ジルバーメーヴェ級魚雷艇
ジルバーメーヴェ級魚雷艇(ドイツ語: Silbermöwe-Klasse)とは、西ドイツ海軍が採用した魚雷艇(Sボート)である。149型魚雷艇(Klasse 149)とも表記される。 概要ジルバーメーヴェ級魚雷艇は元々、リュールセン社が第二次世界大戦中に設計していたS-38型Sボートを基に建造された。 艇体は木製の船体をアルミニウム合金製の板で覆う形で製造されている。エンジンはメルセデス・ベンツ製のMB 518ディーゼル(2500馬力)を3基搭載し、それぞれのエンジンが1基ずつのスクリューを動かす。これにより、ジルバーメーヴェ級は43ノットの最高速度と900海里(34ノットで航行時)の航続距離を手に入れた。 武装については元々高速哨戒艇としての使用を前提としていたため、第二次世界大戦中のSボートのような艇体内蔵式の魚雷発射管は装備されておらず、建造当初は非武装であったが、西ドイツ海軍編入後に艇体後部にはイスパノ・スイザ HS.820(のちのエリコンKAD)20mm機関砲の2連装マウントを装備した。 運用ジルバーメーヴェ級魚雷艇は1952年から建造が始められ、当初は西ドイツ連邦国境警備隊(Bundesgrenzschutz)の傘下に編成された海上部門(Seegrenzschutz)に配属された。しかし再軍備に備えた意図が露骨すぎたため、最初に建造された3隻は連合国管理委員会によって押収され、イギリスの指揮下にあるイギリス・バルト海漁業保護部(British Baltic Fishery Protection Service)にそれぞれシルバーガル(Silver Gull)、ストームガル(Storm Gull)、ワイルドスワン(Wild swan)の英語名を命名された上で編入された。 1954年から1955年にかけて、シルバーガルとストームガルはハンス=ヘルムート・クローゼ(Hans-Helmut Klose)率いるクローゼ高速艇グループ(Schnellbootgruppe Klose)の元で、バルト海における偵察任務に就いていた。 1955年に西ドイツの再軍備が認められて西ドイツ海軍(Bundesmarine:「連邦海軍」)が編成されると、ジルバーメーヴェ級魚雷艇は1956年4月1日にキールで編成された第1高速艇戦隊(1. Schnellbootgeschwader)に編入されることが決定された。 ジルバーメーヴェ級の所属部隊である第1高速艇戦隊も1967年3月1日に解隊され、同年3月15日に6隻全てが西ドイツ海軍から退役した。 同型艇ジルバーメーヴェ級魚雷艇の名前は、すべて海鳥から取られている。
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