バタフライ・エフェクト (映画)
『バタフライ・エフェクト』(The Butterfly Effect)は、2004年に公開されたアメリカ映画。日本では2005年5月に公開された。カオス理論の一つ、バタフライ効果をテーマに製作された。興行的に成功し、2006年には『バタフライ・エフェクト2』、2009年には『バタフライ・エフェクト3/最後の選択』が公開された。 一方で、本作に対する批評家の評価は非常に低いものとなっている[2][3]。 あらすじ時折、短時間の記憶を喪失することがあった少年エヴァンは、心理療法士の勧めで治療の一環として日記を書き始める。大学生になり、記憶喪失の症状が丸7年起こらなかったことに喜び、日記を読み返すと、その日記に書かれている過去の時点に戻れる能力があることに気づく。自分のせいで幼馴染のケイリーの人生を狂わせてしまったことを知ったエヴァンは、ケイリー、トミー、レニーと遊んでいた少年時代の過去に戻り運命を変えることを決意する。 まず、ケイリーの父への性的虐待を止めることに成功するが、ケイリーの父はケイリーの兄であるトミーに虐待する。その結果、トミーは素行が荒れ、エヴァンの犬を殺して、刑務所に行くことになる。そして、エヴァンを殺そうとするが、逆にエヴァンがトミーを殺害して刑務所に行く。トミーを変えるため、過去に戻り、トミーの悪行を止めさせるが今度はダイナマイト事件でパニック障害を起こし、精神病院に入院したレニーがトミーを殺害してしまう。しかもケイリーは顔が傷ついて、ストリッパーになっていた。この状況を止めるため友人らの素行が荒れた原因であるダイナマイト事件を無かったことする。周りは救われていたが、今度はエヴァンが車椅子でないと生活ができず、母のアンドレアはダイナマイト事件をきっかけにヘビースモーカーに、そして肺ガンの患者となっている。 過去に戻り、選択肢を変えることによって変化した現在では、必ずエヴァン本人もしくは彼が救おうとした誰かが不幸になっていた。何度過去をやり直してもケイリーを幸せにできないと知ったエヴァンは、わざとケイリーに悪口を言って嫌われて離婚した母と暮らす人生に変更する。 キャスト
矛盾点本作は数多くの矛盾点(プロットホール)の存在を指摘されている。以下はその例である。
評価本作は批評家から激しく酷評されている。特に整合性のない矛盾だらけの脚本、ショッキングな描写、俳優の演技が批判された。映画批評集積サイトRotten Tomatoesでは、170件のレビューに基づき、この映画の支持率は34%、評価平均は4.8/10となっている。同サイトの総評は、「前提は興味深いが、過剰に作り込まれた、趣味の悪いスリラーに仕立て上げられている」となっている[2]。同じく映画批評サイトMetacriticでは、35件のレビューに基づき、100点満点中30点と、「概して不評」となっている[3]。 CinemaScoreによる観客投票では、A+からFの評価基準で平均「B+」となった[7]。 ロジャー・エバートは「バタフライ・エフェクト」を「ある程度までは楽しんだ」と書き、「俳優たちは激しい感情の揺れ動く登場人物を演じなければならないため、プロットは演技力の見せ場となっている」と評した。しかし、エバートはバタフライ・エフェクトという科学的概念が一貫性を欠いて用いられていると指摘し、エヴァンの変化はより広い反響を呼ぶべきだと述べた[8]。シアトル・ポスト=インテリジェンサー紙のショーン・アックスメーカーはこの映画を「形而上学的な混乱」と呼び、映画の仕組みを「せいぜい曖昧で、残りはただ雑」だと批判した[9]。 ニューヨーク・タイムズのデイヴ・カーは、本作に0つ星をつけ、「1月の映画公開作の中でも際立って酷い作品」と酷評しており、特にその無理のあるプロットと、過剰かつ陰惨な描写を批判している。「物語には、幼少期の主人公が直面した虐待や死といった過激なエピソードが含まれており、作品のトーンは極めて暗い。また、時間改変による複数の未来が描かれるものの、それらの展開が矛盾を含み、次第に意図せぬ笑いを誘うようになる」と指摘した[10]。 別エンディングについて公開版とは異なるエンディングが3通り存在する。レンタルDVDにはラストカットのみ異なる2つのバージョン、セルDVDには全く別のエンディングで終わるディレクターズカット版が封入されている。 スタッフ
参考文献
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