チャカブコ(Chacabuco)はチリ海軍の防護巡洋艦。
設計者はフィリップ・ワッツ[1]。日本海軍の「高砂」は同型艦[1]。
艦形
プンタ・アレーナスで撮られた「チャカブコ」。
船体形状は平甲板型船体となっており、艦の構造を前部から記述すると、水面下に衝角と45cm水中魚雷発射管1門を内蔵させた艦首、艦首甲板上に主砲の20.3cm砲を防盾の付いた単装砲架で1基、司令塔を組み込んだ両脇に船橋(ブリッジ)を持つ操舵艦橋を基部として単脚式の前部マストが立つ。船体中央部に2本煙突が立ち、その周囲には煙管型の通風塔が立ち並び、空いた場所は艦載艇置き場となっていた。艦載艇は前後マストの基部に1基ずつ付いたクレーン計2基と2本1組のボート・ダビッドが片舷3組ずつ計6組により運用された。左右の舷側に張りだし(スポンソン)が片舷2か所ずつ設けられ、そこと舷側甲板上に副武装として12cm速射砲が片舷5基ずつ計10基が配置された。後部甲板上に2番主砲が後ろ向きに1基配置された。
就役後の1939年から1941年にかけて近代化改装が行なわれて全ての武装が撤去され、新たにアームストロング社の15.2cm(50口径)速射砲が単装砲架で6基、対空火器として5.7cm(40口径)高角砲が単装砲架で4基が搭載された。1945年に5.7cm高角砲の全てが撤去され、替りにエリコン20mm(70口径)機銃が単装砲架で10基に更新された。
艦歴
「チャカブコ」はアームストロング社がストックボートとして建造していた巡洋艦をチリが購入したものである[2]。1986年8月11日[1][3]ないし14日起工[4]。1898年7月4日進水[1][3][4]。1901年[3]ないし1902年にチリが購入し[1][4]、1902年に竣工した[1][3]。
1911年、ジョージ5世の戴冠式に参加[5]。
「チャカブコ」は世界で最後まで現役であったエルジック・クルーザーであり、1959年12月15日に売却された[5]。
脚注
- ^ a b c d e f Peter Brook, "The Elswick Cruisers Part II". p. 265
- ^ Conway's All the World's Fighting Ships 1860-1905, p. 413. Peter Brook, "The Elswick Cruisers Part II". p. 265
- ^ a b c d Robert L. Scheina, Latin America, p. 298
- ^ a b c Conway's All the World's Fighting Ships 1860-1905, p. 413
- ^ a b Crucero "Chacabuco" 3° | Armada de Chile(2025年7月19日閲覧)
参考文献
- Conway's All the World's Fighting Ships 1860-1905, Conway Maritime Press. 1979, ISBN 0-85177-133-5
- Robert L. Scheina, Latin America: A Naval History 1810-1987, Naval Institute Press, 1987, ISBN 0-87021-295-8
- Peter Brook, "The Elswick Cruisers Part II: The Later Protected Types", Warship International , September 30, 1971, Vol. 8, No. 3 (September 30, 1971), pp. 246-273
関連項目
参考図書
- 「世界の艦船増刊第46集 イギリス巡洋艦史」(海人社)
- 「世界の艦船増刊第32集 日本巡洋艦史」(海人社)
- 「Conway All The World's Fightingships 1860-1905」(Conway)
- 「Conway All The World's Fightingships 1906–1921」(Conway)
外部リンク