コロボックル物語
『コロボックル物語』(コロボックルものがたり)は、佐藤さとる・有川浩によるファンタジー小説のシリーズ。 概要神と人間の中間の存在とされる「コロボックル」[2]と、人間との交流を描いた小説。 「コロボックル」とは身長3cmほどの種族。非常に敏捷で、人間から身を隠して生きており、人前にはアマガエルのスーツを着て姿を現す。優れた知恵を持ち、人間には聞き取れないほどの早口で喋る。それぞれ樹木の名を冠した名前を持ち、男性は「○○ノヒコ」、女性は「○○ノヒメ」という名前になる。 佐藤はアイヌの伝承に登場する小人「コロポックル」、日本神話に登場する少彦名命、さらに知人から聞いた小さく敏捷な魔物「ポックリさん」を組み合わせて「コロボックル」を創造した[3]。 略歴1959年3月に佐藤が自費出版した『だれも知らない小さな国』に端を発する。師匠の平塚武二の助言で私家版を各所に送付したところ、同年8月に講談社より出版されることとなった[4]。 当初は若菜珪による挿絵が描かれていたが、第2作『豆つぶほどの小さないぬ』(1962年)での画風の変化を受け佐藤は新たな画家を捜し、村上勉と出会う。3作目『星からおちた小さな人』(1965年)は村上が挿絵を担当したが、佐藤は挿絵に満足せず、議論の末に現代的なデザインに改められた。以降は過去作の文庫本化なども含め、村上が一手に挿絵を手がけることとなる。 1971年発表の第4作『ふしぎな目をした男の子』をもって、シリーズは一度終了(ただし翌年にコロボックルの童話を1編発表している)。しかし、ファンから続編の要望が多く寄せられ、その返事として第5作『小さな国のつづきの話』(1983年)を発表、あらためてシリーズを完結させた。その後、コロボックルの過去のエピソードとして、1987年に特別巻『小さな人のむかしの話』(その後『コロボックルむかしむかし』に改題)を発表。2010年よりシリーズの復刊が行われた際には、村上がカバー挿画を描き下ろしたものの、村上も「これでコロボックルを描くのはもう終わり」と宣言した[5]。2013年には私家版『だれも知らない小さな国』の復刻版に、佐藤が特別付録「コロボックル物語・番外編 ブドウ屋敷文書の謎」を書き下ろし[6]、これが佐藤による最後のシリーズ作品となった(佐藤は2017年に逝去[7])。 完結時より佐藤はコロボックル物語を「オープンエンド」と称し、ルールさえ守れば誰が続きを書いても構わないとしてきたが、2011年に有川浩との対談の席上で、佐藤が有川に執筆を打診[8]。2014年の有川による掌編『コロボックル絵物語』を経て、2015年に長編『だれもが知ってる小さな国』が発表された。またシリーズが継続したことを受け、村上も「引退宣言」を撤回し挿絵を担当した[5]。 シリーズ作品長編
童話
短編
その他
テレビアニメ脚注
関連項目外部リンク |
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