グアノ島法グアノ島法(Guano Islands Act)は、1856年8月18日に連邦議会で可決されたアメリカ合衆国の連邦法。アメリカ合衆国市民はグアノが堆積している島を領有することができるという内容で、この権益の保護のためにアメリカ合衆国大統領に軍隊を指揮する権限を与えている。この法律は現在でも有効である。 内容
この法律では、島が他国に先占されていなければ島がどこにあってもよい。 背景1840年代、グアノは農業用肥料及び火薬の原料となる硝酸カリウムの原材料として重用されていた。1855年、アメリカ合衆国はこのグアノが大量に堆積している島々が太平洋にあることを知った。このグアノ採取を有利に行うためグアノ島法が議会を通過した。 この法律では、アメリカ合衆国は島を占有するが、グアノが枯渇した後は占有を続ける必要はないというものだった。しかし、必要がなくなった後の領土の扱いをどうするかは定められていなかった。当時の理解としては、島の占有は国際法上の「無主地先占」という論理に基づいており、不用となった島は無主地(terra nullius)に戻るという概念であった。 これがアメリカ合衆国による島嶼地域の領土に関する考え方の出発点となった。それまで、アメリカ合衆国が取得した領土は、直ちにアメリカ合衆国と一体不可分な一部となり(編入)、条約等により変更が無い限り、正式州になる機会を待つのが通例だったが、島嶼地域では州にする意図がはじめから無くても政府が保有することができるというものだった。 こうして100以上の島の領有を宣言したが、今日でもアメリカ合衆国の管理下に置かれているのはベーカー島、ジャービス島、ハウランド島、キングマン・リーフ、ジョンストン環礁、パルミラ環礁そしてミッドウェイ環礁である。残りは全て資源枯渇後に放棄された。ナバッサ島は現在ハイチとアメリカ合衆国の2国がその領有を主張しあっている。セラニャ・バンクとバホ・ヌエボ・バンクは更に複雑で、アメリカ合衆国を含めて3カ国以上が領有の主張を行っている。1971年に、米国はホンデュラスと条約を結びスワン諸島がホンデュラスの領土であることを確認した。 グアノ島法により領有を主張した島しょ現在でもアメリカ合衆国領と主張しているもの
現在メキシコ領になっているもの
現在ホンジュラス領になっているもの1972年の条約により確定
現在ベネズエラ領になっているもの現在フランス領になっているもの現在ドミニカ共和国領になっているもの
現在ニュージーランド領になっているもの1980年のトケフォア条約により確定 現在ツバル領になっているもの1983年の条約により確定 現在コロンビア領になっているもの1981年のバスケス-サッチョ条約により確定 現在クック諸島領になっているもの1983年クック諸島-米国海上境界線条約により確定 現在キリバス領になっているもの1979年タラワ条約により確定
現在オーストラリア領になっているもの
現在イギリス領になっているもの現在日本領になっているもの
その他
関連項目外部リンク
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