チューベローズ

チューベローズ
John Simsによるイラスト
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: キジカクシ科 Asparagaceae
亜科 : リュウゼツラン亜科 Agavoideae
: ゲッカコウ属[1] Polianthes
: チューベローズ P. tuberosa
学名
Polianthes tuberosa L.[2][3]
和名
チューベローズ[1]
ゲッカコウ[1][3]
オランダズイセン[3]
英名
tuberose

チューベローズ(月下香[4]: tuberose学名: Polianthes tuberosa)は、リュウゼツラン亜科多年草ゲッカコウ(月下香)、オランダズイセン(和蘭水仙)とも呼ばれる。夜に強い芳香を放つことから中国では「夜の香」を意味する晩玉香という別名を持つ[5]種小名ラテン語で「ふくらんだ、塊根状の」を意味し、球根を形成することに由来する。「チューベローズ」はその英語読みである。

特徴

原産地はメキシコ[2]、同属植物は12種ある。晩春に鱗茎から発芽し、披針形の葉は、根生葉が数枚、茎を抱く葉が十枚前後ある。草丈1mくらいになり、8月頃に、白い6弁花20 - 30輪からなる穂状花序をつける。花穂は45cmくらいになり、香りがよく、複雑でエキゾチックな甘いフローラル系で、とくに夜間は香りが強い。園芸種は八重咲きのものが多いが、一重咲きの方が香り高い。戦中に李香蘭渡辺はま子が唄ってヒットした中国曲の「夜来香」の花がチューベローズであると言われたことがあったが実際は別種の植物である。「夜来香」と呼ばれる植物は三種類あり、「チューベローズ 」、「イランイラン」、「イエライシャン」の別名になっている。中国曲「夜来香」は、イエライシャンに由来する。三種類とも夜になると強い芳香を放つことから夜来香と呼ばれる。

抽出物を香水のトップノートに用いるために、ハワイや熱帯アジアなどで栽培されている。ヴィクトリア朝時代のハワイでは葬式用の花とされていたほか、その後もレイや宗教行事用に用いられている。月下香抽出物は、香水業界では香水、アロマオイル、線香などの製造に使用されている。チューベローズの香りはフローラルで[6]、複雑、エキゾチック、甘い、花のような香りと表現される。香水では、ブドウ、イチゴのような香りを醸し出す[7]

栽培

球根が30g以上あるものでないと開花しないので、なるべく立派で病害虫がついていない球根を選ぶ。比較的丈夫な草花で、花を咲かせるためだけなら、水捌けや日当たりが良いところなら十分育つ。

植え付け適時は3月~5月で、株間は30cmくらいにし、球根に10cmくらい土がかぶるくらいに植える。7月~9月頃に開花し、5~7cm程度の香りの良い花を咲かせる。花色は白からピンク、咲き方も一重から八重咲まである。花の後に塊茎が分球する。冬は地上部が枯れたようになって越冬する。枯れた葉を取り除き、水やりはせずに次の春まで休眠させる。

画像

脚注

  1. ^ a b c シャーロット・テイラー+ロイ・ジロー「リュウゼツラン」『週刊朝日百科 植物の世界105 ヤマノイモ アロエ』岩槻邦男ら監修、朝日新聞社、1996年4月28日、9-275頁。
  2. ^ a b Polianthes tuberosa”. GRIN. 2012年8月14日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Polianthes tuberosa L. ゲッカコウ オランダズイセン”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年6月16日閲覧。
  4. ^ 富益良一; 田中万逸「花園」『実用園芸全書:蔬菜・果樹・花卉・盆栽』実業之日本社、1911年、423頁。 
  5. ^ 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、171頁。 
  6. ^ フレグランスに使われる天然香料 フローラル”. 天然香料について. アロマフレグランス調律協会. 2025年6月16日閲覧。
  7. ^ Сладкие ароматы в парфюмерии - Лучшие сладкие духи для мужчин и женщин с фото - Гурманские парфюмы.”. gourmandperfumes.ru. 2025年4月17日閲覧。

外部リンク

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