スキッド・ロウ (SKID ROW )は、アメリカ合衆国 出身のヘヴィメタル ・バンド [ 5] 。同郷のミュージシャンであるジョン・ボン・ジョヴィ らの支援を受け、1980年代 のLAメタル ・ムーブメント末期にメジャーデビュー。数百万枚以上のセールスを記録して全米チャート1位を獲得するなど、早々に開花して人気を博した。
なお、ゲイリー・ムーア が1970年代 に率いた同名のバンドとは無関係である。
来歴
セバスチャン・バック在籍時代 (1989年)
ジョニー・ソーリンガー在籍時代 (2008年)
1986年に、ニュージャージー州 のトムズリヴァー で、ジョン・ボン・ジョヴィの幼馴染で、ボン・ジョヴィ の前身となるバンド、ワイルド・ワンズのメンバーだったギタリスト のデイブ・スネイク・セイボ と、ベーシスト のレイチェル・ボランを中心に結成された。後にギタリストのスコッティ・ヒル と、ドラマー のロブ・アフューソ が加わり、ボーカリスト は元アンスラックス のマット・ファロンからセバスチャン・バック に代わって、1987年に初期のラインナップが揃う。
バンドはアメリカ東部やクラブでのショー等を通して活動し、ジョン・ボン・ジョヴィが運営するレーベル「New Jersey Underground」の協力を得て、メジャーレーベル「アトランティック・レコード 」と契約。有名プロデューサーであったマイケル・ワグナー(オジー・オズボーン 、ホワイト・ライオン やエクストリーム のサポートでも知られる)のサポートを受け、1989年にセルフタイトル のアルバム『スキッド・ロウ 』でメジャーデビューした。
シングルカットした「18 And Life」「Youth Gone Wild」「I Remember You」がヒット。アルバムも500万枚以上を売り上げ、全米チャート6位を記録した。彼らは支援してくれたジョン・ボン・ジョヴィやリッチー・サンボラ 、アンダーグラウンド・ミュージック社に、売上の一部をお返しとして提供したりしている(後にリッチー・サンボラはスキッド・ロウに彼の受けた資金を返している)。同年に初来日公演を行い、翌年に大晦日のイベント『FINAL COUNTDOWN』に出演した。
1991年、同じくワグナープロデュースの2ndアルバム『スレイヴ・トゥ・ザ・グラインド 』をリリース。本作で全米チャート1位を獲得し、2度目の来日公演を行った。
1995年、プロデューサーにボブ・ロック を迎え、当時のアメリカ の流行(所謂モダン・ヘヴィネス )に乗り新機軸を取り入れた3rdアルバム『サブヒューマン・レース 』をリリースしたが、前々作、前作ほどのヒットにはならなかった。3度目の来日公演を行った。
1998年にセバスチャンと他のメンバーが、キッス のサポートに関して対立し(セバスチャンと他4名との音楽性の意見の相違もあり、不満が燻っていた模様。)脱退、そしてバンドも事実上解散。2000年には、新たなシンガージョニー・ソーリンガー を迎え再始動した。ドラマーは何度か交代し2010年にロブ・ハマースミス が加入。
2003年、4thアルバム『シックスキン 』、2006年に5thアルバム『レヴォリューション・パー・ミニット 』をリリース。
2013年に3部作EP第1弾『United World Rebellion Chapter One』をリリース。
2014年4月14日に19年ぶり・4度目の来日公演を東京TsutayaO-Eastで行った。8月に3部作EP第2弾『Rise of the Damnation Army -United World Rebellion Chapter Two』をリリース。
2015年4月6日、ジョニーがソロ活動に専念するため脱退[ 7] 。後任に元TNT のトニー・ハーネルが加入[ 7] するも、同年12月末に脱退[ 8] 。発表時点で後任のボーカリストは発表されておらず、2016年2月に行われたライブ以降、代役としてタンク 及び元ドラゴンフォース のボーカルであるZPサート が務めていた[ 9] 。
2016年、バンドがセバスチャンと和解、再加入について話し合ったものの、決裂した。
2017年1月14日、カナダ・ハリファクスで行った公演でZPサートが正式に加入することを発表した[ 10] 。
2021年6月末、16年間ボーカルを務めた旧メンバーのジョニーが病没[ 11] 。
2022年3月、ZPサートが脱退。後任として元H.E.A.T のエリック・グロンウォールが加入[ 12] 。
2023年5月17日から開催予定だったオーストラリア・ツアー全4公演の内、17日のブリスベン公演、20日のアデレード公演、21日のメルボルン公演が、エリックのインフルエンザ発症により開催中止となる。なお、19日のシドニー公演のみ体調不良の中、開催された[ 13] 。また、5月24日から予定されていた来日公演(24日・大阪公演、26日・東京公演)もエリックがインフルエンザから回復していないため中止が発表された[ 14] 。
2024年3月27日、健康面の問題からエリックが脱退。5月17日から6月1日までアメリカで行われた4公演には、ヘイルストーム のリジー・ヘイル が代役として参加した[ 15] [ 16] [ 17] 。
メンバー
※2024年3月時点
現ラインナップ
デイヴ・スネイク・セイボ (Dave "The Snake" Sabo) - ギター (1986– )
スコッティ・ヒル (Scotti Hill) - ギター (1986– )
レイチェル・ボラン (Rachel Bolan) - ベース (1986– )
ロブ・ハマースミス (Rob Hammersmith) - ドラムス (2010– )
エリック・グロンウォール(Vo) 2023年
デイヴ・セイボ(G) 2014年
スコッティ・ヒル(G) 2014年
レイチェル・ボラン(B) 2014年
ロブ・ハマースミス(Ds) 2014年
旧メンバー
マット・ファロン (Matt Fallon) - ボーカル (1986–1987)
ジム・ユーアズ (Jim Yuhas) - ギター (1986–1987)
ジョン・ラットコウスキー・ジュニア (John Ratkowski Jr.) - ドラムス (1986–1987)
セバスチャン・バック (Sebastian Bach) - ボーカル (1987–1996)
ロブ・アフューソ (Rob Affuso) - ドラムス (1987–1996, 2002)
ジョニー・ソーリンガー (Johnny Solinger) - ボーカル (1999–2015) ♰RIP2021年
フィル・ヴァローン (Phil Varone) - ドラムス (1999–2004)
デイヴ・ガラ (Dave Gala) - ドラムス (2004–2010)
トニー・ハーネル (Tony Harnell) - ボーカル (2015)
ZPサート (ZP theart) - ボーカル (サポート2016, 正規2017–2022)
エリック・グロンウォール (Erik Grönwall) - ボーカル (2022 - 2024)
ディスコグラフィー
スタジオアルバム
Skid Row (1989) 6位 5Xプラチナム (US)
Slave To The Grind (1991) 1位 2Xプラチナム (US)
Subhuman Race (1995) 35位 ゴールド (US)
Thickskin (2003)
Revolutions Per Minute (2006)
The Gang's All Here (2022)
EP / ミニアルバム
Subhuman Beings On Tour (ライヴEP・1996)
B-Side Ourselves (カバー作品・1992)
ユナイテッド・ワールド・レベリオン チャプター・ワン United World Rebellion Chapter One (2013)
Rise of the Damnation Army -United World Rebellion Chapter Two (2014)
コンピレーション
40 Seasons - The Best Of Skid Row (1998)
The Atlantic Years: 1989-1996 (2021)- スタジオアルバム3作品に加え、Bサイド曲集『B-SIDE OURSELVES』、ライブEP『SUBHUMAN BEINGS ON TOUR!!』をリマスター音源で収録したボックスセット[ 18] 。
来日公演
1989年
7月17日 愛知・瀬戸市文化センター、18日 大阪厚生年金会館大ホール、19/20/22/23日 NHKホール、24日 神奈川・CLUB CITTA'川崎
1990年
12月31日 東京ドーム(FINAL COUNTDOWN '90)
1991年
1992年
1995年
2014年
4月14日 TSUTAYA O-EAST
19年ぶりの来日公演。ボーカルがセバスチャン・バックからジョニー・ソーリンガーに交代して初の来日公演となった。サポートアクトとしてEARTHSHAKERが出演した。
出典
^ a b c Phillips, William; Cogan, Brian (2009). Encyclopedia of Heavy Metal Music . Santa Barbara, California: ABC-CLIO. p. 212. ISBN 978-0-313-34801-3
^ Popoff, Martin (2004). The Top 500 Heavy Metal Albums of All Time . Tronto: ECW Press. p. 172. ISBN 978-1-550-22600-3
^ Berry, Mick; Gianni, Jason (2012). The Drummer's Bible: How to Play Every Drum Style from Afro-Cuban to Zydeco . Tucson, AZ: See Sharp Press. p. 63. ISBN 978-1-937-27621-8
^ Trunk, Eddie (2011). Eddie Trunk's Essential Hard Rock and Heavy Metal . ABRAMS. p. 627. ISBN 978-1-613-12142-9
^ a b “スキッド・ロウ(US) ”. CDJournal . シーディージャーナル. 2023年1月3日閲覧。
^ Weber, Barry. Skid Row Biography, Songs, & Albums - オールミュージック . 2023年1月4日閲覧。
^ a b スキッド・ロウ、ジョニー・ソーリンガーが脱退し、トニー・ハーネルが加入 - BARKS・2015年4月7日
^ “スキッド・ロウからヴォーカリストのトニー・ハーネルが脱退” . amass.jp . (2015年12月30日). https://amass.jp/67183/ 2016年6月8日閲覧。
^ “スキッド・ロウがトニー・ハーネル脱退後初のコンサートを開催、ヴォーカルは元ドラゴンフォースのZPサート” . amass.jp . (2016年2月15日). https://amass.jp/69010/ 2016年6月8日閲覧。
^ “スキッド・ロウ、ZPサートが正式メンバーに” . BARKS . (2017年1月16日). https://barks.jp/news/781351/ 2017年1月24日閲覧。
^ “元スキッド・ロウのヴォーカリスト、ジョニー・ソーリンガーが死去 ”. amass (2021年6月27日). 2021年6月28日閲覧。
^ “スキッド・ロウ、ZPサートが脱退。新シンガーを発表 ”. BARKS . 2022年3月27日閲覧。
^ “来日直前のSKID ROWがエリック・グロンウォールの体調不良でオーストラリア・ツアーの全4公演中3公演をキャンセル! ”. BURRN! ONLINE . 2023年5月22日閲覧。
^ “SKID ROW、来日公演が延期に ”. 激ロック. 2023年5月22日閲覧。
^ “リジー・ヘイル、スキッド・ロウの代理シンガー抜擢に「どのレザー・パンツ履いたらいいの?!!」 ”. BARKS (2024年3月28日). 2024年3月29日閲覧。
^ “スキッド・ロウ、リジー・ヘイルを迎えた公演のライヴ映像公開 ”. BARKS (2024年5月20日). 2024年6月5日閲覧。
^ “リジー・ヘイル、スキッド・ロウのメンバーやファンに感謝も「永続的にはできない」 ”. BARKS (2024年6月4日). 2024年6月5日閲覧。
^ “Skid Row(スキッド・ロウ)|Atlantic Recordsよりリリースした全5枚のアルバムをコンパイルしたリマスター・ボックス・セット『The Atlantic Years: 1989-1996』が登場 ”. タワーレコード . 2021年12月31日閲覧。
外部リンク