フィアレス級哨戒艇
フィアレス級哨戒艇(英語: Fearless-class patrol vessel)は、シンガポール海軍の高速戦闘艇(FAC)の艦級。前期建造艇は駆潜艇(APV)、後期建造艇は哨戒艇(OPV)として建造されている。 来歴1993年2月27日、まず6隻の建造がシンガポール・シップビルディング・アンド・エンジニアリング社に発注された。これらは対潜戦を主任務としてA244/S対潜魚雷を搭載していたことから、駆潜艇(antisubmarine patrol vessels, APV)として種別された。1996年10月5日に3隻が、続いて1997年5月3日に3隻が就役し、全艇が第189戦隊に配属された[1]。 続いて1994年2月18日、さらに6隻の建造が同社に発注された。こちらはガブリエルMk.2艦対艦ミサイル(SSM)を主兵装としたミサイル艇として建造される計画であった。しかし実際にはSSMは搭載されず、哨戒艇(OPV)として種別されている[1]。 設計・装備船型としては中央船楼型を採用している。主機関としては、ドイツのMTU社製のV型12気筒ディーゼルエンジンであるMTU 12V595 TE90型を2基搭載して、それぞれ1軸ずつのウォータージェット推進器を駆動する[1]。 戦術情報処理装置としては、イスラエルのエルビット・システムズ社製のST-3100 WCSが搭載された。主たるセンサーとなるのは、やはりイスラエルのエルタ・システムズ社製のEL/M-2228X多機能レーダーである。これはXバンドで動作するコヒーレント・パルス・ドップラー・レーダーであり、対空・対水上捜索と砲射撃指揮の双方に用いられることからSGRS(Surveillance & Gunnery Radar System)と称される。最大探知距離は100キロメートルで、戦闘機大の目標に対しては50キロメートルの有効探知距離を備えている。またソナーとしては、フランスのトムソン・シントラ(現在のタレス・アンダーウォーター・システムズ)社製のTSM-2362ガッジョンが搭載される。これは哨戒ヘリコプター用のディッピングソナーをもとにスフェリオン・ソナーの技術を導入して開発された、13キロヘルツ級の中周波ソナーである[1][2]。 主砲としては、シンガポール海軍で一般的な76mmスーパー・ラピッド砲を艦首甲板に備えており、光学式のMSIS砲射撃指揮装置による統制を受ける。また近接防空用として、ミストラル近接防空ミサイルの遠隔操作型サドラル連装発射機を艦尾甲板に設置する[1]。 なお、OPV型では複合艇の揚降等に用いるため、大容量の電気油圧式クレーンを設置した。ただし複合艇そのものは全艇に搭載されている[1]。 同型艇一覧
参考文献
関連項目
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