ノート:日本語の方言/過去ログ1
提案~弁の項目ページを書くときの標準形式があるといいかとおもいます。すべてが同じようにはまとまらないとおもいますが、会津弁が、字引的のテンプレがついていたのがちょっと悲しかったです。例えば、動詞形容詞、語尾、発音については書いておくとか……調べ物をする時や新項目を作り易かったり、比較もしやすいのでここで決められたら便利かと思いますが--by らあご 2006年7月11日 (火) 07:17 (UTC)
日本語の個別方言の記事名改名提案日本語の個別の方言の項目名の多くが、現在「~弁」(例えば「津軽弁」や「博多弁」など)と言う記事名になっていますが、これを「~方言」というふうに統一することを提案します。理由はいくつかありますが、以下のような点が挙げられます。
このようなところでしょうか。統一するとなると80以上の記事名を変更しなければならないので大変ですが、ややもすれば独自研究的になりがちな各方言の記事をもう少し学術的な雰囲気にするためにも、「~方言」に統一してみてはどうかと思います。現在「京言葉」「山の手言葉」など「~弁」「~方言」以外の記事名になっている記事が少数ありますが、それもなるべく学術的な記事名にするべきだと思います。Enirac Sum 2008年4月3日 (木) 12:16 (UTC)
もちろん、全ての記事を「~弁」から「~方言」に単純に書き換えられるとは思っていません。実際には単純な置き換えでは問題がある場合もあるでしょうから、そのような場合どうしたらいいかを個別に、なおかつ全体の枠組みの中で検討していきたいと思います。方言の範囲や名称は書籍でもばらつきが見られるようなので難しいですが、全体としてある程度の一貫した指針を示せればいいと思います。現在の記事名が「~弁」や「~言葉」になっているもののなかで、「~方言」に単純に置き換えるとまずいものは他に何があるでしょうか。江戸言葉は単に「江戸方言」と言い換えるのは問題がありそうですね。京言葉は「京都方言」でいいと思いますが。Enirac Sum 2008年4月3日 (木) 18:25 (UTC)
「江戸言葉」や「山の手言葉」のような例は、純粋な「現在の地理的方言」ではなく、例えば「過去の方言」であったり、「社会的方言」だったりするので、単純に「~方言」と置き換えていいかは微妙ですね。「仙台弁」と「仙台方言」や、「静岡弁」、「静岡方言」、「遠州弁」、「遠州方言」、「伊豆弁」、「伊豆方言」のような例は、「その記事がどの範囲の方言を対象とするか」というのを考えた上で、例えば宮城県全体の方言を「宮城方言」、仙台市を含む一定の範囲の方言を「仙台方言」として記述内容をそれに合わせる(これはあくまで考え方の例です)など、記事名と内容の両方の整理が必要なのではないかと思います。少なくとも、「~弁」と「~方言」が同義で使われることも多い現状で、方言の対象地域の違いを記事名の「~弁」と「~方言」の違いに担わせるのは危険だと思います。それよりも、違いがあるのならば「~方言」の「~」の部分の名称で違いを示す形式にしたほうが適切ではないでしょうか。 「遠州方言」についてですが、ネット上でも「遠州弁」に比べたらかなり少ない(googleで約28,200対307件)とは言えある程度存在しますし、「遠州方言」を書名に冠した書籍も出版されているようですから、記事名に採用できないほど少ないとは思いません。ネット上では一般の人が「~弁」の形で方言に言及していることが多く、学術的に「~方言」と言うことは少ないでしょうから、学術的な書籍になればこの比率はもっと近づくかあるいは逆転するかもしれません。まだ書籍にまで調査の手があまり回っていませんので、もっと書籍の記述がどうなっているかも調べてみたいと思います。もしかしたら現在の記事区分が不適切だということになって記述内容の書き換えや移動が必要になる例があるかもしれません。Enirac Sum 2008年4月4日 (金) 08:37 (UTC) 『「~方言」と言う呼び名のほうがどちらかと言えば学術的』とのそもそもの理由ですが、私はそう思いません。「方言」というのはあくまで「標準語・共通語」の対語であり、「~弁」というのは個々の方言につける名称であると考えるからです。辞書には、「方言」について「それぞれの集団の言語体系・共通語とは異なる語彙・発音・語法。なまり。俚言」とあり、確かに言語学上の用語ではありますが、いわゆる「くくり」として用いる単語ではないでしょうか。ですから「~地方の方言」というように、複数の“お国言葉”について共通性や独自性を比較して論ずる場合に用いられるように思います。片や、「弁(辯)」については「地名のあとにつけて、その地方独特の言葉遣いであること表す」とあり、「~弁」とはその“お国言葉”そのものを表す固有名詞(?)でしょう。つまりは「○○弁という方言」なのであり「☓☓地方には、○○弁、△△弁、□□弁 などの方言が存在する」という使い方になるのだろうと思います。従って「関東地方」「首都圏」のそれについて述べる場合は「~方言」という項になり、その中にある個別の「上州弁」「江戸言葉」等についてはそのままの名前の項で良いのかと思います。(この考えは、もね~るmonerさんの定義とは逆になってしまうのですが、言葉の意味からするとやはりこう思います) 「関西弁」はこれからすると適当ではなく、やはり「関西の方言」「近畿方言」として述べられるべきだと思います。---FAT26 2008年4月4日 (金) 11:19 (UTC) 再び失礼します。「~弁」と「~方言」はぴたりと対になっているわけではない、との意見に賛成です。「秦野弁」を例に挙げますと、そもそも「秦野弁」自体が一般意識における方言であり、学術的な「~方言」としては「秦野方言」というものはなく「足柄方言」だの「神奈川県西部方言」などといった包括的なものとなるのではないかと思います。「~弁」と「~方言」の違いを明確に線引きして学術的な「~方言」に統一させようとすると、ページ名だけでなく、全ての各地の方言の項目そのものを一から整理しなおす必要が出てきてしまうのではないかと考えます。--Kyoww 2008年4月4日 (金) 12:08 (UTC) (基本的に反対)統一しようと一律に改名して「◯◯方言」としてしまうと、独自の命名になってしまう可能性が否定できませんから一律の改名には反対します。個別に改名を提案する場合、資料を調査してどのような比率で「◯◯方言」と「◯◯弁」の表現が用いられているか示していただけないなら個別であっても反対します。--N yotarou 2008年4月6日 (日) 11:10 (UTC)
「個別の方言に関する研究というものが殆どされていない」というのは事実と非常に大きく異なります。日本語の方言研究は言語学的観点から非常に豊かな成果をあげています。一般の人が多く注目する単語(いわゆる俚言)だけではなく、音韻、文法、アクセントなど様々な分野の研究が各方言についてかなり豊富にあり、それに基づいた方言区分なども多くの研究者によって研究されています。「アホバカ分布図」のような言語地理学に基づいた語彙の分布地図も何百という語彙について作られています。各方言についても語彙、音韻、文法、アクセントなどの詳細な先行研究が数多くあります。これらの先人の成果は図書館に足を運べば誰でも容易に利用できるはずです。私も最近何度もそのような資料に当たっていますが、量が非常に膨大で一人では何年かかるかも分からないほどです。現在の日本語の方言の記事は、このような豊かな先行研究を利用することも存在を認識することもなく、自分の知っている範囲の単語や言い回しなどをただ書き連ねて終わってしまっているものが多く非常にもったいなく感じます。このような記述はいくら個人の実体験・内省に基づくとはいえ、ウィキペディアの編集者が若い人に偏りがちだということもあり、学術的に偏った・間違ったものにもなりがちです(私も地元の方言の記事を編集したあと資料に当たってそれを痛感しました)。せっかく豊富な先行研究があり、いくつかの資料をつき合わせて検討することである程度一般的であろう区分を考えることもできるのですから、それを利用しない手はありませんし、そうすることで「独自の研究」を防ぐこともできると思うのですがいかがでしょうか。いくつかの学術的区分が考えられる場合、ある程度一般的認識にも近いものにするなどの配慮も可能でしょうし。 Enirac Sum 2008年4月7日 (月) 05:57 (UTC)
伊予弁の改名提案から来ました。伊予弁は全国方言一覧辞典では愛媛県方言とありますが、伊予方言と表現されることはあまりないように思えます。サーチエンジンテストは当てになるものではありませんが、"愛媛方言"の方が多いですね。言語学などには明るくないですが、個人的には伊予弁は伊予弁ですし、改名するにしても「愛媛県の方言」といったように何かの名称ではない記事名がいいのではないかとも思います。…が、そうなると独自の研究の温床になりかねないのが問題ですが…。しなくていいんじゃない?は言っちゃダメでしょうか。--Baldanders 2008年4月8日 (火) 01:37 (UTC)
私は伊勢弁と志摩弁の改名提案を見てこちらに来ました。利用者:Enirac Sum/日本語の方言を拝見させていただきましたが、「伊勢方言」も「志摩方言」もありませんので、一律の機械的な改名には反対せざるを得ません。統一する必要があるとも思いませんし。ただ、方言の記事は百科事典として好ましくない内容が目立ちますので、新規で百科事典にふさわしい記事を作成することには反対しません。近くの図書館で資料を探した結果、旧志摩国全体あるいは現志摩市全域に関する方言の資料は見つけられませんでしたので、資料を集めるのは大変な労力が必要になるとは思うのですけど。--N yotarou 2008年4月9日 (水) 10:24 (UTC)
文献調査結果を追加しました。講座方言学のシリーズは中部方言の巻だけ図書館に見当たらなかったので今のところ書いていません。なお新しく追加した書籍もいずれも県別に執筆者を分けるのを基本とした形式ですので「~県方言」というのが目立ちますが、書籍の体裁がそうであるということも考慮してご覧ください。 日本語の方言の記事について、全体としての用語の使い方を日本語版ウィキペディア内で統一するということは、日本語版ウィキペディアが百科事典である以上当然必要なことだと思います。それは大局的な分類の観点から見てもそうですし、個別の方言記事として見てもそうです。現状は、意味がある用語の使い分けではありません。単に一つの事典の中で用語が不統一というだけです。Marianneさんの示してくださった議論の「八端十字架」のように個々に特別な理由があるならば別ですが、この問題に関しては一部の例外的記事を除いて、今のところそのような理由を見出すことができません。N yotarou さんは「統一する必要があるとも思いません」とおっしゃっていますが、全く同じ種類のことを説明しているのに、特に理由もなく用語がばらついている百科事典があるでしょうか。「特に理由がない場合は用語を統一する」というのは、百科事典として、それどころか一つの書物として当然のことであり、世の中の一般の書籍でも市販の百科事典でもそしてウィキペディアでも現に行われていることだと思うのですが。 FAT26さんは、「個別の記事は、その風土を含めて述べようとする意思もある」とおっしゃっていますが、なにも学術的分類がその風土だとか地元の人たちの地域意識、方言意識を全く無視して行われているわけではありません。むしろそれらはかなり考慮に入れられています。従って、学術的分類と、一般的な「~弁」という名称が指す区分は、相当な部分重複するものです。ですから、「~弁」と「~方言」という記事を別々に立てようとすれば、大半の記事が2つずつ重複することになってしまいますし、そのような場合にのみ「~方言」に統一するとすれば、結局不統一で非体系的な乱雑な状態になってしまいますから到底そのような案は受け入れられません。「皆さんが共有認識する体系と分類名「~方言」を完成することが先で、それから個別の記事がそれに該当するのかどうかの検証ということ」という方針には私も賛同できますし、皆様にも納得していただける方言区分案を考えるために書籍の調査も進めております。今まで調べたところでは、現在「~弁」という記事名になっている方言の大半は、「~方言」にそのまま置き換えた名称が学術的区分名としても使われていることが確認できています。ですから、私の今の考えとしましては、単純に「~方言」に置き換えた場合の名称を学術的区分として見つけることができない一部の方言について、適切な名称や区分の検討・微調整を行えばよく、全体としては「~方言」への改称で問題ないと思います。 Baldandersさんは「伊予方言」という名前があまり用いられないとおっしゃっていましたが『講座方言学 8 -中国・四国地方の方言-』に四国方言の下位方言名として使われているのを確認できました。「愛媛方言」とほぼ同義のようです。またN yotarouさんは「伊勢方言」と「志摩方言」が用いられていないということを反対理由として挙げておられますが、これも『講座方言学 7 -近畿地方の方言-』に用いられていました。また『現代日本語方言大辞典 第1巻』にある「北・中勢方言」「志摩・南勢方言」という区分名も、伊勢・志摩の区分が背景にあるものと考えられます。『講座方言学 9 -九州地方の方言-』には久留米、大牟田、柳川を含む福岡県南部の方言として「筑後方言」が用いられており、その下位区分として「柳川方言」が立てられています。また「久留米方言」という用語も福岡県方言の章の最初に使われています。 でるでさんのおっしゃる分類のテンプレートというのは確かに面白い試みだとは思いますが、個別の下位方言をどの上位方言に帰属させるか、上位方言をどう設定するかで揺れが見られるので、テンプレートのような固定的なものだけではなく、記事内での説明がある程度必要な場合が出てくると思います。また方言区分の設定によっては、例えば「新潟方言」が北奥方言と越後方言にまたがるような例もありますので、生物のように単純にはいかないと思います。筑後弁の部分は意味がよく分かりません。県境などの行政区域と方言の境界は一致しないこともよくありますし、特に九州はそれが目立つ地域です。どの地域でも方言には上位区分と下位区分があり、広い範囲で話されている方言はさらに下位区分に分かれますし、細かく分かれている方言もさらに上位区分があります。範囲の広さは問題にならないと思います。なお、「広島方言」という言葉について言えば、私の調べた書籍では全て、広島県東部の「備後方言」と広島県西部の「安芸方言」の総称として、「広島県全域の方言」を指すのに用いていました。一般に使われる「広島弁」という言葉も、広島県全体を指さないというふうにはあまり感じないのですが、これについて何か出典はあるでしょうか。その場合、一般には広島市から離れたところの方言は何と呼ばれるのでしょうか。 書籍についてですが、Amazon.co.jpでのたった4件で判断するのはどうかと思います。私は「講座方言学」シリーズをはじめ様々な書籍にあたり、それらの「研究史」や「参考文献」などの項目に示されている書籍名をざっとですが確認しました。全て合わせれば1000件を超えるでしょう。全国方言概説書、個別方言概説書、方言語彙集、研究論文など様々な分野に渡るものです。そこで挙げられている書籍の書名を見ると、方言名が含まれているものは「~方言」の形式になっているのが圧倒的に多く、ちゃんと数えてはいませんが見たところ95%ぐらいには達していると思います。ほかに「~語」「~ことば」のものがときどき見られますが、「~弁」の形式になっている書名はほとんど皆無です。もちろん「~弁」の形式の書籍も存在しますが、そのようなものは言語学者でない人が書いた雑多な語彙の集積だったりするものも多く、あまり専門的なものはありません。方言について言語学的に正しく、かつ詳細に述べ、概説書でも参考にされるような書籍は、ほぼ全て「~方言」の形式になっているのが実態です。インターネットでの検索件数は、方言の専門家ではない一般人による用例がほとんどだと思われますのであまり参考にならないと思います。対象物について専門的に扱った書籍で名称の形式がほとんど統一されているとなれば、これは大きな意味があるでしょう。 ノート:筑後弁を拝見しましたが、議論の根拠になっているのがウィキペディア内部での記述状況や投稿者の個人的印象、ネット上の検索件数のようなものばかりで、信頼できる情報源の用件を満たさないものばかりなのがとても気になりました。九州方言ももちろん多くの研究者によって詳細が調査され明らかにされています。ウィキペディア上で多くの投稿者がフィールドワーク的に自分の知っている方言の特徴を書き連ねる必要はありません。そのような段階は少なくとも第二次世界大戦以前にとっくに終わっています。まさに「独自研究」そのものです。ウィキペディアを編集しているような世代は既に共通語の影響も著しくまた住人の移動も激しい時代ですから、自らの使っている・知っている方言に基づいて記事を書くと思わぬ誤謬を生むことにもなりかねません。もちろん近年の方言の変化の状況についてはなかなか資料が見つからなかったりすることもあると思いますが、そういう場合でもできるだけ信頼できる出典を探すべきだと思います。 現在のところ、「~弁」の形式で記事が存在するか赤リンクが張られている「津軽弁」「南部弁」「下北弁」「盛岡弁」「秋田弁」「庄内弁」「仙台弁」「山形弁」「福島弁」「会津弁」「茨城弁」「栃木弁」「群馬弁」「足利弁」「埼玉弁」「秩父弁」「千葉弁」「神奈川弁」「多摩弁」「伊豆弁」「静岡弁」「新潟弁」「佐渡弁」「富山弁」「金沢弁」「白峰弁」「加賀弁」「能登弁」「福井弁」「尾張弁」「名古屋弁」「三河弁」「美濃弁」「飛騨弁」「大阪弁」「河内弁」「摂津弁」「丹波弁」「淡路弁」「奈良弁」「紀州弁」「三重弁」「伊勢弁」「志摩弁」「伊賀弁」「但馬弁」「丹後弁」「岡山弁」「美作弁」「備前弁」「備中弁」「備後弁」「福山弁」「広島弁」「山口弁」「石見弁」「出雲弁」「徳島弁」「讃岐弁」「伊予弁」「土佐弁」「幡多弁」「大分弁」「宮崎弁」「福岡弁」「筑後弁」「柳川弁」「佐賀弁」「唐津弁」「田代弁」「諫早弁」「長崎弁」「佐世保弁」「島原弁」「五島弁」「対馬弁」「熊本弁」「日田弁」「鹿児島弁」「諸県弁」は、それぞれに対応する「~方言」の形式の名称が書籍で用いられているのを確認できています。Enirac Sum 2008年4月14日 (月) 15:27 (UTC)
専門性の高い記事や方に多いのですが、独自の研究になっていないと考えても、その事実や文献に順位付けや取捨選択を行うことによって筆者の主観が大いに交じってしまうことが多々あります。その点は気をつけていただきたいですね。--Baldanders 2008年4月16日 (水) 09:16 (UTC)
広島弁から来ました。「『広島弁』という言葉も、広島県全体を指さないというふうにはあまり感じない」とのことですが、これは主観や立場がかかわる問題で、一概に結論付けることはできないものです。「広島弁には安芸弁と備後弁がある」(広島弁=「広島県の方言」と捉える)という立場もあれば、「備後弁は広島弁ではない」(広島弁=「城下町広島周辺の方言」と捉える)という立場もあります。備後弁の音韻・文法・語彙的要素は安芸弁(マスメディアのいう「広島弁」)と異なり、かなり備中弁に近い特徴を持っていますからね。特に公的機関や国立大学、都道府県単位で免許を交付される地元放送事業者などの研究・著作物は、その性格上どうしても都道府県を単位として研究・取材対象を捉えがちである(必ずしも中立的な観点とは限らない)ことにも注意しなければならないと思います。出典を重視するのは誠実な姿勢ですが、ただ「書籍の題名への採用が多数であるから合意に達しているとみなす」というのは少々唐突で、「検証可能性」に乏しい「独自」な意見ではないでしょうか。 その点、Baldandersさんのおっしゃるように、性急に定義づけないという意味で「~県の方言」といった形式での統一であれば理解しやすいのですが。--Happymedia 2008年4月20日 (日) 02:19 (UTC)
日本語の方言の境界の中には、都道府県境と一致しない部分が多くあります。例えば一つの都道府県内の方言が、大きく異なるいくつかの方言に区分される例もありますし、大方言区分境界が都道府県内を走っているところもあります。このような例としては、離島部分を除くと、岩手県(北奥方言に属す中北部の南部方言と南奥方言に属す県南部の旧伊達藩領の方言)、山形県(北奥方言に属す庄内方言と、南奥方言に属す最上方言、村山方言、置賜方言)、新潟県(北奥方言に属す北越方言と、単体で方言区分を形成する越後方言)、福井県(北陸方言に属す嶺北方言と、近畿方言に属す嶺南方言)、京都府(近畿方言に属す京都方言および丹波方言と、中国方言に属す丹後方言)、兵庫県(近畿方言に属す摂津方言および丹波方言、播磨方言、淡路方言と、中国方言に属す但馬方言)、鳥取県(中国方言に属す東伯耆方言と、雲伯方言に属す西伯耆方言)、島根県(雲伯方言に属す出雲方言と、中国方言に属す石見方言)、福岡県(豊日方言に属す豊前方言と、肥筑方言に属す筑前方言および筑後方言)、宮崎県(豊日方言に属す日向方言と薩隈方言に属す諸県方言)などの例があります。このような場合、方言学の書籍では、県名を冠した「~方言」という名称で、その県にほぼ一致する範囲の方言を指していることが多いようです。「山形方言」は「庄内方言」と「最上方言」と「村山方言」と「置賜方言」の総称を、「新潟方言」は「北越方言」と「越後方言」の総称を指すといった具合です。このようなところは府県内に大きな方言境界が走ってはいますが、県境もやはり自然地形などに基づいたものであるため小さな方言境界にはなっており、府県単位で方言を扱うことも一応は可能になるわけです。しかしこのような場合、府県単位の方言は大方言区画をまたいだものになります。 また、大方言区画をまたがなくとも、都道府県内の方言がいくつかの大きな区分に分かれ、それぞれに固有の名前(「~県西部方言」などではない名前)が付いている場合もあります。例えば青森県(津軽方言と南部方言)、岐阜県(飛騨方言と美濃方言)、愛知県(三河方言と尾張方言)、石川県(加賀方言と能登方言)、岡山県(美作方言と備前方言と備中方言)、広島県(備後方言と安芸方言)、山口県(周防方言と長門方言)などがあります。このような場合も、「青森方言」「岐阜方言」「広島方言」などは、県内のいくつかの方言の総称として、県とほぼ一致する範囲の方言として用いられることが多いようです。一般の人による「~弁」という用法がそれぞれの場所でどうなっているかまでは把握しきれませんが、現時点までで方言学に関する書籍を調べた範囲では、そのような用法が主であるという認識です。なお、広島県の場合、備後方言が「東中国方言」、安芸方言が「西中国方言」という中区分にそれぞれ分かれるという扱いもあり、そのような場合はやはり上位区分で県が分断されるという扱いになります。 逆に、複数の都道府県にまたがる方言もやはり存在します。各都道府県単位で記述する形式の書籍でも、複数の都道府県にそれぞれの下位区分として同じ名称で登場する方言もあり、このような場合はほぼ確実に複数の都道府県にまたがると言えそうです。そのような例としては、南部方言(青森県西部、岩手県中北部)、摂津方言(大阪府北部、兵庫県南東部)、丹波方言(京都府中部、兵庫県中東部)などがあります。 このような状況ですから、都道府県別に方言の記事を再編するという方針は支持することができません。日本語の方言の区分というのは江戸時代に藩単位などで固まったという面が大きく、現在でも旧藩境や旧国境が大きな方言境界になっている例が多く見られます。従って都道府県境というのはそれらの方言境界とは一致しないことも多いものです。もし「~県の方言」の形式で統一するとすると、例えば「津軽方言」と「南部方言」を「青森県の方言」に、「出雲方言」と「石見方言」を「島根県の方言」に統合して個別記事をなくすことになりますし、逆に「南部方言」を「青森県の方言」と「岩手県の方言」に、「摂津方言」を「大阪府の方言」と「兵庫県の方言」に分けて記述しなければならなくなります。 私は、「津軽方言」「越後方言」「摂津方言」「備後方言」のような方言の違いを重視した区分の記事と、「青森方言」「新潟方言」「兵庫方言」「広島方言」のような、都道府県単位にほぼ一致した範囲で見た方言の記事を並立させるのが最もいい方法ではないかと思います。例えば「青森方言」の記事では「青森方言(青森弁)とは、青森県で話されている日本語の方言である。東北方言の中の北奥方言に属す。青森方言は西部の津軽方言(津軽弁)と東部の南部方言(南部弁)に大きく分けられ、さらに南部方言のうち下北半島の大部分の地域で話されるものが下北方言(下北弁)として下位区分される。」のように記述し、津軽方言と南部方言の差異や、津軽方言と南部方言をあわせた青森県の方言に共通して見られる特徴などを記述し、「津軽方言」の項目では津軽方言の詳細な音韻や文法、語彙などを記述するという方法です。これは既存の書籍の解説方法から見ても無理がないと思いますし、既存の記事の大幅な統合や分割が必要ないのも利点です。また、例えば「新潟方言」は上位区分の「北奥方言」と「越後方言」をまたぐことになりますが、下位区分のレベルで見れば、単に「北越方言」と「越後方言」を合わせた一つ上の区分ということになり、「北奥方言」と「南奥方言」に対する「東北方言」のような立場になります。 Happymediaさんは「「書籍の題名への採用が多数であるから合意に達しているとみなす」というのは少々唐突で、「検証可能性」に乏しい「独自」な意見」だとおっしゃっていますが、私はそのようなことは申し上げておりません。一般に使われている名称ももちろん考慮すべきであり、書籍の題名だけで「合意に達しているとみなす」ことができるとも思いません。ただ、何かの対象物の記事名を決めるときに、「その対象物を専門的に扱った書籍でどのような表記を用いているか」というのはやはり大いに参考にすべきであるし、大半が同じ傾向であるというならばそれは大きな意味を持つと思うのです。「専門の書籍で用いられている表記」というのは実際の書籍を見ればある程度検証することができます。逆に「一般の人がどのような名称を用いているか」などのほうが検証可能性を満たしにくいのではないでしょうか。Enirac Sum 2008年4月21日 (月) 23:22 (UTC)
改名提案を取り下げます。ここまで議論をし、皆様からの貴重な意見をいただいた結果、多くの方を納得させることのできる良い案を作ることはできないと思うに至りました。文献を元に日本全国の方言の体系的記述をしようなどと一人で意気込んでいましたが、自分はまだまだ全くの勉強不足・知識不足であることに気付き、また学者の間でも説が分かれるようなものに対して、ここで皆様に納得いただけるような一つの結論を出すなどということは到底不可能であるということが分かりました。提案の根幹である「『~方言』への改名」にすらどなたからも賛成を頂けていないのに、一人で先走って試案を出したのも不適切だったと思っています。試案の内容についてもご指摘をいただいた通り様々な問題があり、それらの問題点をどうしても解決することができないと思いました。日本語の方言の個別記事の記事名や内容などについては、それぞれの地域の方言に詳しい方が個別に議論されていくことが、最も良い結果につながる方法だろうと考えるようになりました。これからは自分の能力相応の範囲で少しずつ貢献していければと思います。皆様の貴重なお時間をいただきながら何もせず取り下げという結果になってしまい大変申し訳ありません。ここでの議論で新たに得るところもたくさんありました。本当にありがとうございました。Enirac Sum 2008年5月21日 (水) 14:17 (UTC)
私も,wikipediaで方言の区分が,科学的というよりは,地元住民の感覚によってつくられた区分でつくられていることにもどかしさを感じています。例えば,檜枝岐村や足利市の方言を上越弁のや群馬弁の項目として記述できるのかどうか。この答えを出そうとするとかなり時間がかかると思いますが,それはすなわち用語の定義がなされていないことによるのではないでしょうか。「~弁」「~方言」のどちらを使うにしろ,有る程度の定義がなされないかぎり,同じ結果になるような気もします。私自身は「~方言」という用語を支持しますが,どちらにしてもよりよい記事にするために議論は継続すべきだと思います--Haruharu 2008年5月22日 (木) 15:00 (UTC) 議論に関しては、やはり一度Wikipedia:ウィキプロジェクトを立ち上げてそちらに移って話し合った方がいいかと考えます。尽力されていたEnirac Sumさんは、主に某所での件で一旦退かれることとなったとは思いますが、方言に関して言えば身近なことでありすぎるためにいろいろな方が参加でき、背景的な知識差がある人間同士ではやはり議論は上手くいかないと思います。もちろん私は背景的な知識が「無い」側の人間ですので反発はしましたが、記事名についてであり、記事内容にまで文句がつけられるほどではありませんでした。…と、何が言いたいのか怪しくなってきましたが、とりあえずは記事名よりも記事内容への貢献を期待しております。その後、個人ではなく、複数の方で「記事内でこういった問題があった」や「こういった学会でこういった指針ができた」「話し合った結果こういう分け方にした方がいいのではないか」といったようになれば、今回とは違った結果が出るのかもしれません…といった感じです。--Baldanders 2008年5月22日 (木) 15:20 (UTC) 日本語の方言分類の図について日本語の方言分類の図についてですが,出典不明となっています。本文中の分類とも異なっていますが,何が出典になっているかわかりますでしょうか?ぱっと見ると,「東関東方言が福島県南部まで及んでいる」という違いが有ります。--Haruharu 2008年11月16日 (日) 12:46 (UTC)
Enirac Sum様,返信が遅くなり申し訳ございません。クリックすると出典付きででてくるのですね。要出典を削除いたします。失礼いたしました。--Haruharu 2008年12月21日 (日) 09:29 (UTC) 日本語の方言分類について①八丈方言の位置を東日本方言の上に移動 ②多摩方言を西関東方言の下位に移動 ③北部伊豆諸島方言を東海東山方言の下位に移動 ④ギア方言のうち三河弁をナヤシ方言の下位に移動 の4点について移動の提案を致します。 ①については,分類上は東日本方言と西日本方言の間に置くことが適切でないため。 ②,③についても多摩方言は西関東方言,伊豆諸島方言は東海東山方言の下位に位置し,行政界による区分で東京方言の下位とすることは適切でないため。 ④についても②,③と同様に三河方言を行政界による区分でギア方言側に置くことが適切でないため。です。--Haruharu 2008年12月21日 (日) 09:29 (UTC)
出典のない記述の除去現在この記事からリンクされている「~弁」という記事には、出典のない記事、独自研究にあたる記事が多くあります。ウィキペディアでは信頼できる媒体で発表されていない記述を載せてはならず、出典のない記述は除去されても文句は言えないことが基本方針になっていますが、出典がないまま量だけは膨れ上がった記事を、これだけたくさん書いてあるのだから削除するわけには行かない、と躊躇したのか、方言の記事はウィキペディアの基本方針が無視され放置されているようです。 出典のない記事の執筆者に出典の提示を促そうと、2008年4月ごろに{{独自研究}}のテンプレートが張られた記事が多くありますが、しかし、2年近くたっても文献資料が示されていません。個人の経験に基づく記述ばかりが増えていますが、閲覧者には記述が正しいかどうか分からず、結局記事が信頼できない、方言に興味を持って調べようと思っても正しいかどうか分からない記事が大半、という状況です。そして、実際誤った記述が各記事に散見されるように思います。 文献を調べることによって、方言についての正確な記事を書くことは可能です。良い例として秋田弁、近江弁、山口弁を挙げておきますので是非ご覧ください。よその者に書かれた文献よりも何十年もその土地に住み続けてきた住民の方が正確だ、という意見があるかもしれませんが、はたして個人的な経験がその土地全体を網羅するものかどうか疑問です。たとえば「○○弁」が○○県全体の方言についての記事だとすると、その県のA市に住む人は県内全体の方言を知っているのでしょうか。 独自研究のテンプレートが張られて2年経っても改善されないなら、ウィキペディアの方針に従えば記述は除去されるはずですが、今一斉にそれをしても反発がありそうですので、出典のない記述についてはいったんノートページに転記して、出典が示されるまで本文には載せない、というふうにしようと思うのですがいかがでしょうか。--Henlly2010年4月5日 (月) 05:41 (UTC)
しかし本当に出典のない部分を全てノートページに移すと、本文の内容がゼロになってしまう記事がいくつかあります。また、言い出した者が言うのも変ですが、出典がないと言っても間違ってはおらずノートページに移すのがはばかられるものもあります。そこで、私としては、語彙などが羅列されている部分は、地元の方が確かにこういう言葉があると知って載せているので、本文に載せておこうと思います(ただし、語源とか用法などの解説は部分的にコメントアウトする)。一方、「特徴」などの名の節で文章の形で書いてある部分は、「~弁の影響がある」とか「~地方の言葉は特徴的」などと言っているが、こういうものは独自研究的性格が特に強いと思うので除去(ノートページへ。ただしいくら調べても出典など得られないだろうと思われる部分は削除)するのがいいと思います。 ところで、コメント依頼にも出したのに意外に反応が少ないのはなぜなんでしょうか。--Henlly2010年4月10日 (土) 11:51 (UTC)
三重弁で試験的に除去作業を行いました差分、ノート。このようなスタイルで行おうと思います。一週間待って反対がなければ他の記事でも作業に入ろうと思います。--Henlly2010年4月11日 (日) 01:34 (UTC)
反対意見がないので、除去作業に入らせていただきます。--Henlly2010年4月16日 (金) 14:57 (UTC) |
Portal di Ensiklopedia Dunia