カード型データベース
カード型データベース(カードがたデータベース)は、データベースの構造の一つで、ある構造を持ったレコードを、単純に必要なだけ積み重ねた構造を持つ。このモデルのデータベース管理システム(DBMS)を、カード型DBMS、カード型データモデル、あるいは単に簡易データベースなどと呼ぶことも多い。 概要このデータモデルでは、枠の中に項目名が書かれ、そこに情報を書き込んでいく住所録のような構造をしている。もともとこれは、梅棹忠夫が、自著『知的生産の技術』で提唱した京大式カードをコンピュータソフトでデジタル的に発展させたものとも言われる。 設計も操作も簡単で、動作も軽量だが、複雑・大量のデータを扱う場合は、重複したデータが多く発生し、記録に必要な容量や検索性などの面で効率はよくない。 Microsoftの表計算アプリケーションソフトウェアであるExcelなどでも作ることが出来るが、専用のソフトウェア(データベース管理システム)も存在する。 かつて広く利用されていたオペレーティングシステムのWindows 3.1にも、同種の標準的アプリケーションソフトウェアが(いくつか)入っていたが、データ量が増えるに従って管理することが難しくなることから、今日では複雑なデータを扱っているデータベースにおいては、関係データベース等の他方式に置き換わっている。 しかし現在でも、携帯電話を含む情報機器の、メモ帳、住所録や電子辞書機能なども、この一種であると言える(ただし内部的には本格的な関係データベースが使われている場合もある)。 利点と問題点このデータモデルでは、とにかくデータ構造が簡単で、また複雑な処理を必要としない。このため初期の処理能力の低いパーソナルコンピュータでも、比較的素早い動作が期待できた。 しかし項目が増えてくると、この方式は些か厄介な問題を抱えることとなる。 例えばこのモデルで、
むろん、ここに挙げたのはほんの一例であるが、住所録のように氏名・住所・電話番号といったような単純な情報の羅列程度では問題はないものの、少々1レコード中に欲張って様々な情報を入れ込んだ場合、ちょっとした変更を修正するのに多大な労力を要求され、また検索対象となる1レコードのデータ量が大きくなることから検索性が低下したり、余計な容量が必要となることは避けられず、その用途は「複雑ではない・レコードの数も限られる」ものに限定される。 種類カード型データモデルを採用した市販のデータベースソフトには、以下がある。 関連項目 |
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