ウォーキン (マイルス・デイヴィスのアルバム)
『ウォーキン』(Walkin') (PRLP 7076) は、1957年3月にプレスティッジ・レコードからリリースされたマイルス・デイヴィスによるコンピレーション・アルバムのアルバム[1]。このアルバムは、元々1954年に発表された2枚の10インチLP盤、『Miles Davis All-Star Sextet』と『Miles Davis Quintet』の1面を収録し、その時点で既に前年に発表された同じく編集盤の12インチLP盤『ブルー・ヘイズ (Blue Haze)』に収められていた2面の「I’ll Remember April」に代えて、同じセッションで録音されながら未発表だった「Love Me or Leave Me」を加えたものである。クレジットは、「マイルス・デイヴィス・オールスターズ (Miles Davis All-Stars)」名義とされており、レコーディングは、1954年4月3日と4月29日に、デイヴィスが率いた両日でわずかに異なるメンバーによっておこなわれた。いずれのセッションも、ルディ・ヴァン・ゲルダーの自宅スタジオで録音された。 最初のセッションは、デイヴィッド・シルドクラウトをアルト・サクソフォーンに据えたクインテットで、2面の3トラックを制作した。シルドクラウトは、レコードのカバーにクレジットされていない唯一のミュージシャンであり、このアルバム以外ではほとんど無名といってよい。この3トラックのうち2トラックは、元々は10インチLP盤『マイルス・デイヴィス・クインテット (Miles Davis Quintet)』(Prestige PRLP 185) に収録されていた。このセッションからの既発表曲にはプレスティッジのアルバム『ブルー・ヘイズ』 (PRLP 7054).に収録された「I'll Remember April」があった[4]。このセッションからのもう1曲「Love Me or Leave Me」は未発表となっていたが、「I'll Remember April」に代えて本作に収録された。 第二のセッションは、J・J・ジョンソンをトロンボーン、ラッキー・トンプソンをテナー・サクソフォーンに据えたセクステットにより、1面全曲を制作した。リズム・セクションは前回と同じである。この2曲は、元々は10インチLP盤『マイルス・デイヴィス・オールスター・セクステット (Miles Davis All-Star Sextet)』(PRLP 182) として発表されていた[5]。アルバムのタイトル曲は、何年にもわたりデイヴィスのライブで要となっていた曲で、1950年代半ばに発展したハード・バップのアプローチの鍵であり、デイヴィスがこの曲をアンセムにした。作曲者は、様々な典拠によってジミー・マンデー、マイルス・デイヴィス、ジーン・アモンズとされている。著作権登録は、作曲者をリチャード・E・カーペンター (Richard E. Carpenter) としているが、この人物はマンデーやタッド・ダメロンと職業上の関係があったビジネスマンでマネージャーであり、ミュージシャンや作曲家として知られた人物ではない[6]。 「Solar」はデイヴィスの作品で、1963年に彼の名で登録された[7][8]。2012年に明らかにされた証拠によると、この曲はギタリストのチャック・ウェインが1940年代に書いた「Sonny」という曲とほとんど同一であり、「Solar」の実際の作曲者はウェインであると考えられている[7][8]。 収録曲
パーソネル
脚注
外部リンク |
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