オオバキスミレ
オオバキスミレ(大葉黄菫[2]、学名: Viola brevistipulata subsp. brevistipulata var. brevistipulata または Viola brevistipulata)は、スミレ科スミレ属の多年草の一種。積雪量の多い日本海側の山地に広く分布する日本の特産で、変種が多い。若葉は山菜として利用できる。 名称和名の由来は、他のスミレと比べて葉が大きく黄色の花であることによる[3]。フランスのフランシェとサバチェが白山で採取したものを基準標本とし、Viola pubescens var. brevistipulataと命名されたが、1916年にドイツのベッカーにより独立種 Viola brevistipulata とされた[4]。 分布・生育地北海道南西部から本州近畿地方以北の日本海側(多雪地域)の山地帯から亜高山帯に分布する[2]。原野や山麓、林縁、草地、河岸など、日当たりのよい場所、樹陰のいずれにも自生する[2]。 形態・生態多年生の草本[2]。横に長く這う地下茎があり、地下茎の先端から新芽が生える[2]。地上茎は直立して高さ10 - 30センチメートル (cm) ほどになる[2]。地上茎の基部から伸びる心形の根生葉(1、2枚)と、地上茎の上部につく広卵状形の茎葉(3、4枚)があり、長さは2 - 8 cmで葉身の先は尖る[2]。葉の縁は、ギザギザの形状。 花期は5 - 6月ごろ[2]。茎の上部に直径1.5 cmほどの黄色の花を1 - 3個つける[2]。黄色い花弁には、紫色の線が入っている。
種の保全状況評価日本の以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[5]。 利用新芽や開花前の茎葉を山菜として食用にする[2]。採取時期は4 - 5月ごろが適期とされ、茎葉だけを摘み取り、資源保護のため根こそぎ取らないようにする[2]。花後の茎葉も、多少かたいが利用することができる[2]。摘んだ若芽や茎葉はさっと茹でて水にさらし、ごまやクルミ、マヨネーズなどの和え物、おひたし、酢の物などにしたり、生のまま天ぷら、卵とじ、サラダにする[2]。 近縁種本種は、以下のような多くの変種と亜種があるが、中間型のものもあり分類には多説ある。
米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)によれば、オオバキスミレの項に「韓国から本種の3変種 var. brevistipulata (털노랑재비꽃) ; var. minor (한라털노랑재비꽃) ; var. laciniata (오대털노랑재비꽃) が報告されているが、これらは全て V. mueldorfii に当るものと見て間違いないと思う」と注釈をつけている[1]。 以下の似た種がある。高山帯のスミレには、黄色の花を咲かせる種が多い[7]。
脚注
参考文献
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