ナツハゼ
ナツハゼ(夏櫨[3]、学名: Vaccinium oldhamii)は山地・丘陵地に生えるツツジ科スノキ属の落葉低木。日本、朝鮮半島、中国原産。和名は、夏にハゼノキのような紅葉が見られることから名づけられた[3]。中国名は腺齒越橘[1]。 分布と生育環境中国の黒竜江省、吉林省、陝西省、内蒙古自治区、新疆ウイグル自治区、朝鮮半島南部、日本に分布する。 日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し[4]、低地や山地の尾根、林縁などに生育する[3]。特に花崗岩の土地を好む。 特徴落葉広葉樹の低木[3]。高さは1 - 3 メートル (m) になる[4]。幹は株立ちになることもあり、枝は横に広がる[4]。樹皮は灰褐色で縦に裂け、若木は平滑だが、次第に薄い縦長の裂片となってはがれ落ちる[4]。若い茎は赤褐色で稜があり、曲がった短い軟毛と開出した腺毛が生える[4]。一年枝はややジグザグ状になり、灰褐色で毛がある[4]。 葉は長さ1 - 2ミリメートル (mm) の葉柄をもって互生する。葉身は卵状楕円形で、長さ4 - 10 センチメートル (cm) 、幅2 - 5 cmになり、先端は鋭くとがり、縁は全縁。葉の両面に粗い毛がまばらに生えてざらつき[3]、葉縁には多数の腺毛が生える。葉柄は短い[3]。夏に葉が赤みを帯びるが、秋の紅葉は鮮やかな赤色になる[3]。トラフシジミの幼虫が食草としている[5]。 花期は5月から6月[4]。新枝の先端に長さ3 - 4 cmの総状花序を出し、多数の花を下向きにつける。萼筒は腺毛が散生する杯形で、先端は5裂し裂片は三角形となり先端は鋭くとがる。花冠は赤みを帯びた黄緑色で、長さ4 - 5 mmあり、鐘形で先端は浅く5裂し、先は鈍く反曲する。雄蕊は10本ある。果実は径7 - 8 mmになる球形の液果で、黒色に熟し食用になる。冬でも果軸がよく残る[4]。 冬芽は卵形で赤褐色、芽鱗6 - 8枚に包まれている[4]。枝先には仮頂芽がつき側芽よりもやや大きく、側芽は枝に互生する[4]。葉痕は半円形で突き出し、維管束痕が1個つく[4]。 種の保全状況評価日本では以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[6]。 利用及び栽培果実は10月から11月にかけて熟し、ブルーベリーに似た黒褐色になる。甘酸っぱいため、生食のほか、ジャムや果実酒に加工できる。 観賞用にも栽培されている。挿し木は6月。夏は乾燥を防ぐためにやや日陰になる場所に置く。剪定は開花後に行う。 なお都道府県別の収穫量では福島県がシェアの100 %を占める。 下位分類
脚注
参考文献
外部リンク
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