ヒメヒゴタイ
ヒメヒゴタイ(姫平江帯、学名:Saussurea pulchella)は、キク科トウヒレン属の二年草[2][5][7]。 特徴根は太く、紡錘形で垂直に伸びる。茎は直立し、高さは30-150cmになり、茎は上部でよく分枝する。根出葉と下部の茎葉は花時には枯れて生存しない。茎の中部につく葉は草質で、葉身は楕円形から狭楕円形になり、長さ12-18cmになり、羽状に深裂して6-10対の裂片になるか鋸歯縁になるが、中部から上部の葉は全縁となり、小型のものは全体に全縁葉のみがつくことがある。葉の両面に腺点と多細胞の短褐色毛が生える。葉柄は長さ3-6cmになり、基部は茎に流れて狭い翼になるときがある[2][5][7][8]。 花期は8-10月。頭状花序は散房状または円錐状に多数が密集してつき、頭花の径は12-16mmになり、花柄は長さ10-35mmになり、細い。総苞は長さ11-13mm、径10-11mmになる球形から幅の広い鐘形で、くも毛があり、基部に1列の狭卵形の苞葉がある。総苞片は8-9列あり、狭卵形で、すべての総苞片の先端に淡紅紫色の付属体があって、中片と内片の付属体は円形、外片の付属体は楕円形で小さい。総苞外片は卵形で、長さは2-3mmになる。頭花は筒状花のみからなり、花冠の長さは11-13mm、色は紅紫色で腺点がある。果実は長さ3.5-4.5mmになる痩果で、象牙色になり、紫褐色の条と斑点がある。冠毛は2輪生で、落ちやすい外輪は長さ1.5mm、花後にも残る内輪は長さ7-8.5mmになる[2][5][7][8]。 分布と生育環境日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、低山から山地の草原、または海岸草原の、日当たりのよい草地や林縁に生育する[2][5][7]。世界では、朝鮮半島、中国大陸(東北部・中部)、モンゴル、サハリン、ロシア沿海地方に分布する[2]。 名前の由来和名ヒメヒゴタイは、「姫平江帯」の意[6][5]。ヒゴタイに比べて小型であることからいう[8]。ただし、本種とヒゴタイは姿、形は似ていなく[9]、ヒゴタイは別属のヒゴタイ属に属する。 種小名(種形容語)pulchella は、「美しい」「愛らしい」の意味[10]。 種の保全状況評価絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト) (2017年、環境省) ギャラリー
下位分類類似の種日本におけるトウヒレン属のうち、ヒメヒゴタイ節 Sect. Theodorea に属する種を次に示す。
脚注
参考文献
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