フランク・S・ベッソン・ジュニア大将級兵站支援艦
フランク・S・ベッソン・ジュニア大将級兵站支援艦(英語: General Frank S. Besson-class Logistics Support Vessels)は、アメリカ陸軍輸送科が運用する兵站支援艦(LSV)の艦級[1][2]。アメリカ陸軍が保有する艦艇としては最大のものである[3]。 来歴アメリカ陸軍の船艇のうち、上陸用舟艇(LCM・LCU)や兵站支援艦(LSV)は陸軍輸送科によって運用されている[2]。このうち兵站支援艦(LSV)に相当するのが本級であり、揚陸後方支援(Logistics Over The Shore, LOTS)[4]や低脅威度地域における兵站活動への投入が想定されていた[1][3]。 陸軍輸送科では、もともと、旧式化した汎用揚陸艇(LCU)を更新するために舟艇24隻の建造を計画していた[5]。しかし検討の過程で、「ジョン・U・D・ページ」および「バンカー」の成功を背景として、これら2隻および陸軍保有の貨物船の代替用として、より大型の艦を導入することとなった[6][注 1]。まず1985年8月に4隻がノーフォーク造船所にされたものの、入札内容の曖昧さが問題になり、同年10月にキャンセルされた[5]。その後、1986年9月19日に改めて4隻が発注された[2]。 設計設計面では、オーストラリアのビーチング対応型RO-RO船「フランセス・ベイ」を元にしており、このため商船構造として民間の基準で建造された。同船と同様、戦車揚陸艦のように艦首に道板(バウ・ランプ)を有する一方、艦尾にも道板を有しており、RO-RO船としての性格も残されている。艦首尾の道板はいずれも幅8.23メートルであり、長さはそれぞれ15.2メートルと4.87メートルである[2]。1:30の勾配の海岸部にも擱座着岸を行うことができる[1]。その直後の車両甲板は975平方メートルの面積を確保して、816〜1,815メートルトンの車両ないし物資を搭載できる。M1エイブラムス15両を搭載でき、コンテナ搭載能力としては48 TEUとされている[2]。 その後、2001年度から2003年度計画で建造された7・8番艦は、全長を12m延長した発展型とされている。車両甲板は10,500 sq ft (980 m2)と大差ないが、搭載量は2,000メートルトン、50 TEUとされており、主力戦車24両を搭載できる。また艦首には、道板に加えて観音開きの門扉が設置され、道板は23.16×5.49メートルの分節状のものとなった。9番艦の建造も計画されたが、2013年現在実現していない[2]。 また1992年4月には、アメリカの軍事援助として、フィリピン海軍向けにバコロド・シティ級2隻が建造された。これらは基本的に本級と同じ設計であるが、艦尾ランプを持たない代わりにヘリコプター甲板を備え、また兵員150名用の居住区を有する点で異なっている[8]。
同型艦一覧
脚注注釈出典
参考文献
関連項目
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