West Nile virus transmission” (英語). Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences 273 (1599): 2327-2333. doi :10.1098/rspb.2006.3575 . PMC 1636093 . PMID 16928635 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1636093/ .
^ a b c d Gamino, V; Höfle, U (2013). “Pathology and tissue tropism of natural West Nile virus infection in birds: a review” (英語). Veterinary Research 44 (1): 39. doi :10.1186/1297-9716-44-39 . PMC 3686667 . PMID 23731695 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3686667/ .
^ Lawrie, Charles; Uzcátegui, Nathalie; Gould, Ernest; Nuttall, Patricia (April 2004). “Ixodid and Argasid Tick Species and West Nile Virus” (英語). Emerging Infectious Diseases 10 (4): 653-657. doi :10.3201/eid1004.030517 . PMC 3323096 . PMID 15200855 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3323096/ .
^ Ratterree, M.S; Travassos da Rosa, Amelia P.A.; Bohm, R.P; Cogswell, F.B; Phillippi, K.M; Caillouet, K; Schwanberger, S; Shope, R.E et al. (11 2003). “West Nile Virus Infection in Nonhuman Primate Breeding Colony, Concurrent with Human Epidemic, Southern Louisiana” (英語). Emerging Infectious Diseases 9 (11): 1388-94. doi :10.3201/eid0911.030226 . ISSN 1080-6059 . PMID 14718080 . https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/9/11/03-0226_article .
^ a b Marra, P.P; Griffing, S; Caffrey, C; Kilpatrick, M.A; McLean, R; Brand, C; Saito, Emi; Dupuis, A.P et al. (5 2004). “West Nile Virus and Wildlife” (英語). BioScience 54 (5): 393-402. doi :10.1641/0006-3568(2004)054[0393:WNVAW]2.0.CO;2 . ISSN 0006-3568 . https://academic.oup.com/bioscience/article/54/5/393/416853 .
^ “Vertebrate Ecology ” (英語). CDC. 2013年3月1日時点のオリジナル よりアーカイブ。2020年10月10日閲覧。
^ Steinman, A; Banet-Noach, C; Tal, S; Levi, O; Simanov, L; Perk, S; Malkinson, M; Shpigel, N (7 2003). “West Nile Virus Infection in Crocodiles” (英語). Emerging Infectious Diseases 9 (7): 887-89. doi :10.3201/eid0907.020816 . PMC 3023443 . PMID 12899140 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3023443/ .
^ Dahlina, C.R; Hughes, D.F; Meshaka, W. E; Coleman, C; Henning, J. D (12 2016). “Wild snakes harbor West Nile virus” (英語). One Health 2 : 136-38. doi :10.1016/j.onehlt.2016.09.003 . PMC 5441359 . PMID 28616487 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5441359/ .
^ Ariel, Ellen (2011). “Viruses in reptiles” (英語). Veterinary Research 42 : 100. doi :10.1186/1297-9716-42-100 . PMC 3188478 . PMID 21933449 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3188478/ .
^ Goddard, LB; Roth, AE; Reisen, WK; Scott, TW (11 2003). “Vertical transmission of West Nile Virus by three California Culex (Diptera: Culicidae) species” (英語). Journal of Medical Entomology 40 (6): 743-746. doi :10.1603/0022-2585-40.6.743 . PMID 14765647 . https://academic.oup.com/jme/article/40/6/743/833865 .
^ a b c “Transmission ” (英語). CDC (2018年12月10日). 2020年10月12日閲覧。
^ 『馬脳炎 』(PDF)(第1版)公益社団法人 中央畜産会、2016年3月、5頁。http://jlia.lin.gr.jp/eiseis/pdf/uma/nouen01.pdf 。
^ Weaver, S.C; Charlier, C; Vasilakis, N; Lecuit, M (2018). “Zika, Chikungunya, and Other Emerging Vector-Borne Viral Diseases” (英語). Annual Review of Medicine 69 : 395-408. doi :10.1146/annurev-med-050715-105122 . PMC 6343128 . PMID 28846489 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6343128/ .
^ a b c d “Symptoms, Diagnosis, & Treatment ” (英語). CDC (2018年12月10日). 2020年10月13日閲覧。
^ Cain, M.D; Salimi, H; Diamond, M.S; Klein, R.S (9 2019). “Mechanisms of Pathogen Invasion into the Central Nervous System” (英語). Neuron 103 (5): 771-783. doi :10.1016/j.neuron.2019.07.015 . ISSN 1097-4199 . PMID 31487528 . https://www.cell.com/neuron/fulltext/S0896-6273(19)30641-5?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0896627319306415%3Fshowall%3Dtrue#back-bib30 .
^ “Diagnostic Testing ” (英語). CDC (2018年12月10日). 2020年10月13日閲覧。
^ a b c 『馬のウエストナイルウイルス感染症 』(PDF)(第2版)公益社団法人 中央畜産会、2017年1月、10頁。http://keibokyo.com/wp-content/themes/keibokyo/images/learning/pdf/62.pdf 。
^ 『馬のウエストナイルウイルス感染症 』(PDF)(第2版)公益社団法人 中央畜産会、2017年1月、13頁。http://keibokyo.com/wp-content/themes/keibokyo/images/learning/pdf/62.pdf 。
^ Seino, K.K; Long, M.T; Gibbs, E.P.J; Bowen, R.A; Beachboard, S.E.; Humphrey, P.P; Dixon, M.A; Bourgeois, M.A (2007-11-01). “Comparative Efficacies of Three Commercially Available Vaccines against West Nile Virus (WNV) in a Short-Duration Challenge Trial Involving an Equine WNV Encephalitis Model” (英語). Clinical and Vaccine Immunology 14 (11): 1465-1471. doi :10.1128/CVI.00249-07 . ISSN 1556-6811 . PMC 2168174 . PMID 17687109 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2168174/ .
^ Smithburn, K.C; Hughes, T.P; Burke, A.W; Paul, J.H (7 1940). “A Neurotropic Virus Isolated from the Blood of a Native of Uganda” (英語) (PDF). The American Journal of Tropical Medicine and Hygiene s1-20 (4): 471 - 492. doi :10.4269/ajtmh.1940.s1-20.471 . ISSN 0002-9637 . http://www.ajtmh.org/content/journals/10.4269/ajtmh.1940.s1-20.471#:~:text=A%20neurotropic%20virus%20was%20isolated,an%20African%20woman%20with%20fever.&text=The%20virus%20has%20a%20particle,for%20mice%20by%20subcutaneous%20inoculation . .
^ a b c d Hayes, E.B; Komar, N; Nasci, R.S; Montgomery, S.P; O'Leary, Daniel R.; Campbell, Grant L. (8 2005). “Epidemiology and Transmission Dynamics of West Nile Virus Disease” (英語). Emerging Infectious Diseases 11 (8): 1167-1173. doi :10.3201/eid1108.050289a . ISSN 1080-6040 . PMC 3320478 . PMID 16102302 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3320478/ .
^ “West Nile virus disease cases reported to CDC by week of illness onset, 1999-2018 ” (英語). CDC (2019年10月9日). 2020年10月15日閲覧。
^ a b Kaiser, Jaclyn A.; Barrett, Alan D.T. (2019-09-05). “Twenty Years of Progress Toward West Nile Virus Vaccine Development” (英語). Viruses 11 (9): 823. doi :10.3390/v11090823 . ISSN 1999-4915 . PMC 6784102 . PMID 31491885 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6784102/ .
^ a b c Sampathkumar, Priya (9 2003). “West Nile Virus: Epidemiology, Clinical Presentation, Diagnosis, and Prevention” (英語). Mayo Clinic Proceedings 78 (9): 1137-1144. doi :10.4065/78.9.1137 . ISSN 0025-6196 . PMC 7125680 . PMID 12962168 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7125680/ .
^ “Prevention ” (英語). CDC (2020年9月11日). 2020年10月17日閲覧。
^ “Integrated Mosquito Management ” (英語). CDC (2018年12月10日). 2020年10月16日閲覧。
^ Gubler, Duane J. (10 2007). “The Continuing Spread of West Nile Virus in the Western Hemisphere” (英語). Clinical Infectious Diseases 45 (8): 1039-1046. doi :10.1086/521911 . https://academic.oup.com/cid/article/45/8/1039/344802 .
^ a b Paz, Shlomit (2015-04-05). “Climate change impacts on West Nile virus transmission in a global context” (英語). Philosophical Transactions of the Royal Society B: Biological Sciences 370 (1665): 20130561. doi :10.1098/rstb.2013.0561 . ISSN 0962-8436 . PMC 4342965 . PMID 25688020 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4342965/ .
関連項目