ナクシェ・ロスタム
ナクシェ・ルスタム(ペルシア語: نقش رستم Naqš-e Rostam)は、イランのペルセポリスの北にある巨岩の遺跡。岩壁にはアケメネス朝時代の墓標やサーサーン朝時代のレリーフなどが刻まれている。付近にはナクシェ・ラジャブもある。 名称ナクシェ・ロスタムとは「ロスタムの絵」という意味であり、これは浮き彫りの絵が英雄ロスタムの伝説を描いたものと信じられていたことによる。 遺跡![]() 岩壁の高いところに十字形をした4つの墓が彫られている。これらはアケメネス朝の王の墓で、そのうちひとつは墓誌銘からダレイオス1世のものであることがわかっている。残りはクセルクセス1世、アルタクセルクセス1世、ダレイオス2世のものと言われている[1]。ダレイオス1世の墓には古代ペルシア語、エラム語、アッカド語の3言語による碑文が刻まれており、ベヒストゥン碑文に並ぶ古代ペルシアの主要な碑文である[2]。セレウコス朝時代にはさらにアラム語の刻文が追加された。 岩壁の近くにはカアバイェ・ザルトシュト(ザラスシュトラの立方体、英語版)と呼ばれるアケメネス朝時代の巨大な建築物がある。 カアバイェ・ザルトシュトの外側の3面を使ってサーサーン朝のシャープール1世の事績が示されており(北側がギリシア語、東側がパフラヴィー語、西側がパルティア語で同じ内容のものが彫られている)、アジアとヨーロッパの関係史の理解に貢献している。ローマ側史料でマッシナの戦いに触れたものは無く、ゴルディアヌスはユーフラテス川上流で死んだと伝えられていた。
![]() 脚注・出典参考文献
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