ジャージーステークス(英: Jersey Stakes)とはイギリスの競馬の競走[3]である。ロイヤルアスコット開催で行われる競走の一つで、3歳馬による7ハロン(約1408メートル)戦である[3]。2014年の格付けはG3[3]。
概要
ジャージーステークスは、イギリスの3歳重賞でG3に格付けされている[4]。6月に行われるロイヤルアスコット開催の名物競走の一つで、5日間の開催のうち最終日に、直線7ハロン(約1408メートル)で争われる[5]。その出走条件から、たいていG1やG2にまだ勝ったことがない競走馬が出走する[3][6][注 1]。
ロイヤルアスコット開催の競走の中では新しい部類の競走で、創設は1919年である[6][7]。
歴史
トリエニアルステークス(1849-1914)
かつて、ロイヤルアスコット開催の名物の一つに、トリエニアルステークス(英: Triennial Stakes)という競走があった[5][8]。
「トリエニアル」は「3箇年続く」という意味である。トリエニアルステークスは2歳用、3歳用、4歳用があり、1頭の馬が3年に渡り、毎年6月のロイヤルアスコット開催になるとアスコット競馬場へ帰ってきてトリエニアルステークスを戦うというものだった[5][8]。
2歳の時は5ハロン(約1005メートル)のトリエニアルステークス、3歳の時は7ハロン(約1408メートル)のトリエニアルステークスを争い、古馬である4歳になると2マイル(約3218メートル)のトリエニアルステークスを戦った[5][8]。
トリエニアルステークスは、第一次世界大戦によって中断する1914年まで行われていた[5][8]。
ジャージーステークス(1919-)
第一次世界大戦が終わった後も、トリエニアルステークスは再開されなかった[8]。かわって1919年に始まったのがジャージーステークス(英: Jersey Stakes)で、これはトリエニアルステークスのうち、3歳戦を引き継いだものだった[5][3][6][8]。トリエニアルステークスのうち2歳戦はチェザムステークスとして行われている[8]。
ジャージーステークスの競走名は、18世紀後半の第4代ジャージー伯爵に由来する[3][6]。第4代ジャージー伯爵はキツネ狩りに用いる狩猟犬(バックハウンズ)を溺愛しており、アスコットでマスター・オブ・バックハウンズという宮廷職を獲得するに至った[9][10][注 2]。
記録
最多勝騎手
- ゴードン・リチャーズ - 6勝。1929年、1934年、1935年、1938年、1947年、1953年
- レスター・ピゴット - 6勝。1961年、1963年、1964年、1975年、1980年、1981年
最多勝調教師
- マイケル・スタウト調教師 - 5勝。1977年、1980年、1989年、1997年、2006年
各回結果
- *印は日本輸入馬。国際競走出走のための一時的なものも含む。
トリエニアルステークス(3歳戦)
- 1849:Borneo
- 1850:開催なし
- 1851:Miserrima
- 1852:Songstress
- 1853:Filbert
- 1854:Meteora
- 1855:Claret
- 1856:Fly-by-Night
- 1857:開催なし
- 1858:開催なし
- 1859:St Clarence
- 1860:The Wizard
- 1861:Lupus
- 1862:開催なし
- 1863:Queen Bertha
- 1864:Blair Athol
- 1865:Broomielaw
- 1866:Janitor
- 1867:Vauban
- 1868:Vale Royal
- 1869:Duke of Beaufort
- 1870:Normanby
- 1871:Ripponden
- 1872:Cremorne
- 1873:The Laird of Holywell
- 1874:Volturno
- 1875:Ladylove
- 1876:Morning Star
- 1877:Placida
- 1878:Jannette
- 1879:Dalnaspidal II
- 1880:Muncaster
- 1881:Limestone
- 1882:Shotover
- 1883:Galliard
- 1884:Talisman
- 1885:Dandie Dimont
- 1886:Mephisto
- 1887:Jersey Lily
- 1888:開催なし
- 1889:Cherry Bounce
- 1890:Blue-green
- 1891:Peter Flower
- 1892:May Duke
- 1893:Prisoner
- 1894:Florizel II
- 1895:Utica
- 1896:Labrador
- 1897:Cortegar
- 1898:Nun Nicer
- 1899:Santa Casa
- 1900:Rice
- 1901:Veles
- 1902:Fowling-Piece
- 1903:Rabelais
- 1904:Henry the First
- 1905:Polymelus
- 1906:Troutbeck
- 1907:Acclaim
- 1908:Rhodora
- 1909:Louviers
- 1910:Admiral Hawke
- 1911:Alice
- 1912:Hector
- 1913:Light Brigade
- 1914:Sunny Lake
- 1915:中止(第一次世界大戦)
- 1916:中止(第一次世界大戦)
- 1917:中止(第一次世界大戦)
- 1918:中止(第一次世界大戦)
ジャージーステークス
- 1971年よりG3に格付け。
- 2005年はヨーク競馬場で代替開催。
脚注
参考文献・出典
各回結果
注釈
- ^ いくつかの出典には「出走馬はG1・G2に勝ったことがない馬に限られている」という旨の記述があるが、IFHAの公式サイト[1]が示すようにG1・G2優勝馬には著しい不利な斤量が課されるというだけで出走自体が禁止されているわけではない。
- ^ 第4代ジャージー伯爵がマスターオブバックハウンズの職にあったのは、実際には1783年だけである[10]。ジャージー伯爵はこの任で約2400ポンドの給金を得ている[10]。
- ^ 1994年のRiver DeepとGneissは同着。
出典
関連項目