ノート:廃棄物の処理及び清掃に関する法律「『事業系一般廃棄物』の取扱における、不可避の違法行為」に関する編集について
210.157.251.234 さんの、2006年1月19日 (木) 00:47 編集の版ですが、「問題点」中の「*『事業系一般廃棄物』の取扱における、不可避の違法行為」に関する編集における以下の(1)(2)について、記載内容に誤りがあるように思います。
また、内容の誤りではありませんが、医療廃棄物に関するくだりは、事業系一般廃棄物とは別の問題であり、廃棄物処理法か一般廃棄物の項に、新規に見出しを立てたほうがよいと思います。
1週間程度待ちますので、ご意見があればこちらに書き込んでください。特に反応がなければ異議なしと理解して本文を修正することにします。
(1) 事業系一般廃棄物の処理責任について 「・・・『事業系一般廃棄物』も『産業廃棄物』も事業者の自己処理責任が法上では明記してあるが、『事業系一般廃棄物』の扱いは通常の一般廃棄物として市町村での処理しているところが多い・・・」 というのがお書きの内容ですが、実際の条文を見るとわかるとおり、廃棄物処理法には「事業系一般廃棄物」という言葉は登場しません。法律上「事業系」と「家庭系」の取り扱いをそもそも分けていないのに、「事業系」のみの処理責任について、解釈上ならともかく「明記」などできるわけがなく、実際そのような条文も見たことがありません。
法の解釈は最小限にしなければなりませんが、第3条1項については、排出者責任内容を記載していることは間違いなく、事業者責任の内容を記載しないと誤解が生じると感じます。家庭から排出される一般廃棄物と違い、事業者には市町村が指示した場合には、協力しなければならないことで明記すべきと考えます。 →3条の件は了解しました。弊社は関東(人口20万規模の市から1万程度の町まで)に複数の拠点を持っておりますが、一般廃棄物処理業者が少ないというのは、ほぼ例外なく該当しています。それについて都道府県・市町村の両方から、「一般廃棄物は、まず市町村の『一般廃棄物処理計画』ありきであり、業者による処理はあくまでその例外という位置付けのため、限定的な許可しか出さない」という回答を得ています。この考え方は7条5項の許可要件とも一致しています。そのため、事業系一般廃棄物は、自己処理ができなければ市町村に、市町村が受け取らない場合は違法を承知でやむを得ず産業廃棄物として処理するしかなく、行政も「不法投棄されるよりマシ」と黙認状態で、この法の欠陥が以前より問題となり、日本経団連の「事業系一般廃棄物の弾力的取り扱い(産廃化)」の要望に繋がっていると考えます。これは一般廃棄物処理業者の数が十分であれば起こらない問題です。私自身、市町村には「市町村で処理するか、許可を出すか、どちらかをしてもらわないと合法的に処理できない」と何度も交渉しましたが、どちらもしてくれていないのが現状です。この問題は環境省の担当者も承知しており、だからこそ今回の「廃棄物の区分の見直し」に繋がったのでしょう。(もちろん立場上「法制度の欠陥があり、今まで違法状態を黙認していました」と認めるわけにはいかないので、「リサイクル推進のため」とか別の理由をつけていますが。)
なお、横道にそれますが、 (定義) 第二条 この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)をいう。 私の意見としては、この「その他の汚物又は不要物」という広義の内容を変更しないかぎり、整合性をとることが難しいと思っています。 たしか環境省系の外郭団体(?)が出している廃棄物処理法の解説本には、一般廃棄物についても(産業廃棄物と同様に)いわゆる「自己処理」や「市町村による有料の処理」は法律上可能であるといった意味のことが書かれていたかと記憶していますが、これらが処理責任の所在を意味するものではないのは言うまでもありません。 事業系一般廃棄物を市町村が処理することは、少なくとも法律上は正当な行為であり、いかにも何か不適正な処理が行われているかのような記載は、誤解を生じるものと考えます。
→逆に言えば、市町村が事業系一般廃棄物を拒否できるのは3条を前提としているからであり、今までの記載でも3条や判例と何ら矛盾しないものと考えます。問題は、一般廃棄物扱いとなると、「排出者責任」と言ってはみても、実際には市町村が処理できない場合に自己処理以外の処理手段がないことにあります。
「一般廃棄物処理業の許可を持たない産業廃棄物処理業者」 という当初の記載を、 「一般廃棄物を取り扱えない産業廃棄物処理業者」 と編集されていますが、 「一般廃棄物を取り扱える(処理技術がある)し、処理施設の許可もある(規制緩和により産業廃棄物の処理施設の許可があれば同種の一般廃棄物の処理施設の許可は不要になった)、だが一般廃棄物処理業の許可がない」という産業廃棄物処理業者はいくらでもいるわけで、ここでは「(取り扱えるのに)一般廃棄物処理業の許可を持っていないこと」こそが問題なのであり、不正確な記載で誤解を生じるものと考えます。
「取り扱う」には当然に許可又は届出を行わなければなりませんので、大きな意味で、「取り扱えない」と記入した方が誤解が生じないのでは無いでしょうか。 →「取り扱えない」に「技術的に取り扱えない」と「法的に取り扱えない」があることは、ある程度法律に関わっている人間ならばすぐに考えられることだと思いますが、そうでない方々にとっては、そのへんの整理が難しいのです。「産業廃棄物のほうがヘビー」というイメージがあるせいか、「一般廃棄物処理業の許可は産業廃棄物処理業の許可に当然含まれているだろう」(なんとなく産廃の許可の方が上級?である)という先入観を持っている方が驚くほど実に多いのです。「『取り扱う』には当然に許可又は届出を行わなければな」らないと考えてくれる人は、ある程度知識のある人だけで、この表現をあまり知識のない方が見ると「技術的に取り扱えない」の意味だと理解されてしまう可能性が高いです。現実問題として「法的に取り扱えない」だけなら違法になっても処理はできますが、「技術的に取り扱えない」のは不法投棄か横流しでもするしかないですよね。ここでは、同種の産業廃棄物の処理実績があって「技術的に取り扱える」のが明白であるのに「法的に取り扱えない」ところに問題があるのであって、別に不法投棄しているわけではないので、どこに障害があるのかをはっきり書かないと、まったく別の問題に解釈されてしまうと思います。 「同種の廃棄物なら許可不要で届出だけで良い」・・・それが事実なら、私はこんなに苦労せずに済んでいるはずなのですが。(苦笑)
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