『ファイト・フォー・ザ・ロック』(Fight for the Rock)は、アメリカ合衆国のヘヴィメタル・バンド、サヴァタージが1986年に発表したスタジオ・アルバム。フル・レングスのスタジオ・アルバムとしては3作目に当たる。
背景
新ベーシストのジョニー・リー・ミドルトンを迎えて制作された[2]。使用スタジオはアルバムのクレジットに明記されていないが、レコーディングはロンドンで行われた[3]。本作のプロデューサーのスティーヴン・ガルファス(英語版)は、過去にミートローフやジョン・ウェイト等の作品を手掛けた[4]。
「デイ・アフター・デイ」はバッドフィンガーのカヴァーで、本作のレコーディングが行われたスタジオには、オリジナル・ヴァージョンで使用されたピアノがあり、それがきっかけで取り上げられたという[3]。また、「ウィッシング・ウェル」はフリーがアルバム『ハートブレイカー』(1973年)で発表した曲のカヴァー。「アウト・オン・ザ・ストリーツ」は、デビュー・アルバム『サイレンズ』(1983年)からの曲のセルフ・カヴァーである[5]。
レーベルからの圧力によりコマーシャルな作風となったため、バンド自身は本作を気に入っておらず、1989年以降のライヴでは本作からの曲は演奏されていない[3]。ただし、「ジ・エッジ・オブ・ミッドナイト」は『ストリーツ・ア・ロック・オペラ』(1991年)リリース後のツアーで、イントロダクションとして流された[3]。
反響・評価
バンドは本作で初のBillboard 200入りを果たし、最高158位を記録した[1]。Geoff Orensはオールミュージックにおいて5点満点中1.5点を付け、「デイ・アフター・デイ」のカヴァーに関して「明らかな失策」、「アウト・オン・ザ・ストリーツ」のセルフ・カヴァーに関して「『サイレンズ』における生々しいヴァージョンの方が遥かに良い」と批判し、アルバム全体に関して「ありがたいことに、バンドはこのレコードの後、音楽的アプローチについて考え直した」と評している[2]。
収録曲
- ファイト・フォー・ザ・ロック - "Fight for the Rock" (Jon Oliva, Criss Oliva, Steve Wacholz) - 3:58
- アウト・オン・ザ・ストリーツ - "Out on the Streets" (J. Oliva, C. Oliva) - 3:59
- クライング・フォー・ラヴ - "Crying for Love" (J. Oliva, C. Oliva) - 3:24
- デイ・アフター・デイ - "Day After Day" (Pete Ham) - 3:40
- ジ・エッジ・オブ・ミッドナイト - "The Edge of Midnight" (J. Oliva, C. Oliva, S. Wacholz) - 4:48
- ハイド - "Hyde" (J. Oliva, C. Oliva, S. Wacholz) - 3:56
- レディー・イン・ディスガイズ - "Lady in Disguise" (J. Oliva) - 3:20
- シーズ・オンリー・ロックン・ロール - "She's Only Rock 'N Roll" (J. Oliva, C. Oliva) - 3:24
- ウィッシング・ウェル - "Wishing Well" (John "Rabbit" Bundrick, Paul Kossoff, Simon Kirke, Paul Rodgers, Tetsu Yamauchi) - 3:21
- レッド・ライト・パラダイス - "Red Light Paradise" (J. Oliva, C. Oliva, Johnny Lee Middleton) - 4:01
2002年リマスターCDボーナス・トラック
- "Dungeons Are Calling (live)" (J. Oliva, C. Oliva, Keith Collins) - 3:45
- "City Beneath The Surface" (J. Oliva, C. Oliva) - 5:01
2011年リマスターCDボーナス・トラック
- "This Is the Time" (J. Oliva, Paul O'Neill) - 5:31
- "This Is Where You Should Be" (J. Oliva, P. O'Neill) - 4:55
参加ミュージシャン
アディショナル・ミュージシャン
- ブレント・ダニエルズ - バッキング・ボーカル
- Dvoskin - キーボード
脚注
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スタジオ・アルバム | |
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EP | |
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ライヴ・アルバム | |
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コンピレーション・アルバム |
- From the Gutter to the Stage
- ベスト・アンド・レスト
- ビリーヴ
- Still the Orchestra Plays: Greatest Hits Vol.1 & 2
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