ピーターソン反応ピーターソン反応(‐はんのう、Peterson reaction)とは、有機化学における合成反応のひとつで、α位にシリル基(有機ケイ素基)を持つカルバニオン 1 がケトン、またはアルデヒドと反応して β-ヒドロキシシラン 2 を生じ、続く脱離反応によりアルケン 3 を与える反応である[1][2][3][4][5]。 ![]() 反応機構ピーターソン反応の特長は、炭素-炭素結合生成で得られる β-ヒドロキシシランを単離できる場合に、脱離生成物となるアルケンのシス体、トランス体を作り分けられることである。β-ヒドロキシシランを塩基、あるいは酸で処理すると、それぞれ反対の立体配置を持つアルケンが得られる。 塩基による脱離反応β-ヒドロキシシラン 1 を塩基で処理すると、中間体 2 または 3 からケイ素と酸素が協奏的にシン脱離し、アルケンが得られる。5配位型ケイ素中間体 3 を含む経路が有力と考えられているが、現在までその証拠は得られていない。 ![]() 酸による脱離反応β-ヒドロキシシラン 1 を酸で処理すると、ヒドロキシ基がプロトン化され、そこからケイ素と酸素とがアンチ脱離(E2脱離)したアルケンが生成物となる。 ![]() 置換基の影響α-シリルカルバニオンがアルキル基、水素、または電子供与基からなる場合に、ピーターソン反応で生成するアルケンの立体が制御可能となる[6]。中間体の β-ヒドロキシシランが低温で単離できるからである。 β-ヒドロキシシランが単離できれば、そのジアステレオマーを分離し、その片方を酸で、もう一方を塩基で処理すれば、同じ立体のアルケンとなる [4]。 ![]()
参考文献
関連項目 |
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