スケート級原子力潜水艦
スケート級原子力潜水艦(スケートきゅうげんしりょくせんすいかん、Skate class submarine)は、アメリカ海軍の攻撃型原子力潜水艦。ここでいうスケートとは、滑る方のスケートではなく、ガンギエイのことである。 概要ノーチラスの成功を踏まえた、米海軍初の量産型原潜。本級の運用により、米海軍は、原潜および原潜艦隊の本格的運用という貴重な経験を手に入れた[1]。 1955年度および1956年度に2隻ずつが計画され、建造コストの軽減が目指された。基本的な設計ではノーチラスを継承するものの、ノーチラスより排水量を1000トン減じ、小型原子炉を採用したのである。しかし、機関本体の重量軽減はなしえたものの、放射線遮蔽装置まで「軽減」するわけにはゆかず、機関部全体の重量はノーチラスの40パーセント減にとどまった[1]。結果として、船型の変更が無かったこととあいまって、速力の低下と航続力の短縮を招いてしまい、小型原潜の不経済性を世界ではじめて立証することになった[1]。 本級の功績としては、北極海の氷海における原潜の行動能力を実証したことにある。北極点の潜航通過を果たしたのみだったノーチラスに対し、スケート(SSN-578 Skate)は、1958年8月、北極海で最初の本格的な作戦行動を実施し、開氷面に浮上[2]、翌1959年3月には、初めて冬季の北極圏における作戦行動を実施した。1962年7月には、スケートとシードラゴン(SSN-584 Seadragon)は北極圏で会合し、最初の氷海戦闘演習を実施した。 以上のように、技術的には目ぼしさを欠いたものの、運用面での獲得物において本級はなお意義深い。とはいえ、今日に直接的につながる新世代の潜水艦、すなわち設計当初から水中戦を志向した潜水艦の登場は、スキップジャック級を待たなければならない。 脚注
参考文献『世界の艦船』編集部、2000、「スケート級」、『アメリカ潜水艦史』増刊55集(567)、海人社 pp. 102-103 同型艦
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