ビンゴ・ピンボールビンゴピンボール(Bingo Pinball)(通称「ピンビンゴ」)とは、アーケードゲーム機のうち、ピンボールゲームの一種である。ゲームの結果により、現金、あるいはクレジットの払い出しが行われるため、ギャンブル機と認識される場合もある。 日本のゲームセンターではメダルゲームの一種として設置され、フリッパーピンボール(いわゆる普通のピンボール)とは別物として扱われる。ただし、2007年現在ビンゴ・ピンボールを設置している日本のゲームセンターは極わずかである。 概要筐体のサイズは幅約0.6m、奥行き約1.2m、高さはプレイフィールド部で約1m、バックグラスの最高部で約1.8m程度。その外観はフリッパー・ピンボールによく似るが、プレイフィールドにはボールを弾き返すフリッパーや得点を得るためのバンパー、ターゲットなどはなく、多数のピンと、スマートボールに似た20個ないし25個の通し番号がふられた穴が開いているのみである。バックグラスにはビンゴカードが設置されており、プレイヤーが射出した金属球がプレイフィールドのいずれかの穴に入ると、ビンゴカード上のその番号が点灯する。 最も一般的なゲームの内容は、全部で5個の金属球を射出してプレイフィールド上の番号が付された穴に入れ、5列×5行のビンゴカードの同一線上に連続して3個以上の番号を点灯させるか、あるいは色で塗り分けられたビンゴカードの同色セクション内の番号を3個以上点灯させると「上がり」となり、その時にバックグラスに表示されている得点がコインあるいはクレジットとして得られる、と言うものである。当然のことながら、3個より4個、4個より5個点灯した方が、得られる得点は高くなる。 歴史発祥の地である米国では、バーリー社を最大手メーカーとして、1950年代始め頃より1980年まで製造され、国内市場ばかりでなく、日本や欧州にも輸出された。 1977年には、タイトーがモーターが過熱する等の理由で形式認可をパスできなかったアメリカ製マシン「ビンゴハワイ」165台を輸入し、書類送検を受けたことが新聞記事として残されている[1]。 その後は、1980年終わり頃から1990年代半ば頃までにかけて、日本のシグマ社(後のKeyHolder)が14台程度の25穴タイプのビンゴ機を製造したが、これらが輸出されたかどうかは不明。欧州圏でも、1980年代中頃から、スペインやベルギーなどのゲーム機メーカーがバーリー社製の6カードタイプやミス・アメリカタイプをなぞったゲームを中心に製造しており、これは2007年現在においても細々ながら継続している。また、2007年2月の日本のAOUショーにおいて、台湾製のビンゴ・ピンボールが1機種出展されていた。 ゲームのタイプピンボール・ビンゴにはさまざまなゲーム性があり、一元的な分類は出来ない。ここでは、上がりの条件、キーフィーチャー、プレイフィールドの穴の数の三つの基準点で分類した。 上がりの条件による分類
キーフィーチャーによる分類キーフィーチャーとは、カード上の番号を移動させる、あるいはカードのレイアウトを動かすなどして、点灯する番号の並びを上がりの形にアレンジするものである。 なお、ゲームによってはキーフィーチャーを持たず、カードが完全に固定されているものもあるが、そのような機種をまとめて指す言葉が見当たらないので、ここでは仮に「固定カード」と称して説明する。
穴の数による分類
ミステリー・インターバルアドバンシングオッズ/スコアーズ(「主なフィーチャー」参照)を備えるタイプのゲームで、コイン投入直後に生じる1,2秒内外程度の一定ではない短い間(ま)のことで、この間(かん)は、バックグラスの各所のランプがランダムに点滅すると共に、そろばんを弾くようなパチパチというノイズや、木箱を硬いもので叩くようなカタカタというノイズを発する。得点の上昇やフィーチャーの有効化などの変化は、起こるとすれば必ずこのミステリー・インターバルを経た後になる。 アドバンシングオッズ/スコアーズフィーチャーを持たない固定カードタイプのゲームのように、投入したコイン数に応じて有効となるカード数やフィーチャーが常に決まっている機種もある。それらの機種の中にも、スーパーラインやスポットナンバーなど、運次第で有効になったりならなかったりするフィーチャーもあるが、1回のゲームに投入できる最高コイン枚数は常に一定であり、ミステリー・インターバルは発生しない。 主なフィーチャー多くのビンゴ・ピンボールには、上がり易くしたり、得られるスコアを高くしたりするなどのさまざまなフィーチャーがある。フィーチャーの内容はタイトルによって異なるが、いずれの場合も、バックグラスに表示されているフィーチャーの文字にライトが点灯して初めて使用可能となる。殆どの場合、フィーチャーは、コインを投入するたびに内部的に抽選を行い、有効とするかどうかをランダムに決定する(後述のアドバンシングオッズ/スコアーズ参照)。有効となる確率は、スコアや他のフィーチャーの有効状況、あるいはコインのインとアウトの状況によって変動する。以下は、代表的なフィーチャーの例である。
]ビンゴカードの番号の並びを変えることが出来るフィーチャーで、いくつかの種類がある。「ゲームの分類」中の「キーフィーチャーによる分類」を参照。
ミス・アメリカ1957年にバーリー社によって製造されたこのゲームは、メインカードとエキストラカードの2枚のビンゴカードが横に並んでおり、キーフィーチャーであるマジックラインによって、両カードの番号の一部がもう片方のカードに移動できるため、1つのカードに同じ番号が2つ存在することがある。これを「ダブル・デューティー・ナンバーズ」と言い、2枚のカードで番号を融通するというゲームスタイルは、ミス・アメリカの最大の特徴の一つとなっている。 多くのキー・フィーチャーやゲームスタイルは、後に製造される他のタイトルに応用されているが、「ミス・アメリカ」の場合は、そのような事はなかった。しかし、初めてこのタイトルを製造してから17年も経った後の1974年に「ミス・アメリカ‘75」が、そして更に76年及び77年にはそれぞれ「ミス・アメリカ サプリーム」、「ミス・アメリカ デラックス」と、3回にも亘ってリメイクされている。従来は、ゲーム内容が同じでも、全く別のゲームであるかのようにタイトルとバックグラスを変更して製造する例はいくつかあったが、このように同一タイトルでリメイクが行われたケースは、ビンゴ・ピンボールでは他に例を見ない。また、「ミス・アメリカ」の一連のシリーズは欧州圏ではおおいに受けたようで、そのコピーキャットに限りなく近い製品や更なるリメイクが加わった製品が、ベルギーやスペインのメーカーによって多数製造されており、このような現象も固定カード以外のゲームでは大変異例である。このように、異例ずくめのミス・アメリカは、ビンゴ・ピンボールを語る上で特筆すべきタイトルとなっている。 脚注
参考文献
外部リンク |
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