ジロ・デ・イタリア 2010コース図
2010年開催の、ジロ・デ・イタリアの第12ステージから第21ステージまでの結果を述べる。
第12ステージ
- 5月20日(木)
- チッタ・サンタンジェロ -ポルト・レカナーティ 206km[1]
- ジロ前代未聞の大惨事が起きた昨日とはうってかわり、久々の晴天となった第12ステージ。最初は上りスタートだが中盤は「7人姉妹」と呼ばれる有名ビーチリゾートをすべて通過。その後内陸に入り3級山岳を2つ登って下って、ティレーノ〜アドリアティコでは何度もゴール地を務めるが、ジロは初のゴール地となるビーチリゾート地ポルト・レカナーティにゴールという、非常にバカンス色豊かなレイアウト。最後の3級山岳がゴール前11.7km地点なため、この下りを利用しても逃げ切りは難しく、集団スプリントが予想される。ドミニク・ロエルス(チームミルラム)、そしてステージ1勝をあげているワウテル・ウェイラント(クイックステップ)がレースを去り、171人がリゾートへと旅立つ。9kmで序盤マリア・ヴェルデを着込んだリック・フレンスがアタックを決めるとオリヴィエ・カイセン(オメガファーマ・ロット)とユリー・クリフトソフ(Ag2r・ラ・モンティアル)が合流し逃げは3人に、最大6分25秒差となるが、今日もタイラー・ファーラーに勝たせたいガーミン・トランジションズの引きで5分前後に、中間スプリントの4位通過を巡った争い(ファビオ・サバティーニが4位通過に成功)はあるが、残り12kmで逃げを吸収するまでは落ち着いた展開に。吸収してからは一気に活性化。フランチェスコ・ファイッリ(アクア & サポーネ)のアタックをきっかけに昨日タイムを失ったアレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナ)、ヴィンチェンツォ・ニーバリ、イヴァン・バッソ(リクイガス・ドイモ)、ミケーレ・スカルポーニ(アンドローニ・ジョカトーリ)、ステファノ・ガルゼッリ(アクア & サポーネ)、ダミアーノ・クネゴ(ランプレ・ファルネーゼヴィニ)、そしてステージ優勝を狙いに来たフィリッポ・ポッツァート(チームカチューシャ)、トマ・ヴォクレール(Bbox ブイグテレコム)、ジェローム・ピノー(クイックステップ)、マルコ・ピノッティ(チーム・HTC - コロンビア)と10人の先頭集団が出来上がる。一方後ろに取り残されてしまったのはマリア・ローザのリッチー・ポート(チーム・サクソバンク)とカデル・エヴァンス(BMC・レーシングチーム)。当然のように前を負うが、前にクネゴが入ったため、集団の速度を下げようと先頭の前に入りペースをゆるめたダニエーレ・リーギが、前を猛追していたエヴァンスは前に出てブレーキをかけたと感じ殴り合いに発展、この2名は2000スイスフランの罰金を受けている。一方先頭10人のテンションは高く、追いつかれないままゴールスプリントへと突入。まずはニーバリとヴィノクロフが抜き出るが、スプリントとなればパンチャー3人に分があった、後ろからスプリントを開始したポッツァートがこの2人を抜き、ヴォクレールの追随を交わし優勝。2位にヴォクレール、3位にピノーとなり、総合勢は結局ボーナスタイムこそ得られなかったものの、後続集団に対し10秒を稼ぎ出す。後続はロビー・マキュアンが先頭を取り、復活の兆しを見せた。マリア・ローザ&マリア・ビアンカのリッチー・ポートもこの集団でゴールしキープ。マリア・ヴェルデも3級2つ、しかも争いの選手が逃げなかった事からマシュー・ロイド(オメガファーマ・ロット)を脅かすほどではなくキープに成功。マリア・ロッソ・パッショーネのみステージ3位で16ポイントを加算したジェローム・ピノーが再び取得した。
- 区間成績
- 総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
第13ステージ
- 5月21日(金)
- ポルト・レカナーティ -チェゼナーティコ 223.0km[2]
- スタートから125.7km地点でマルコ・パンターニが息を引き取ったリミニを通過、その後161.6kmと181.0km地点でパンターニが練習に好んで使っていたというペルティカーラとバルボットの2峠を通過、そしてパンターニの墓があり、記念館が設けられているチェゼナーティコにゴールという稀代のクライマー、パンターニに縁の深い土地を回る巡礼ステージ。バルボットからゴールまでは42kmと距離はあるが、超一流クライマーが練習に使った峠だけに最大斜度はそれぞれ12%、15%と厳しく、逃げが逃げ切る可能性は高いが、純スプリンターが生き残り、逃げを潰してゴールスプリントへ持ち込むのは少々困難か。ジャック・ボブリッジ(ガーミン・トランジションズ)が出走せず巡礼へ旅立ったのは168人。10km地点でヨハン・チョップ(Bbox ブイグテレコム)がファーストアタックを決めるも吸収。その後もアタック即吸収の動きが続き、第5ステージで大逃げを見せた新城幸也もアタックを試みるがこれも未遂に終わり、結局逃げが容認されたのは76km地点でアタックを成功させた17人、16分14秒差の25位に付けているイバン・マヨス(フットオン・セルヴェット)が最上位。スプリンターチームは最初から勝負をあきらめたのか総合勢上位のサーヴェロ・テストチームやサクソバンクにプロトンコントロールは委託され、最大9分40秒を稼ぎ出す。そのままペルティカーラにプロトンが到達するとウラミジール・カルペツ(チームカチューシャ)とリーナス・ゲルテマン(チームミルラム)がアタック、ゲルデマンこそ捕まえるものの、カルペツは捕まらずにゴールへ。そのカルペツも先頭を捕らえるまでは至らず逃げグループの小集団スプリントへ、残り1kmでクレイグ・ルイス(チーム・HTC - コロンビア)がロングスプリントを見せるが、これをマヌエル・ベレッティ(コルナゴCSFイノックス)が刺しきりステージ優勝。地元での優勝に歓喜の涙を見せる。後方ではカルペツが5分1秒遅れの17位でゴール、メイン集団が7分28秒遅れだったため2分26秒タイムを稼ぎ19位から14位へとジャンプアップに成功した。ジャージ争いは全く変化無し。またドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(コルナゴCSFイノックス)、モーリス・ポッソーニ(チームスカイ)、アントニー・ラヴァール(AG2r・ラ・モンティアル)、デーヴィット・ミラー(ガーミン・トランジションズ)が途中リタイアしている。新城幸也(Bbox ブイグテレコム)は7分55秒遅れの第2集団で聖地巡礼を終えている。
- 区間成績
- 総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
第14ステージ
- 5月22日(土)
- フェラーラ -アーゾロ(モンテ・グラッパ) 205.0km[3]
- 決戦の舞台に選ばれたドロミテ山塊第1ラウンドに選ばれたのはモンテ・グラッパ。ステージ中カテゴリー山岳として用意されたのは1級のここ一つ。ジロとしては珍しい登坂距離18.1km、平均勾配7.9%、最大14%、標高差1501mと、ラルプ・デュエズのような中斜度ダラダラの延々とした上りとつづら折りが続き、下り側も25kmと非常に長く、山岳を越せればダウンヒルアタッカー有利なレイアウト。レースはモンテ・グラッパまでの平坦区間が124.9kmもあるために、山岳を苦手とするライダーの逃げとつぶし合いが続き、6人の逃げが決まったのは39km地点、最高位はフィリッポ・ポッツァートの38分28秒差ということもありこの逃げはある程度容認、最大8分15秒の差が付くが、だんだんと上り基調になっていくコースの前に差はどんどんと削り取られ、逃げ集団がモンテ・グラッパにさしかかると4分ほどまで減少していた。そしてメイン集団がモンテ・グラッパに届くと、ここまで陰を潜めていたリクイガスのアシスト陣が一斉に火を噴く。ハイペースの前に集団はズタズタに分断され、逃げ集団も吸収。山岳最終アシストのシルヴェスタ・シュミットがペースメイクを担当すると、マリア・ローザのリッチー・ポルト(サクソバンク)も脱落してしまう。この引きが落ち着いたところで満を持してヴィンチェンツォ・ニバリ(リクイガス・ドイモ)がアタック開始、この動きについてこれたのはカデル・エヴァンス(BMC・レーシングチーム)、ミケーレ・スカルポーニ(アンドローニ・ジョカトーリ)、そしてチームリーダーのイヴァン・バッソの3名だけ、アレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナ)、カルロス・サストレ(サーヴェロ・テストチーム)、そして現段階総合2位のダビ・アローヨ(ケス・デパーニュ)の優勝候補3名がここで遅れを取ってしまう。そのままこの4人は逃げ集団から一人逃げを決めていたアレッサンドロ・ビゾルティ(コルナゴ・CSFイノックス)も抜き去り山頂へ。雨で路面が濡れてはいたもの、ツールであのランスに追いついた経験を持つダウンヒルアタッカーニバリが下りを利用し再アタック、この勇猛果敢なダウンヒルには誰も着いていけずに完全独走態勢。23秒差で個人としてはグランツール初勝利。後方ではニバリが逃げているために先頭交代に加わる必要の無かったバッソがスプリントで圧勝、ボーナスタイム12秒をゲットしリクイガス・ドイモがワンツーフィニッシュを遂げる。メイン集団らしき物は2分25秒差でゴール。リッチー・ポルトはこの中に入れず山岳ステージ1日目にてマリア・ローザを手放す悲しさを味わう、代わりのマリア・ローザはこの集団でゴールしたダビ・アローヨへと受け継がれた。マリア・ロッソ・パッショーネはステージ5位のアレクサンドル・ヴィノクロフへと受け渡されたが、マリア・ビアンカは何とかリッチー・ポルトがキープに成功。マリア・ヴェルデもマシュー・ロイド(オメガファーマ・ロット)がキープに成功した。新城幸也は21分2秒遅れの3人グループにてゴール。山岳に強くなってきた所をチーム首脳陣へとアピールしている。
- 区間成績
- 総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
第15ステージ
- 区間成績[5]
- 総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
第16ステージ
- 区間成績[7]
- 総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
第17ステージ
- 区間成績[9]
- 総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
第18ステージ
- 区間成績
- 総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
第19ステージ
- 区間成績[12]
- 総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
第20ステージ
- 区間成績[14]
- 総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
第21ステージ
- 区間成績[16]
- 総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
脚注
- ^ Stage 12: May 20 2010 - Città Sant'Angelo - Porto Recanti 206 km Archived 2010年4月29日, at the Wayback Machine. - cyclingnews.com(英語)
- ^ Stage 13: May 21 2010 - Porto Recanti - Cesenatico 223 km Archived 2010年4月29日, at the Wayback Machine. - cyclingnews.com(英語)
- ^ Stage 14: May 22 2010 - Ferrara - Asolo (Monte Grappa) 205 km Archived 2010年4月28日, at the Wayback Machine. - cyclingnews.com(英語)
- ^ Stage 15: May 23 2010 - Mestre - Zoncolan 222 km Archived 2010年4月29日, at the Wayback Machine. - cyclingnews.com(英語)
- ^ Basso prevails on the Zoncolan - cyclingnews.com 5月23日付記事(英語)
- ^ Stage 16: May 25 2010 - San Vigilio di Marebbe - Plan de Corones 12.9 km Archived 2010年4月28日, at the Wayback Machine. - cyclingnews.com(英語)
- ^ Garzelli time trials to stage win Archived 2010年6月11日, at the Wayback Machine. - cyclingnews 5月25日付記事(英語)
- ^ Stage 17: May 26 2010 - Brunico - Pejo Terme 173 km Archived 2010年4月29日, at the Wayback Machine. - cyclingnews.com(英語)
- ^ Monier finally gets first pro win in Pejo Terme - cyclingnews.com 5月26日付記事(英語)
- ^ Stage 18: May 27 2010 - Levico Terme - Brescia 156 km Archived 2010年4月29日, at the Wayback Machine. - cyclingnews.com(英語)
- ^ Stage 19: May 28 2010 - Brescia - Aprica 195 km Archived 2010年4月29日, at the Wayback Machine. - cyclingnews.com(英語)
- ^ Basso charges into pink with Mortirolo attack - cyclingnews.com 5月28日付記事(英語)
- ^ Stage 20: May 29 2010 - Bormio - Passa del Tonale 178 km Archived 2010年4月29日, at the Wayback Machine. - cyclingnews.com(英語)
- ^ Tschopp nets first Swiss stage win since Zulle - cyclingnews.com 5月29日付記事(英語)
- ^ Stage 21: May 30 2010 - Verona 15 km Archived 2010年4月27日, at the Wayback Machine. - cyclingnews.com(英語)
- ^ Basso wins Giro d'Italia - cyclingnews.com 5月30日付記事(英語)
関連項目