ザ・ギター・アズ・オーケストラ
『ザ・ギター・アズ・オーケストラ』(原題:The Experimental Guitar Series Volume 1: The Guitar as Orchestra)は、アメリカ合衆国のミュージシャン、エイドリアン・ブリューが1995年に発表した、ソロ名義では9作目のスタジオ・アルバム。 背景全曲ともブリューのギター演奏だけから成る。ブリューによれば「若き打楽器奏者のようなギタリストの肖像」や「C#mの森のアカシアを食べる7頭のE♭の象」など、即興演奏を編集した後、オーバー・ダビングを加えてオーケストレーションを施した曲もあれば、「ローレンス・ハーヴェイの絶望」や「ロバート・ウォーカー主演 アルフレッド・ヒッチコックの『見知らぬ乗客』」など、一発録りの即興演奏を元にした曲もあるという[2]。主な使用機材は、ギターがフェンダー・ストラトキャスターとローランド製のギターシンセサイザー(GR-700、GR-50、GR-1)、エフェクターがコルグA3とローランドのディレイ・ユニット、アンプがメサ・ブギーのステレオ・アンプ(プリアンプはトライアクシス)とバグ・エンドのスピーカーである[2]。ブリュー自身は本作を「実験的ギター・シリーズ」の第1作と位置付け、ジャングルの風景や動物の鳴き声、それに原始的なビートをフィーチャーしたアルバム『The Animal Kingdom』を次作として構想しており[2]、同作は最終的に単体のアルバムとしては発表されなかったが、2000年発売のコンピレーション・アルバム『Coming Attractions』には「Animal Kingdom」という曲が収録された[3]。 1996年に発売された日本盤CD (PCCY-01013)には、「ステージ・フライト」がボーナス・トラックとして追加された[1]。 評価Mike DeGagneはオールミュージックにおいて5点満点中2点を付け「ブリューはフェンダー・ストラトキャスター、ギターシンセサイザー、プロセッサーだけを用いて、ピアノやヴァイオリンなど別の楽器で作られたとしか思えない、クラシック的な楽節や楽章を創造した。それは理屈の上では秀逸なアイディアだが、結果的にはむしろ、退屈で輝きのない内容となった」「『夢のしっぽ』のような他のソロ・アルバムを聴いた方が、ブリューの才能を理解できる」と評している[4]。また、『CDジャーナル』のミニ・レビューでは「映画音楽みたいな感じで楽しもう」と評されている[1]。 収録曲全曲ともエイドリアン・ブリュー作。
日本盤ボーナス・トラック
脚注
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