ジョルジュ・エネスク国際コンクール

ジョルジュ・エネスク国際コンクール[注釈 1](ジョルジュ・エネスクこくさいコンクール、: George Enescu International Competition)はルーマニア首都ブカレストで行われ続けている国際音楽コンクール。チャイコフスキー国際コンクールと同様にコンクール名に「音楽」(Music)が付かない。

概要

ジョルジュ・エネスク・フェスティバルの一環として行われる。2011年から、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、作曲の4部門からなる。WFIMCへ加盟したのは1961年AAFに加盟したのは2006年からである。

多くの国際ピアノコンクールがレパートリーを減らす中、エネスク国際のピアノ部門の課題曲は据え置かれており、2024年の要求は一次30分、二次50分、セミファイナル60分、本選協奏曲1曲で、今となっては浜松国際ピアノコンクールや高松国際ピアノコンクールよりも要求が大きい[4]。第一次予選で複数の練習曲、第二次予選でベートーヴェンのソナタを課題曲として置く保守的かつ古典的な仕様のコンクール[注釈 2]は、ポリコレ全盛の現在では珍しい。ヴァイオリンやチェロ部門も、課題が仙台国際音楽コンクールやエリザベート王妃国際音楽コンクールより重い。

第三次予選にジョルジュ・エネスクの作品がピアノ、チェロ、ヴァイオリンの各部門で必修になっているおかげで、日本人勢は苦戦している。かつてヴァイオリン部門では日本人の受賞者がいなかったが、2024年に初めて金川真弓が受賞(優勝)した[1](同年は木村和奏も第3位受賞[5])。

作曲部門の要求は、偶然だが、日本音楽コンクール作曲部門と非常によく似ている。ただし、2024年は作曲部門(室内楽作品)では独奏曲の応募ができないし、チェレスタやハーモニウムの使用は初めて不可となった。WFIMCに加盟し、なおかつ3管編成の14型管弦楽曲の未発表の公募を23年以上に渡り行い続けているのは、2024年現在このコンクールだけである[注釈 3]

各部門の優勝者

ピアノ部門

《出典:[6]

ヴァイオリン部門

《出典:[7]

チェロ部門

《出典:[8]

作曲部門

《出典:[9]

管弦楽作品

室内楽作品

  • 2024年 ダニエレ・ディ・ヴィルジリオ(Daniele Di Virgilio、イタリア)[5]
  • 2022年 レオナルド・マリーノ(Leonardo Marino、イタリア)
  • 2020年/2021年 Youngjae Cho(韓国)
  • 2018年 Jung Hoon Nam(韓国)
  • 2016年 カテリーナ・ディ・セッカ(Caterina Di Cecca、イタリア)
  • 2014年 Alexandru Ștefan Murariu(ルーマニア)
  • 2011年 Kwang Ho Cho(韓国)、Mihyun Woo(韓国)
  • 2009年 Shen-Ying Qian(中国)
  • 2007年 Megyery Krisztina(ハンガリー)
  • 2005年 Maria Ungureanu(モルドバ)、Kim Young-Guk(韓国)
  • 2003年 ディアナ・ロタル[注釈 5](ルーマニア)、Vlad Harlav Maistorovici(ルーマニア)
  • 1991年 Massim Trotta(イタリア)、 Michael Smtanin(オーストラリア)

脚注

注釈

  1. ^ 作曲家ジョルジェ・エネスクの項目名に合わせた場合のコンクール名の表記は「ジョルジェ・エネスク国際コンクール」であるが、コンクール名の日本語表記は「ジョルジュ・エネスク国際コンクール」で報じられることの方が多い[1]。本国のルーマニア政府観光局の日本語ウェブサイトでも「ジョルジュ・エネスク」国際音楽コンクールと記されている[2](なお、同サイトでは作曲家個人の方は、原語表記の発音に近い「ジェオジェ・エネスク」とも表記[3])。
  2. ^ かつての園田高弘賞ピアノコンクールに似ている。
  3. ^ ジュネーヴ国際音楽コンクール作曲部門は、もっぱら協奏曲作品を公募するようになり、14型では応募出来ない。かつてのWFIMC加盟コンクールでは14型管弦楽作品の公募を行っているものが複数見られたが、今はこのコンクールだけである。
  4. ^ 同じく作曲家であるドイナ・ロタルの娘にあたる。
  5. ^ 2005年にも管弦楽作品で受賞。

出典

  1. ^ a b 金川真弓さんジョルジュ・エネスク国際コンクール優勝”. 日本音楽財団 (2024年9月19日). 2025年2月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月16日閲覧。
  2. ^ ルーマニアの音楽”. ルーマニア観光・商務局. 2025年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月16日閲覧。
  3. ^ ルーマニア音楽、アート”. ルーマニア観光・商務局. 2025年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年3月16日閲覧。
  4. ^ repertoire” (英語). George Enescu Festival. 2024年5月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月21日閲覧。
  5. ^ a b c d e f Winners of the 2024 Competition(公式ウェブサイト) - ウェイバックマシン(2024年12月7日アーカイブ分)
  6. ^ Past laureates - Piano Section” (英語). George Enescu Festival. 2024年5月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月21日閲覧。
  7. ^ Past laureates - Violin Section” (英語). George Enescu Festival. 2024年5月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月21日閲覧。
  8. ^ Past laureates - Cello Section” (英語). George Enescu Festival. 2024年5月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月21日閲覧。
  9. ^ Past laureates - Composition Section” (英語). George Enescu Festival. 2024年5月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月21日閲覧。

外部リンク


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