ゲーテの恋 〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜
『ゲーテの恋 〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜』(ゲーテのこい きみにささぐ わかきウェルテルのなやみ、Goethe!)は、2010年のドイツの伝記映画。監督はフィリップ・シュテルツェル、出演はアレクサンダー・フェーリングとミリアム・シュタインなど。18世紀のドイツの文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが自らの経験をもとに描いた小説『若きウェルテルの悩み』の誕生にまつわる恋愛を描いた青春恋愛映画である。しかし、ストーリーはかなり脚色されており、史実とは大きく異なる(詳細は後述)。 ストーリー1772年ドイツ、作家志望の23歳のゲーテは、詩作に夢中で法学の博士号の試験に落第した。枢密顧問官であるゲーテの父は、息子に弁護士の資格を取らせるために、地方都市ヴェッツラーにある最高法院(裁判所)での実習生としての勤務を命じた。 仕事に身が入らないゲーテは、ある夜、舞踏会で美しいシャルロッテ(愛称ロッテ)と知り合い、相思の仲となった。貧しい地方役人の娘であるシャルロッテは、亡き母に代わって幼い兄弟の面倒を見る明るく聡明な娘だった。 ゲーテの上司である裕福な参事官ケストナーも、シャルロッテに惹かれ、結婚を申し込んだ。その求婚を受け入れるシャルロッテ。それは実は、ゲーテを愛するが故の悲しい選択だったのだが、ゲーテには事情を理解する術がなかった。 同じ頃、ゲーテの友人イェルーザレムが人妻との恋に破れ、自殺した。自身の苦しい恋愛と友人の死に触発されたゲーテは、一気に名著『若きウェルテルの悩み』を書き上げ、文豪としての一歩を踏み出すのだった。 史実との違い
キャスト
批評批評家の多くは、偉大な詩人ゲーテをポップスター、あるいは人気作家として描いたこの映画を高く評価し、「疾風怒濤」型ヒーローの恋に落ちた姿を賞賛した[4]。 一方、『南ドイツ新聞』は、ストーリーに歴史的事実と一致していない箇所があるにもかかわらず、この映画が「ゲーテ」と名乗っていることに疑義を呈した。しかしこの脚本は、失恋というこの大詩人の一種の汚点を、巧みにフィクションとして脚色してもいる[5]。 この映画の中のゲーテは、ドイツの詩人のイメージからかけはなれ、非常に男性らしくセクシーであったために、「カメラも酔いしれた」ほどだったという。この映画は、機知に富んだ対話と巧みなモンタージュによって、テンポのよい魅力あふれる映画になっている。また、絵のように美しい映像がこの映画の一番の魅力であり、衣装やセットも愛を込めて作られている。この映画は、18世紀の様子をリアルに描写しているため、その中に描写されるある種の不衛生さが、一部では称賛されたものの、反対にそのような画面の汚さに批判的な意見もあった[6]。 主役のアレクサンダー・フェーリングは、若々しい高揚と絶望的な死への憧れを苦もなく演じ分け、また、ゲーテ風の詩を感動的に詠じた。ケストナー役を演じたモーリッツ・ブライプトロイは、あるときは性的魅力を欠く官吏を、またあるときは不信感を掻き立てる「宿命的な悪役」を巧みに表現し、称賛された。ロッテ役のミリアム・シュタインはハンサムな女性を新鮮に、そしてパワフルに演じた[5][6][7]。 Rotten Tomatoesによれば、34件の評論のうち高評価は65%にあたる22件で、平均点は10点満点中6.20点となっている[8]。 出典
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