パンデミック (ボードゲーム)
『パンデミック』(Pandemic)は、プレイヤーが病原体に立ち向かう医療研究チームの一員となり、協力しあい感染症の世界的流行(パンデミック)に立ち向かうというボードゲームである。 プレイヤー間で勝敗を争うのではなく、プレイヤー全員対ゲームシステム(病原体)という構図の、ボードゲームでは比較的めずらしい協力ゲームである。各プレイヤーはそれぞれ違う得意分野を持つ役割を担当するため、各自の能力を活かした協力が求められる。 デザイナーのマット・リーコックは、2003年に起きたSARSの流行から着想を得て本作をデザインした[1][2]。 2013年に「パンデミック:新たなる試練」のタイトルで改訂版が発売された。 2018年に10周年記念版が発売された。ゲーム内容は改訂版と同じであるが、カードや駒などが豪華になっている。 ゲームの概要ゲームは世界地図を模したボードと、縦型の「プレイヤーカード」・横型の「感染カード」の2セットのカードを使う。 ボードには48の都市が表示されており、初期配置し終えるとそのうち9つの都市に感染者が発生した状態となる。そのうち3つの都市は感染者数がアウトブレイク(後述)寸前である。この最初の感染具合は毎ゲームごとに異なる。また、プレイヤーカードの山に入れるエピデミックカード(後述)の枚数で難易度を調整しプレイすることができる。 プレイヤーはそれぞれ異なる役割を担当し、アトランタ[3]にて手札を数枚持った状態でスタートとなる。ゲームは最も人口の多い都市のカードを持ったプレイヤーからスタートし、時計回りに順に進めていく。各プレイヤーのターンは、アクションの実行→手札補充→感染の処理、の3ステップである。
受賞歴
拡張セット基本となる「パンデミック:新たなる試練」とあわせて遊ぶための拡張セットが発売されている。 パンデミック:迫りくる危機元々は「絶体絶命」というタイトルで英語版 (Pandemic: On the Brink) は2009年に、日本語版は本体と同時に発売された。(プレイするには旧版のパンデミック本体が必要である。) その後改訂版「パンデミック:新たなる試練」用の拡張版として「パンデミック:迫りくる危機」というタイトルで発売された。 内容は「迫りくる危機」も「絶体絶命」も変わらない。以下のバリエーションのゲームが可能となる。
また、病原体コマをいれるためのペトリ皿が付属する。 パンデミック:科学の砦以下のバリエーションのゲームが可能となる。
チーム戦で最大6名までプレイ可能。他の拡張セットと合わせてプレイが可能。 パンデミック:緊急事態宣言以下のバリエーションのゲームが可能となる。
他の拡張セットと合わせてプレイが可能。 スピンオフ作品色々な意味でのスピンオフ作品がある。同じゲームシステムで世界観が違うもの(「ローマの落日」など、病原体との戦いではないもの)、同じゲームシステムと世界観の物(「イベリア」、「ホットゾーン」など地図が違うもの)、モチーフを共有するがまったく別のゲームのもの(「感染接触」など)がある。いずれも拡張セットではなく、単体でプレイできる。 パンデミック:完全治療テーマはパンデミックと同じであるが、サイコロを使って進行していくため、運の要素が高くなっている作品。この作品の拡張セット「Pandemic: The Cure Expansion: Experimental Meds」も存在する(日本語版は未発売)。 パンデミック:接触感染カードゲームとなっている作品。大きく異なるのは人間側ではなく病原体側の立場となり、人間に被害を与える。協力ゲームではなく、より被害を与えたプレーヤーの勝利となる。 パンデミック:イベリアモチーフは同じだが、19世紀半ばのイベリア半島がゲームの舞台となっている。 パンデミック:ライジングタイド病原体との闘いではなく、オランダを舞台にし水害との闘いとなる。 パンデミック:クトゥルフの呼び声病原体との闘いではなくクトゥルフ神話を題材にした、邪神復活を阻止するために邪教の信徒や怪物との闘いが繰り広げられる作品。 パンデミック:ローマの落日病原体との闘いではなく、ローマ帝国を舞台に蛮族との闘いが繰り広げられる作品。 パンデミック:迅速対応サイコロを使用し、世界各国に救援物資を届けていく。砂時計を使ってプレイする、リアルな時間との闘いでもある作品。 パンデミック:レガシー シーズン1赤箱と青箱の2種類のバージョンがあるが、内容は同一。1月が約60分の内容が12カ月分で12時間のプレイが可能。自分たちでルールや能力を書き換えたりするため、1度しか遊べないが、自分たちだけの物語が楽しめる。 パンデミック:レガシー シーズン2黄箱と黒箱の2種類のバージョンがあるが、内容は同一。シーズン1と同じく1度しか遊べないが、自分たちだけのゲーム性が楽しめる。シーズン1を経験していなくても楽しめる。 パンデミック:レガシー シーズン0シーズン1や2の前日譚。シーズン1や2と同じく1度しか遊べないが、自分たちだけのゲーム性が楽しめる。シーズン1や2を経験していなくても楽しめる。 禁断の島「パンデミック」の名称はないが、作者も同じで、システムも似ている作品。島が水没する前に宝を取り脱出できれば勝利。パンデミックと比べて簡素になっていて遊びやすくなっている。 パンデミック:ホットゾーン「パンデミック:新たなる試練」をコンパクトにした作品。基本的なルールは「新たなる試練」に準じているが、都市が北米だけで約半数になった、病原菌の数が3種類に減った、役職も4種類などの違いがある。おおむね30分前後でプレイができ、ルールも簡素化されている部分もあるため、初心者もプレイしやすい。英語版タイトルは「Pandemic: Hot Zone - North America」であるが、日本語版タイトルには「North America」に相当する語はない。 Pandemic: Hot Zone - Europe「パンデミック:新たなる試練」をコンパクトにした作品。都市がヨーロッパだけになっている。日本語版は未発売。 ビデオゲーム版ビデオゲームとして『Asmodee Digital』からiOS[4],Google Play[5],Amazon Appstore[6],Steam[7](Windows/MacOS)で動作するものが販売されている。 注釈
外部リンク
|
Portal di Ensiklopedia Dunia