ツレがうつになりまして。
『ツレがうつになりまして。』は、細川貂々が2006年3月に幻冬舎より出版したコミックエッセー。略称は「ツレうつ」。続編として『その後のツレがうつになりまして。』を2007年11月25日に、完結編として『7年目のツレがうつになりまして。』を2011年9月7日に発表した[1]。 2009年5月にテレビドラマ化され、2011年10月には映画化された。 概要「スーパーサラリーマン」だったツレ(作者の夫)がある朝「死にたい」と真顔で言い出した。うつ病だった。売れない漫画家の妻(作者)と共に送る闘病生活を描く。 自殺未遂、症状の改善、悪化などあらゆる出来事を決して固くない絵のタッチで表現するという内容、うつ病を「宇宙カゼ」と呼んだり、抑うつ状態の症状が現れている時に憂鬱をキャッチするアンテナが頭に現れているという独特の描写などがある。75万部を出版する[2]。 作者は、うつに対する知識として「精神的に弱い人がなる」「神経症のようなもの」というイメージを持っていた。作者の周りの人の病気に対する知識の乏しさや誤解が多いと感じ、自分達の世の中にうつ病の事を広めたい、そしてツレが退職して退職金と失業保険を使い切り、作者の仕事が少ないという経済的理由も相まって出版社に企画を持ち込む。数社から「暗い」などとして断られるも、幻冬舎で発売が決まる[3]。 テレビドラマ
2009年5月29日、6月5・12日の全3回、金曜日22:00 - 22:45に、NHK総合の「金曜ドラマ」枠で放送された。 監修は精神科医の野村総一郎が担当。一部に脚色が入っているが、原作者の意向も反映されている[4]。2010年5月28日にDVDが発売された。 キャスト
スタッフ
放送日程
映画
2011年10月8日から東映系で公開のハートフルドラマ。監督は佐々部清。主演は宮﨑あおい、堺雅人で、宮﨑と堺が夫婦役で共演するのは大河ドラマ『篤姫』以来2年半ぶりとなる。医療監修には精神科医院長の五十嵐良雄が務めている[6]。この作品には原作者の細川貂々と夫の望月昭がカメオ出演している。 キャッチコピーは「ガンバらないぞ!」「すこやかなる時も、病める時も、君と一緒にいたい。」。 全国222スクリーンで公開され、2011年10月8、9日の初日2日間で興収1億2,696万1,600円、動員9万5,524人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第4位となった[7]。金鶏百花映画祭外国語最優秀作品賞受賞。 宮﨑あおいはこの作品で第24回日刊スポーツ映画大賞 主演女優賞と第35回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞を受賞している。 ストーリー (映画)幹夫はクレーム係の仕事をバリバリこなし、毎朝お弁当まで作る。ある朝、イグアナのイグに「食欲が羨ましい」とか、ゴミ箱の前で「これみんな要らないんだよね」とつぶやく。 翌朝、幹夫は真顔で「死にたい」と呟く。病院に行って診察を受けたところ 心因性うつ病と診断され、激務とストレスによる「心の風邪」で元に戻るには半年から1年半かかると医師に告げられる。 幹夫は上司に相談するが「忙しくて皆うつ病みたいなものだ」と言われるだけだった。漫画家で結婚5年目の晴子は古道具屋に器が「割れなかったことで価値がある」といわれ、ツレの幹夫に「会社を辞めないなら離婚する」と告げる。数日後、薬で一時的に元気になるが、主治医からは「揺れがあるから油断は禁物」と言われ、認知行動療法として日記をつけるよう勧められる。 幹夫は「辞職」ではなく「退職」して主夫になり、家事嫌いだった晴子は内心喜ぶ。ツレに時々イラッとするが「宇宙風邪」だと思って「ガンバらないぞ」と誓う。 やがて幹夫の失業保険も切れ、晴子も連載打ち切りで火の車状態になる。晴子は編集部で「ツレがうつになりまして」と談判し、うつ病経験者の編集者から仕事をもらう。 数か月後、幹夫の元の会社は倒産。晴子は結婚同窓会に出て出版すると話すとツレの幹夫は日記を参考に渡す。すると漫画の中からキャラクターが飛び出してくる。 もう薬を飲まなくていいと喜んで帰ってきた幹夫に晴子は新刊を見せる。ツレが講演も引き受け「あとで」が大切で「焦らず」「特別扱いをしない」「できることとできないことを見分けよう」と話す。講演には元の会社でクレーマーだった男も来ており、彼からも感謝される。 キャスト
スタッフ
ソフト化2012年4月13日発売。発売・販売元はキングレコード。
書誌情報いずれも幻冬舎、幻冬舎文庫から出版されている。映画の原作の一つとなっている『イグアナの嫁』もここに掲載する。
脚注
関連項目外部リンク
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