ヒメカイウ
ヒメカイウ(姫海芋、Calla palustris)は、サトイモ科の植物。本種のみでヒメカイウ属を構成する。和名はミズザゼン、ミズイモともいう。 名称ヒメカイウはカール・フォン・リンネが記載した植物である。ヒメカイウ属の学名 Calla の由来はよくわかっていないが、「意味のわかっていない古代の名前」(エイサ・グレイ)などとする解釈がある[1]。種小名 palustris はラテン語で「沼地を好む」の意で、本種が沼地などの湿った場所に生育することを示している[3]。なお、属名のカナ読みであるカラーは、通常別属のオランダカイウ属の種、あるいはオランダカイウのことを指す。 和名のヒメカイウは、小型のカイウ(オランダカイウ)であることを意味している。 分布北半球の北部の湿地や沼などに分布し、北アメリカのアラスカから五大湖にかけてや[4]、ヨーロッパ、アジアの一部に分布する[5]。日本では北海道や本州の中北部に分布し、低地から山地の湿地に生育する[6]。 特徴外観は小型のミズバショウといった形態をしている。葉は卵心形~円心形で大きさ5-15cm、10-20cmの葉柄をもつ[4]。花茎は長さ15-30cmで[6]、上部に花弁や萼を欠く小さい黄色の雄花をつけ、その下に両性花があり、緑色の子房を6本の雄蕊が取り巻いている[4]。花期は6-7月で、花の外側には白色の長さ4-6cmの仏炎苞をもつ[6]。 果実は赤色でベリー状になり、その中に数個の種子を生産する[4]。 ベリー状の果実にはサポニンなどの毒素が含まれているとされる[4]。また、植物体にはシュウ酸が含まれており、有毒である[4]。 利用スカンディナヴィアでは、本種の根を煮てすりつぶし、しばらく置くことで毒抜きをしてから食用とすることがある[4]。また、先住民族の間では、本種を薬草として風邪や発熱などに用いる[4]。 脚注
参考文献
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