ナゴラン

ナゴラン
ナゴランの花
(Wikimedia Commons)
保全状況評価
絶滅危惧IB類環境省レッドリスト
Status jenv EN.svg
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分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
亜科 : セッコク亜科 Epidendroideae
: コチョウラン属 Phalaenopsis
: ナゴラン P. japonica
学名
Phalaenopsis japonica
(Rchb.f.) Kocyan & Schuit.
シノニム
和名
ナゴラン(名護蘭)
ナゴラン(奄美大島)
(Wikimedia Commons)

ナゴラン(学名:Phalaenopsis japonica)はラン科コチョウラン属着生植物。環境省絶滅危惧IB類[1]。和名は発見地である沖縄本島名護岳の地名にちなむ[2][3]

特徴

樹木に着生する小型の蘭。茎は短く、葉は長楕円形で先は鈍頭、全縁、厚みのある革質で、葉柄をもたず、2列に互生し、2–6枚をつける。花は径3 cmほどの淡緑白色で、側萼片には赤紫色の横縞が、唇弁には斑点が入る。開花期は6–8月[2][4][5][3]。花粉塊は2個[5]とされていたが、2対4個あることが判明した[6]

分類(属の変遷)

本種ははじめAerides japonicaと記載され[7]、その後Sedirea属へ移された[8]。しかし、花粉塊が2個ではなく異なるサイズの2対4個であることや、遺伝子分析の結果からSedireaHygrochilusに内包されることが判明し、Hygrochilusへの組合せがなされた[6]。その後、HygrochilusPhalaenopsisの亜属subgen. Hygrochilusとされ[9]、遺伝子分析の結果からも本種を含む亜属subgen. HygrochilusPhalaenopsisを構成する4群の1つとされた[10][11]

YListではナゴランの学名としてHygrochilus japonicusを標準、他をシノニムと整理しているが、POWOでは学名Phalaenopsis japonicaを採用し、他をシノニムとしている。本項では後者の見解に従い記述する。

分布と生育環境

本州伊豆半島以西~南西諸島、済州島、中国南部に分布[4][5][3]。山地常緑広葉樹林内の樹冠や太い枝に着生する[2][4][5]。園芸用に盗掘の対象とされ[4]、発見地の沖縄本島でも自生は稀とされる[2]

脚注

  1. ^ 環境省第5次レッドリスト(維管束植物)”. 環境省. 2025年7月15日閲覧。
  2. ^ a b c d (池原 1989, p. 238)
  3. ^ a b c (沖田原 2021, p. 63)
  4. ^ a b c d (片野田 2019, p. 120)
  5. ^ a b c d (遊川 2021, p. 174)
  6. ^ a b (Li et al. 2014, pp. 256–268)
  7. ^ (Reichenbach 1863, pp. 210–211)
  8. ^ (Garay & Sweet 1974)
  9. ^ (Kocyan & Schuiteman 2014, pp. 61–85)
  10. ^ (Deng et al. 2015, pp. 243–254)
  11. ^ (Li et al. 2016, pp. 55–61)

参考文献

【和文】

  • 池原直樹「ナゴラン Sedirea japonica」『沖縄植物野外活用図鑑』 9巻《あかね科~らん科》、新星図書出版、1989年。 
  • 片野田逸郎「ナゴラン Sedirea japonica」『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、2019年。ISBN 9784861244056 
  • 遊川知久 著「ナゴラン Sedirea japonica」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物』 1巻、平凡社、2021年、174頁。ISBN 9784582535389 
  • 沖田原耕作「ナゴラン Phalaenopsis japonica」『おきなわの園芸図鑑 園芸植物とその名前』新星出版、那覇市、2021年。ISBN 9784909366832 

【ドイツ語および英語の文献】

外部リンク

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