キクタニギク
キクタニギク(菊谷菊[8]、学名: Chrysanthemum seticuspe)は、キク科キク属の植物。別名はアワコガネギク、アブラギク[8]、カモメギク[1]。山麓の日当たりのよい草地に生える多年草で、いわゆる野菊の一種[8]。料理に使うアブラギクとは近縁で、観賞用に栽培されるキクの仲間である[8]。中国名は甘野菊(別名:日本野菊)[1]。 分布日本(岩手県 - 関東太平洋岸地域、長野県、近畿地方、九州北部)、中国(北部~東北部)、朝鮮半島に分布する[9]。 中国・韓国由来の種子を用いた法面緑化により、日本各地で外来種としても定着している[9]。 特徴山地の谷間のやや乾いた崖や、山麓の土手などに生える多年草。茎は叢生し、高さはふつう30 - 60センチメートル (cm) ほどで[8]、盛んに枝分かれする。茎は細く、しばしば直立せずに斜めに立っている[8]。葉は互生、長卵形で深五裂する。栽培菊に似るが、それよりも細かく切れ込み、葉質は薄い[8]。両面に細い毛があり、少し黄色味を帯びた緑色で、つやがない。花期は秋(10 - 11月)。茎の先端に、鮮やかな黄色で1 cm足らずの頭花を多数つける[8]。舌状花は短く多数で、中心の筒状花も多い。そう果には冠毛がない。 日本の研究チームが2019年、キクタニギクのゲノム(全遺伝情報)解読を発表した。栽培菊の品種改良への応用が見込まれている[10]。 食用花をつけた茎の頂部を5 - 10 cmほど摘み取って、そのまま天ぷらなどにして食べられる[8]。加熱調理をしても花の色は変わらず、食味は爽やかな香りとほどよい苦みがある[8]。また、春の芽生えと夏場の葉も、天ぷらや油炒めにして食べることが出来る[8]。葉は少し苦みの強いシュンギクのような風味であるが、シュンギクのようなアクはない[8]。若くても繊維が強く、揚げても時間が経つとかたくなってしまうので、花ごと刻んでかき揚げ風にすると時間が経っても食べやすい[8]。 脚注
参考文献
関連項目 |
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