プロジェクト:軍事史/記事の改善

このプロジェクト:軍事史における記事の改善での解説はウィキペディアの公式の方針を理解し、編集に慣れている人向けの備忘録、または回報です。

記事の改善

森林は人の手が入ることでバランスが保たれます

ウィキペディアにおいて記事の改善は終わりのない作業です。どんなによく書かれた記事であっても、どんなに徹底的な調査がなされていても、加筆できる部分や、より良い表現、より信頼できる情報源は常に存在します。ウィキペディアではWikipedia:秀逸な記事に到達することが最高評価の目標とされており、終わりのない努力が求められます。これらの評価基準は、全ての記事の改善に役立つ指標としても機能します。評価の段階はいくつかの基準が存在し、あらかじめ設定された評価に割り当てられます[注釈 1]。記事を改善する際、これらのシステムの基本的な要点と次のステップアップを見据えて、何をしなければならないか理解しておくことが重要です。

そうして評価されることはプロジェクト軍事史の誇りです。

ご存知でしたか?…軍事史の記事で「秀逸な記事」に選出されたものはほとんどありません[注釈 2]。これだけ長い期間をかけて、整理、基準などを議論し、改善に取り組んできた我々のプロジェクトはその程度の段階なのです。そのような評判が、このプロジェクトに参加するメンバーによる記事の改善にふさわしくないということではありません。むしろ、より高い基準を求めて活動しています。秀逸な記事とはウィキペディア全体の割合としてはかなり少なく、その選出は慎重に検討されるため、良質な記事に選出されるような記事をもっと手塩にかけて改善しなければなりません。基本的により高い水準へと引き上げるためには、オフラインでの情報源が必須であり、構成や文面の工夫もまた必要です。こうした目的のため、段階とそれを簡略化した定義、基準を改善する手段を以下に記します。

注釈

  1. ^ 英語版ではen:Wikipedia:Content assessmentに評価基準があり、ノート用テンプレートとBotを使用して記事ごとにクラスと重要性を分類しています。
  2. ^ 図書分類法 200-299 歴史、390-399 軍事

スタブの記事

スタブの記事とは扱っている内容が百科事典的な定義を提供するに不十分な文章量の記事を指します。多くの場合、数行で構成され、表、画像、出典がありません。外部リンクを基に書かれている場合もあります。これでは記事の価値を高めることが出来ません。スタブは改善が最も簡単な記事です。1つ、2つの段落を追加する、画像、出典を追加すると成長の見込みがあるスタブへと変わります。

スタブの卒業

成長の見込みがあるスタブは、プロジェクト軍事史において過半数以上を占める大量の記事郡です。通常は導入部、画像、少しの段落、外部リンクによって構成されています。

スタブを卒業するためには、以下の基準を満たしていることが求められます。

出典と参考文献
最初のポイントは出典と参考文献に関するものです。記事内の段落に出典があり、脚注セクションと参考文献セクションがWikipedia:信頼できる情報源基づいた情報源を出典としていることです。疑わしいまたは異議が出そうな情報には追加の出典が必要な場合があります。より詳しい出典に関する情報はプロジェクト:軍事史/出典と文献(草案)にあります。
条件(カバレッジ)
記事の内容はテーマ(主題)の部分に過度に重点を置くことなく、テーマの背景など側面的部分にも触れておく必要があります。また、Wikipedia:中立的な観点を維持する必要がありますが、これは解釈が難しい部分があります。ノートで質問が来たときに答えられるような記事にしておくことが難しければ、話し合いを通じて改善しましょう。
構造(フォーマット)
百科事典の記事には導入部(lead section)が必要です。導入部は記事の要約または概要です。大幅に加筆された記事では、2つから3つの段落で構成され、記事の大部分から適切に要約した文章にします。たとえ導入を読み飛ばしても、内容がわかるようにし、意味が通るものでなければなりません。記事の大半、つまり本文は読みやすくするために、論理的にセクション(見出し)に分けるべきです。どのようなセクション分けが望ましいかはテーマによって異なります。一般的に、主要な部分や大きな転換が起こるところで新しいセクションを作り、主要な部分の中で特筆すべき出来事があれば、サブセクションを作ることも検討すべきです。基本的にセクションは記事の読みやすさを向上させることを目的とします。セクションは文章の小さな固まりを意識して分け、連続した文章の段落だらけにするよりも読みやすくなります。そして、スクリーンリーダーのようなデバイスから読まれる場面でも重要です。しかし、見出しが多すぎて中身が少ないと、文章の流れをぶち壊すだけです。
文法と誤字、脱字
明らかな文法上の誤りや誤字、脱字があってはなりません。
補佐する資料
画像、写真、図、グラフ、表などを含めて、記事の内容理解を助ける必要があります。

問題が解決されていない記事

スタブを外して問題のない記事はスタブを外してください。少なくとも、上述の5点を抑えた記事であれば、スタブを卒業したといって過言ではありません。しかし、ウィキペディアで求められる基準にほぼ達しているが、まだ達していない部分が残っています。構成、文法、出典について、再度、見直しを行い、注釈、出典、参考文献が適切かどうか確認してください。もし、ご自身で解決できる場合は、参考文献を基に改善を行ってください。そうでない場合は、Wikipedia:主要なテンプレート/問題のある記事を使って何が問題として残っているのかを明確にします。

良質な記事に向けて

Wikipedia:良質な記事で選出されるには4つの最低基準があります。

単独で困難に立ち向かった達成感は素晴らしいですが、仲間がいると心強いものです

これらの中で重要なのは3つ目と4つ目です。いずれも他の利用者や編集者から見て、十分に良く書けているという評価がなされなければなりません。特に軍事史に通じた利用者や編集者ばかりではないため、難解な専門用語のオンパレードでは、選出されることはありません。これらが特に難易度の高い部分であり、軍事における基礎的な部分であれば、リンクを貼るだけで説明している記事へ誘導することで解決できますが、関連した記事が作られていない、十分な説明の量のないスタブしかないといった事態も当然あります。そういう時は記事が長くなってしまうことを忍んで、難しいところを噛み砕いて説明するか、関連した記事も併せて執筆することも視野に入れなければなりません。単独で難しい場合、プロジェクトやポータルで協力を呼びかけましょう。

次に重要なのはWikipedia:中立的な観点です。特に研究者や専門家がいかに権威的な発表や定評のある人物であったとしても、その1人による著作だけを参考に記事を執筆しては偏りが発生する可能性があります。複数の参考文献をあげ、個別参照を用いて出典付けを行います。また、そうしたバランスを保った上で、全ての段落に出典付けを行い、内容が確かであることを証明しなければ、査読される記事として不完全という扱いになるかもしれません。

以上のようにスタブの卒業であげた5つのポイントをより厳格に取り組む必要があり、一見難しいことを言っているように聞こえるかもしれませんが、これらはWikipedia:方針とガイドラインに過ぎません。Wikipedia:中立的な観点Wikipedia:検証可能性Wikipedia:独自研究は載せない、この3つを重点的に読み、理解する必要があります。同時に、方針とガイドラインを正しく理解したプロジェクトのメンバーがそろわなければ、良質な記事の基準に掲載されたプロジェクト独自の基準というものは到底作れるものではありません。[注釈 1]

注釈

  1. ^ スタブ卒業後の記事をさらに充実させるため、en:en:Wikipedia:WikiProject Military historyはオフラインの文献調査に精を出し、正確な出典付けに取り組みました。そうした背景から2008年にen:WikiProject Military historyが設定したBクラス基準英語版ウィキプロジェクト全体へ採用されるまでに至りました。彼らは今も真剣、かつ誇りを持って取り組んでいます。

秀逸な記事に向けて

  1. 高い完成度で文章や構成がよくまとめられている。(可能なら)図や画像や表なども使われ、説明を補助している。
  2. 詳しくない読者にもその主題について理解できるように、わかりやすく書かれている。ただし、高度に専門的な主題を扱ったものであれば、関連記事を読んで理解していることを前提にするのは問題ない。
  3. 必ず説明されるべき点から主な関連事項までが含まれ、内容が充実している。ただし、どこまでを含むかは他の記事との連携・分担関係にもよる。
  4. 専門的な資料から関連資料に至るまで、主題についてよく調査されている
  5. 観点の中立性が保たれている
  6. 必要な出典が記事全体を通して十分に挙げられており、個々の記述の根拠が脚注や本文中で明らかにされている。特に、肯定的・否定的・主観的な表現については出典が付けられていることが望ましい。
  7. 以上の点が全て満たされている。
流れ星に手が届くのはいつの時代になるかわかりません

Wikipedia:秀逸な記事において注意を要するのは最後の一文です。全てを満たす必要があるということです。良質な記事に選出された記事であれば、概ね上記の条件を満たしている部分もあるでしょう。しかし、図や画像の適切な使用といった部分が落とし穴であったり、テーマ(主題)を厳格に調査することに専念するあまり、関連事項、関連した資料まで調査が行き届いていない可能性もあります。

例示として第二次世界大戦をあげましょう。2006年8月に選考へ提出後、不通過でした。2006年12月に再選考、不通過でした。2007年3月に月間強化記事賞で良質な記事に選出されましたが、2011年7月の良質な記事再選考で除外されています。この場合、他の編集者によって評価を落とす要素が入り込む余地があったため、致し方ない部分もあります。同時に我々に対して、継続的なメンテナンスが必要かつ重要であるということを証明しています。

メンテナンス

ウィキペディアへの投稿を続けていくと、自分の得意分野や興味を持つことを発見している可能性があります。知識が深まり、得意分野の記事に関して、正確で最新の状態を保つために積極的に役割を果たすようになると、やがて特定の記事を重点的にウォッチして監視するようになる可能性があります(そのような決めつけは、全ての利用者や記事に当てはまるを言っていません)。1つ以上の記事を維持するには長期的な取り組みが必要です。内容が十分な情報源と出典を保ち、荒らしや過激な理論の展開、編集合戦、その他の有害な編集がないか確認するのに、閲覧数が多い記事では1日に1回以上の定期的なアクセスを必要とします。

記事のメンテナンスはウィキペディアにとって良いことです。単純に単一の記事に限らず、メンテナンスを好んでやるような編集者は軍事史に関連した記事の執筆や編集の仕方、使用した数々の情報源の両面において、すごく精通しているからです。しかし、過剰な行き過ぎたメンテナンスは問題を引き起こすというマイナス面もあります。最悪の場合、ウィキペディアからブロックされるかもしれません。記事のメンテナンスと所有欲の境界線はどこにあるのか、また、自分以外の編集者がそういった記事にいかに貢献できるか、どうすれば自身の心のバランスを取れるのかを理解することです。

所有権

ある記事を所有しているかのように振る舞う権利はありません。 - Wikipedia:記事の所有権(WP:OWN)

最初から悪意を持っていることなどありません。双方の善処によって飛び立ちます。

最初に所有権について理解しておくべきことは、このウィキペディアの誰も「所有」していないということです。これについてはWikipedia:記事の所有権で解説されているので省略します。簡単に言えば、他の編集者による編集を受け入れ、それが善意に基づく試みの結果と見なすのです。もし、新しく追加された文章の変更や削除、消された文章の復活といった編集へ移る前に以下の点を考慮してください。

  • 新たな編集が本当に必要かどうかを慎重にチェックする。もし、重要ではないと思われる情報を追加していたり、それは他の記事に書くべきだろうと思った場合、削除する前に移動することを提案すべきです。また、編集の中で疑わしい出典、あるいは信頼できない情報源に基づくものであれば、説明文を添えてノートで問題提起し、猶予の時間(一般的に一週間)を置いてから削除を検討してください。同様に他の編集者によって削除された内容はテーマと無関係であったりするかもしれず、その記事に必要のない文章だったのかもしれません。出典が十分にある場合、削除が妥当ではないと考えるのであれば、ノートに復旧することを宣言しましょう。もしかしたら、気づいていないだけで見落としがあるのかもしれませんので、落ち着いてノートで確認します。
  • ウィキペディア全体のスタイルマニュアルとプロジェクト軍事史のガイドラインの両方を照らし合わせて、編集を検討してください。Wikipedia:スタイルマニュアルでは過剰なリンクや大衆文化に関する方針を記していますが、それに対してプロジェクト軍事史のプロジェクト:軍事史/記事の構成(草案)#文化的影響力と相反している箇所があります。今のところ、最終的な決定事項はありませんが、ウィキペディア全体に影響を与えることだと心に留めておくべきです。
  • 過去の議論で確立された合意事項を探す。ある種の編集に対する対策について、編集者が長い時間をかけて話し合っていることがあります。プロジェクト軍事史ではノートページの整備を行っていませんが、閲覧数の多い記事には、記事のノート上部に特別に作成されたFAQテンプレート、質問、大まかな要約、その答えが書かれているものもあります。
  • 他の場所で議論されていませんでしたか?時には記事のリンク、カテゴリ、画像、論争になる文章など、記事のノートとは違うところで議論が進み、結果として削除されることがあります。このような編集を行う場合、基本的に議論が行われた場所へのリンクを編集要約に残しますが、たまに省略されることもあります。少なくとも編集者の合意によって削除された場合、再作成すべきではありません。
  • ウィキペディアの掲載基準は「真実ではなく検証可能性」であることです。つまり、追加された内容が信頼できる情報源によって、すでに出版、公表されていることが確認できるかどうかであり、われわれが真実だと思うかどうかは重要ではありません。記事に掲載された情報が奇妙に思えても、信頼できる情報源がある場合、やむを得ない理由がない限り、削除せず、そのままにしておく必要があります。もし、そうした編集の性質が中立的な観点を損なう、ウィキペディアの方針と矛盾すると思われた場合は、ノートで懸念を表明してください。

ウォッチしている記事の変更が上述に当てはまらなければ、それに異議を唱える正当な理由がない限り、そのままにしておきましょう。そうすることで、所有権に関する方針に接触することはなくなります。例えば、あたな自身が執筆した記事の構成を直されたり、あらゆる努力を無に帰すようなことをされているように見える場合、特に何もしない方が良い場合があります。

掲載や削除の合意

ウィキペディアで記事を作成するという共同作業は、異なる観点、異なる情報源、そして異なる記述法と論法を持つ編集者によって行われます。そのような状況の下で中立的な観点を達成するために、編集者は多様な観点と懸念事項に相応の注意を払いながら耳を傾け、評価しながら記事の内容について真剣な議論を積極的に行わなくてはなりません。これがウィキペディア(および他のウィキメディア財団のプロジェクト)における合意の目的です。 —Wikipedia:合意形成、目的より

ウィキペディアにおける合意形成とは、他の編集者とどのように協力するか、ということであり、意思決定の基礎として機能しています。ある記事について幅広く意見を求めて、ある資料を含めるか、除外するか、について一般的な雰囲気や感情がどこにあるのかをより正確に知ることができます。

合意形成の確立は背景を明確にする必要があるという認識から始まります。これらの背景は記事によって違いますが、参戦国や国旗のアイコン、段落、記事で取り上げられた戦況の余波まで、ありとあらゆるものが含まれます。文章の追加、削除、元に戻されることはよくあることで、記事に追加されたものが戻されてしまうため、編集者が執筆から遠ざかってしまうという事態に繋がります。あるシナリオについて合意形成をする必要がわかったら、問題と提案された解決策について議論を開始し、議論に参加している他の編集者に意見を求める必要があります。通常、このような議論は問題の記事のノートで行われますが、過去にはプロジェクト軍事史のノート、注目されないようなカテゴリのノートで議論されたことすらあります。

内容や問題となっている編集を巡る論争の度合いにもよりますが、対処についての合意形成を確立するには、わずかな時間(1週間程度)、長いと1ヶ月以上要することがあります。これらの合意には時間がかかりますが、対処に対する合意を確立することの利点は、それがガイドラインとなって全ての編集者が同じ対処で対応することによって、追加、削除された記事に掲載されるべきか迅速に判断できるようになります。さらにコミュニティと協力し、記事への参考文献の追加や削除に対処するための共通の慣例を確立することで、上で述べた所有権の主張を避けることができます。

POVを考慮した画像の使用

ここでは、Wikipedia:画像利用の方針において触れられていない中立的な観点(単にPOVまたはNPOV)を中心に考えた適切な画像の使い方に関して解説します。

これはよく知られた格言ですが、ウィキペディアの上では、必ずしも正確ではない可能性が高く、特に軍事史の記事においてはその傾向が強いでしょう。当プロジェクト:軍事史の「画像は重要か?」でも解説した通り、ウィキペディアは学術的であることを目指しており、専門家や研究者の意見と業績を重視しています。相対的に新聞などセンセーショナルな報道、ゴシップ誌や娯楽誌など信頼性に欠ける情報源を出典とすることを避けます。

そういった方針の都合上、ウィキペディアでは自由な内容(コンテンツ)を求めるとはいえ、高い評価を得るために画像は必要ではありませんが、画像の重要性は依然として高いままです。編集者が作成できるのであれば、グラフと地図、利用者が物事を視覚での理解を助けるイラストなどは非常に重要です。特に文面的、文学的に重い内容の説明には向いていない情報を要約、視覚化するシーンにおいて画像は特に重宝します。そういった適切に利用されるならば、画像には多くの利点があるのですが、注意しなければならないのは、ウィキペディアで画像を使用する際に避けるべき多くの落とし穴が存在することです。

グラフにおけるPOV

わかりにくいかもしれませんが、マイナスから始まってマイナスで終わる過剰適合を使った悪い例です

これは近年になってSNSなどでも指摘されるようになった政治的、または思想的な統計の意図的な操作です。国会、ドキュメンタリー、マーケティングにおいて永続的な問題であり、意図的に誤った解釈、誤った表現、誤解を招くグラフ (関数)、その他にも図表(統計図表など)がよく使用されます。

よくある例でいうと、政治家は福祉政策に関するさまざまな指標を示すグラフを取り出しては、数字をねじ曲げて選別し、グラフの見た目を歪め、彼らの成功を実際よりも大きく見せる、そのまた逆に、対立者の失敗が極端に大きかったと視聴者に認識させようと情報操作します。一部例外はありますが、ダイエット向け商品を取り扱う通販で使われるマーケティングの図表も似たようなものです。

政府の経済政策でも同様のことが行われます。学術的な一般的な手法は、グラフのy軸を0からではなく、最低点から始めます。しかし、政治家は失業率がある期間中に減少した場合、視聴者には政府の経済政策のおかげで失業率が急速に0.0%に減少したかのように見えることがありますが、実際は7.5%から7.2%に減少しただけということであり、y軸の範囲が[7.2, 7.5]と設定されていたに過ぎないのです。他にもインフレ率が4.1%から4.5%に上昇した場合、野党は[4.1, 4.5]の範囲でグラフを使い、インフレの破滅的なスパイラルを訴える絵を作り出し、選挙運動で利用することがよくあります。

ひどい物になると、x軸y軸の値を表示せず、必要に応じてランダムに上昇、下降する曲線を示すものまであります。言うまでもなく、どの手法であっても露骨に中立的な観点(POV)に対して違反しており、ウィキペディアでは避けなければなりません。

写真のPOV

写真は単体で観点を押し付けるものはありません。ここで重要なのは「適度な重み付け」の逆を行うことです。特に複数の画像と並べ、観点を押し付ける記事が多数あります。これは修正しなければなりません。

軍事史の記事において、これが発生する最も明白な理由は、思想的か感情的な過剰、不均衡な写真の使用です。通常、流血をともなう殺傷やインフラの破壊を描いた写真によって発生します。特に戦争や紛争に関する記事でこれが該当します。中立的な観点(POV)を軍事史に当てはめれば、それぞれの陣営に比例した文章に量を書き出すことが求められており、これは画像にも同様のことです。もし、一方の陣営側による虐殺、殺害、破壊を行ったのでない限り、圧倒的に破壊の写真、一方の陣営だけが戦っている様子の写真などが、これでもかと敷き詰められれば、極めて不適切であり、本来、そういった一方的な戦いというのはそう多くありません。この場合、一方の陣営が中立的な観点に基づく重大な違反となります。

2008年8月15日 UTC頃に始まったイラク戦争に自衛隊を入れたり、消したりの編集合戦(WP:EW

例えば、第一次世界大戦イラク戦争に日本は関与したことは事実です。しかし、主要参戦国だったでしょうか?…日本軍や自衛隊が活動している様子の写真ばかり掲載することは、上記と同じ中立的な観点のなかでも、観点が日本中心(JPOV)となっており、違反していることになります。当プロジェクトの「文的影響力」でも解説していますが、自国を中心とした感情的な画像の使用は控えるべきであり、そういった行為から感情的な議論を引き起こしかねない扇動的な編集であり、百科事典的とは言い難いでしょう。特筆性(WP:N)のある写真を掲載するならば、各陣営の文章量とそれに応じた写真のバランスを考えるべきです。

ウィキペディアは検閲されていませんが、いくつかの種類の画像は観点(POV)の問題で多くの論争を引き起こしているため、避けることを考慮しなければなりません。

芸術的表現におけるPOV

他には記事や説明の文章を入れないがゆえに、POV違反となることがあります。芸術的表現において、対立する陣営の人物が悪役のような醜貌しゅうぼうで描かれたり、国民的英雄の像が神話的な規模に高められることがあります。軍事史というより歴史学の範疇でいうと文化的なトーテムに該当するケツァルコアトルの表現などは、むしろ尊重すべきです。しかし、ベトナムの張定陳興道、皇帝黎利の像などは漫画に出てくるようなヒーローのようで、時代的な背景からしてあり得なかったほど長身で、逆三角形の筋肉質な肉体を持っていたかのように描いています。顔つきも威圧的で権威的を感じさせるものです。

歴史的な人物を描くために使う芸術品な写真や像は、プロパガンダや歴史における側面的な部分を説明する記述を除き、観点を押し付けるような表現を避けて選ぶべきです。同時に政府が他の陣営やその指導者を攻撃するために掲示したプロパガンダの看板やポスターも、他の陣営や指導者を描くためにではなく、そのようなプロパガンダがあったこと、政府の方針や政策そのものを説明するために画像を使用するようにするべきです。可能であれば、情報源を集めて説明の記述を追加します。

軍事史の翻訳

機械翻訳を使った誤訳をしてもエラーメッセージは表示されないので、注意が必要です。

ウィキペディアは異なる言語で展開されていることの利点は、それらが互いの成長を補完し、促進していることです。特定の言語での記事では、あまり取り上げられていないテーマ(主題)もありますが、時おりそのテーマに関して特定の言語にしか記事が存在しないことがあります。しかし、そういった日本語の記事に書かれていないテーマをについて、日本語以外のウィキペディアで様々な資料から作り上げた記事を翻訳することで、利用者に知る機会を与えることができます。これにより、事前調査せずとも記事を作成、または拡充することができ、他言語のウィキペディアが優れた記事を持っている場合にかなり役立ちます。しかし、翻訳の力を活用するには、様々な手法がありながら、避けるべき落とし穴があります。

落とし穴

特定の言語に堪能でない人にとって、軽蔑的なトーンや文化的な参照など、微妙なニュアンスを理解するのは難しいことがあります。さらに日本語に限らず、1つの単語が複数の意味を持つ場合も問題となります。英語版のガイドラインでは、機械翻訳に頼ることしか考えていないなら、基本的に作らない方が良いとされており、英語(SVO型)と日本語(SOV型)の違いについて言及しています。

特に英語と日本語のような文法体系が異なる言語において、機械翻訳は非常に品の低い文章を生成します。ウィキペディアの合意では機械翻訳に依存した記事をそのまま残すことは、翻訳記事が作られていないことより事態を悪化させます。

過剰に直訳

昨年、ベトナムの仏教僧ティック・クアン・ドックに関する秀逸な記事がベトナム語に翻訳されたことを受け、エレン・ハマー(歴史家)は 「西洋人の理解を超えた、深くアジア的な現実に対応する迫害と恐怖の暗いイメージを呼び起こした」と直訳されたと評した[1]。特に「西洋人の理解を超えた」という部分は、ベトナム語では「西洋人が理解できなかった」という表現が適切であるとvi:Thảo luận:Thích Quảng Đứcで言及され、文字通りの「西洋人の理解を超えている」のではなく、より正確にすると「彼らには理解できない」という意味だったのです。

単語の意味

文化的な問題は、言葉遊びという形で現れることがあります。例えば以下のようにです。

: Khí tượng漢越語で気象学を意味しますが、単独ではゾウを意味するベトナム語: Tượngという意味もあります。また、Tượng塑像を意味することもあります。現在、漢越語の単語は主に宗教的な文章、詩、スピーチ、プレゼンテーションなど、形式的な場面で使われることが多いです。現在、一般的にゾウを意味する言葉としてVoiを使われていますが、気象学者が誤った予測をすると、皮肉を込めてKhí voi(テングザル)と呼ばれることがあります。単独で見ると意味は成り立ちませんが、言葉遊びの一種です。これにより、Khí voiは気象学者が未熟であることを嘲笑的に表現しています[2]。ベトナム語に限らず、時にはユーモアを含んだ言葉遊びが数多く存在し、そのような用法に気付けない人は注意が必要です。

複数の意味

同様にいくつかの単語には多くの意味があります。AからBに翻訳する際、単語が多義的な使い道をする場合、機械翻訳は間違った結果を生じることがあります。なぜなら、ABと2つの単語の組み合わせことによって、単純にその2つの意味を足しただけでは異なる意味を持つことがあります。例えば、ベトナム語でwikt:ja:Phápフランス、またはを意味しますが、Google機械翻訳は前者を選びがちです。前提知識がないならば、ベトナムの法 (仏教)とはサンスクリットに由来するダルマダルマ (インド発祥の宗教)#宗教)の意味があることに気づきません。そのため、ベトナム語の文章を機械翻訳させると、Phật Phápvi:Phật)が誤って仏法のフランスなどと翻訳されてしまうことがあります。

以上のことから、機械翻訳に単純に依存するのは危険です。それらを修正する場合、大抵は一から翻訳し直した方が早いからです。一方で、その言語に精通しているならば、機械翻訳を使用しても、人の手入れや辞書と組み合わせることで、大いに時間の短縮に繋がることになります。

原文の引用を保つ

引用の本来の意味を守るためには、翻訳のサイクルを防ぐ必要があります。例えば、言語Eの記事を言語Jに翻訳する場合、言語Eの記事内で掲載されている一部の引用が言語Jの政治家による演説を元にしている場合、元の演説を言語Jから探し出し、翻訳された記事が忠実に引用を再現できるようにすることが望ましいです。翻訳のサイクルとは、最初の言語から2番目の言語に翻訳されたものを、また違う言語に翻訳することで、違う意味、意図が変わりがちです。これはパラフレーズ(言い換え)を導入してしまうことから、少しづつのずれが発生することによって起きます。

例えば、ティック・クアン・ドックがベトナム語版ウィキペディアへと翻訳された際、大元であるベトナム語の資料からベトナム人による様々な引用を参考にし、翻訳元となった英語版の学術的な文章を使用せずに再現されました。前者の方法がより品質の高い選択となります。

著作権と中立性の問題

クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス(CC-BY-SA 4.0)かGNU Free Documentation License(GFDL)に準拠するために、翻訳された記事であることを明確にする必要があります。つまり、記事のテーマや構成が翻訳者によって作成されたものではない、ということです。これを解決する方法として、編集の要約にコメントとして残す必要があります。

必ずしも、ウィキペディアは信頼できる情報源ではないことに注意してください。他の言語版からの翻訳は、日本語版ウィキペディアにとって問題のある内容(コンテンツ)やバランスの欠如を起こす可能性があります。そのため、出典がない情報や信頼性が低い情報については懐疑的に受け取る必要があり、元の記事が偏っていないかを考慮することが重要です。ウィキペディアで複数言語を使う国は一部しか使われていないため、対応するウィキペディアの記事の内容はその国での優勢な見解を反映している可能性が高く、これが民族的または宗教的な偏見を引き起こす原因となることがあり、中立的な観点(POV)違反の危険があることを念頭に置いておくべきでしょう。そういった記事を見つけたら、{{要改訳}}や{{訳語疑問点}}を使って問題の翻訳記事を指摘できます。

ヘルプ

大変かもしれませんが最後までやりましょう。時にリサイクルは環境負荷の軽減になりません。

翻訳の助けを求めるには、どうすれば良いのでしょうか?

プロジェクト軍事史では、プロジェクト参加者に言語学に通じていること表明するよう求めていますが、まだ試験段階にあります。こういった取り組みの利点は、リストに載っている参加者が軍事史に関連した記事に関心を持っていることを宣言しており、同時にプロジェクト外の言語スキルに通じた編集者よりも、平均的な話でいえば熱心に取り組んでもらえる可能性が高いということです。

成果を保証できない手段としては、翻訳したい言語の記事のノート、その言語のウィキプロジェクトのページへ行き、軍事史の編集経験、または言語に堪能な編集者に直接助けを求めることです。しかし、国によっては、関連するウィキプロジェクトが非常に少ないことがあり、特にアジア圏のウィキプロジェクトではこれが顕著であり、日本語版も例に漏れません。このため、一方的な恩恵に享受することを考えることは道理に反し、我々のようなプロジェクト参加者もまた他言語からの問い合わせに対し、Portalへの告知、井戸端での相談など何かしらの反応を示す必要性があるということです。

一般的な記事の翻訳を告知する方法としては、{{Expand English}}、{{Expand Spanish}}、{{Expand Korean}}などを追加することです。これにより、記事の上部にテンプレートが表示され、他の編集者に対して日本語版の記事が他言語記事から拡充可能であることが認知され、テンプレートによっては機械翻訳へのリンクが設置されます。また、{{翻訳告知|翻訳元の言語コード|翻訳元になった他言語のウィキペディア記事名}}の追加などが考えられます。しかし、これらもまた非常に気の長い話になる可能性があり、記事に関心がある人がいなければ時間がかかります。

最終的な手段としては、Wikipedia:翻訳依頼Wikipedia:共同翻訳依頼に依頼を出すことですが、日本語版における翻訳者は貴重であり、依頼は滞りがちです。それ以外にWikipedia:執筆・翻訳者の広場でちょっとした相談にのってもらう方法があります。

関連項目

Engrish: 完全に間違っていたり、恥ずかしい翻訳を生じさせる現象について。Engrishで写真を含む紹介されています(英語版では (en:Chinglishですが、日本語圏では一般的ではなく、近いものではピジン言語があります)

出典

  1. ^ Hammer, Ellen Joy (1987). A Death in November: America in Vietnam, 1963. Dutton. p. 187. ISBN 0525242104 
  2. ^ vi:Thảo luận:Thích Quảng Đức

分割と統合の作業

ウィキペディアに交通管理者はいません

ときに記事の統廃合を行い、整理することはメンテナンスにおいて改名に匹敵するほど重要な作業です。成長の見込みのないスタブは親記事への統合、逆に記事の分量が多すぎるなら、分割を視野に入れるべきでしょう。

英語版en:Wikipedia:Prosesize(文章量)は日本語版では導入されていないため、Shubinator's DYK toolによるスクリプトを自身で追加(日本語版で実装されるとガジェットへ追加される)するか、mw:XTools/jaで調べる必要があります。en:Wikipedia:Article sizeの解説によれば、Prose sizeがHTMLを含めた文章量、Word count がHTMLを除いた単語の量、References sizeが脚注における<ref>などHTMLを含めた出典の全体量です。ただし、これらのHTMLには、ウィキ書式やそのマークアップ、ウィキリンク、画像、blockquoteを始めとする引用、表、注釈、参考文献、外部リンクが含まれません。

先にあげたXTools使って、第二次世界大戦を見てみましょう。 ツール→外部ツール→履歴統計からXToolsへたどり着けます。2025年2月27日 (木) 15:57 UTC時で、822,728バイトとそもそも巨大ですが、中身のほうはバイト: 579,807、文字:199,045、単語数:989、出典: 1,037(?)となっていました。日本語が1字で2バイトを使用するせいか、カウントがおかしいようです。たぶん。

統合分割基準はない

とにかく、慌てないでください。尋常な量ではないので、すでにノートに設置してある{{Section sizes}}が注意喚起になっています。Wikipedia:ページの分割と統合(MN)に明確な規定はなく、日本語版のHelp:ページサイズにも統合や分割の基準はありません。余談ですが、Help:ページサイズが英語版ではガイドラインWikipedia:Article sizeになっています。そこでは、単語数10,000以上で読む平均速度が30から40分かかり、集中力の限界に近いとしています。そのため、単語数15,000以上で確実に分割の必要があり、9,000で加筆の可能性があれば分割、または整理するという規定があります。単語数です。

分割を検討すべきなのかもしれないし、誰かが<ref>を廃してSfnやHarvに置き換える整理を実施したり、誰かがそれ以外の妙案を提案してくれるような気がします。なにより、現在の日本語版は分割の規定にサイズが根拠になっているわけではありません。つまり、このような巨大な記事は公式の方針やガイドライン上、存在しても問題ないということです。理由としてはWikipedia:アクセシビリティに著しく欠ける、といったほうが説得力があるかも知れません。大事なのは、ヘルプでも紹介されているような特別:長いページなどを時おり確認し、自身の手入れ予定リストに入れておくことです。

地図の作成

The Warperというブラウザアプリを使っている様子

地図は軍事史の記事に大きな付加価値を与えます。記事に記載された軍事的な出来事とは、間違いなく地図上で計画されており、同じ形式で簡単に説明、正確に描写することができます。この解説では、軍事関連の地図を描く方法について大まかに記します。

フォーマット

地図は、ベクター画像として描かれるべきです。

これは、地図上の各オブジェクトの座標(x座標とy座標)などの特性をベクター画像と呼ばれるデータなら保存が可能であり、ピクセル画像ではそれが出来ないからです。ベクター画像は、拡大(ズームイン、ピンチイン)、縮小(ズームアウト、ピンチアウト)が可能であり、ピクセル画像はピクセルが拡大や縮小時に解像度が変わると画質が落ちるという特性があります。ベクター画像にそういった欠点はなく、SVG(Scalable Vector Graphics)というファイル形式で保存されます。SVG形式の画像を描くためのツールはいくつか存在します。

すべてのブラウザや画像アプリがSVG画像のレンダリングをサポートしているわけではないため、表示されないこともあります。そうした時はSVG画像はPNG(Portable Network Graphics)形式に自動的に変換されます。PNGはオープンソースのビットマップ画像のファイル形式であり、すべてのブラウザで表示できます。

SVGを圧縮する必要はありませんが、ピクセルを使ったデータではなく、ベクターのデータ自体が圧縮されているため、JPEG(JPG)のようにファイル作成時の圧縮で画素数が失われることはありません。そのため、画像の鮮明さ、明瞭さの損失を最小限に抑えられます。最も重要なのはSVGとPNGは、JPEGやGIFなどのピクセル画像と違い、鮮明さを損なうことなく拡大もできるということです。

SVG(編集用)とPNG(表示用)の両方のバージョンをウィキメディア・コモンズにアップロードすることをお勧めします。

ツール

以下のツールは、SVG機能を提供します。

  • Inkscape[1]:Windows、Mac OS X、Linux用のオープンソース(無料)ツールです。互換性の問題を避けるため、最新バージョンを使用してください。
  • Adobe Illustrator[2]:WindowsおよびMac OS X用の商業品(有料)です。
  • CorelDRAW[3]:Windows用で長年使用されている商業品です。

すでにSodipodiFreehandなど、他のベクター画像プログラムをお持ちであれば有効に活用してください。

ビットマップ画像編集ツールは必要ありませんが、PNG形式のバージョンでリサイズや色深度の調整など、後処理を行いたい場合には便利です。

  • GIMP[4]:Windows、Mac OS X、Linux用のオープンソース(無料)GNU画像編集プログラムです。
  • Adobe Photoshop[5]:WindowsおよびMac OS X用の商業品です。
  • Corel Paint Shop Pro[6]:Windows用の低価格な商業品です。

他のビットマップ画像編集プログラムも利用できます。

推奨フォント

スケーリングに適したフォントはDejaVuフォントの「DejaVu Sans Condensed」です[7][8]

工程

レイヤーの表示を追加する様子(トレビアの戦い

優れた軍事地図(軍用地図)を作成する簡単な方法は、既存の地図のベースから必要な地域のところを使用することです。出典次第では、既存の地図をそのまま著作権の問題なく使用できる場合もあります。または、著作権のある地図を参考に自作で地図を作成する方法もあります。そのためには地図の特徴をトレースする必要があり、それは以下の手順で基本的に可能なことです。

  • 既存の地図を使用してベースのレイヤーを作成する。
  • 次のレイヤーを作成して地形の特徴を記入する。
  • 次のレイヤーにはインフラ(道路など)データを作成する。
  • 最後にレイヤーの川や丘など地理的特徴を作成し、インフラの名前を付ける。

以下、これらを地形レイヤーと記します。地形レイヤーは戦闘や戦線の出来事を示す際に、その地図自体はあまり変更されないため、ロックしておくことが得策です。続いて、この地形レイヤーに記事や出典などを参考に歴史的データ、つまり戦闘の段階ごとのデータを追加します。以下、歴史レイヤーとします。こういった歴史レイヤーは表示するか、しないか、を選べるため、それぞれの戦闘ごとの歴史レイヤーを作成できます。基本的に地形レイヤーはロックしたまま、一番下のベースレイヤーとし、歴史レイヤーを上から重ねることが出来ます。これにより、1つ戦闘の流れに関連するすべての地図データを1つのSVGファイルにまとめることができます。

必要な歴史レイヤーが完成したら、最初の歴史的レイヤーを表示し、このデータをPNGファイルとしてエキスポート、または保存します。次に最初の歴史レイヤーを非表示にして2番目の歴史レイヤーを表示状態に設定して、2番目PNGファイルを作成します。この手順を繰り返すと、戦闘の流れを表す軍事地図がPNG形式のファイルとして完成することになります。これらPNGファイルをウィキメディア・コモンズにアップロードし、そのアップロードした画像を記事内に配置できるようになります。

テンプレート

SVGはオープンソース形式のため、工程を大幅に短縮するテンプレートがたくさん存在します。テンプレートはSVGファイルとしてダウンロードし、選択したベクターグラフィック編集ツールで開くことができます。流れとしては、テンプレートの特徴がオブジェクトやパスとして含まれているため、画像をグループ解除し、その構成要素を分ける必要があります。グループ解除されたオブジェクトは、地形レイヤーや歴史的レイヤーにコピーして貼り付けることができます。また、注釈レイヤー(annotation layers)には(en)という接尾辞(サフィックス)が付いています。地図を異なる言語に翻訳したい場合は、既存の(en)レイヤーの上に新しい注釈レイヤーを作成し、そのレイヤーに翻訳した単語や文章に置き換えます。そうして作った言語レイヤーの表示を切り替えてエキスポート、または保存することで任意の言語で画像が作れます。

軍事地図のPNG形式テンプレート

参考用のテンプレートは以下の通り。

  • 軍事地図のテンプレート:PNG形式(右の画像をクリック)
  • 軍事地図のテンプレート:SVG形式(これは地図に自分のマップを切り貼りするための形式です。サムネイル上の黒いマークは無視してください。画像をクリックし、開くを選択)commons:File:Template of Military Symbols.svg
  • 簡単だが効果的な軍事地図の例:JPEG形式 Scwaben Redoubt: 1916
  • 別の軍事地図の例:PNG形式 Delville Wood: 1916 – 地図をクリックして、JPEGとの違い確認できます。

注意点

サイズ・規模
地図の規模に応じ、テンプレートで提供されている記号(symbol)のサイズを調整する必要があるかもしれません。広大な地図では、記号を大きくする必要があります。一方、狭い範囲の地図では、記号のサイズを小さくする必要があるかもしれません。Inkscapeで記号のサイズ変更するには、記号レイヤー(Symbols layer)を選択し、記号オブジェクトを選択します。F1を押て、矩形選択を使って複数のオブジェクトを選択後、オブジェクト→変形→スケールを使って、地図に適したサイズに変更できます。

地図のソース

  • NASA World Wind[9]の衛星画像やLandsat Global Mosaic(i-3可視層を除く)、Blue Marble、USGSのレイヤーはパブリックドメインに置かれており、著作権の問題に接触せずに使用できます。最も下層の地形レイヤー、または地形レイヤーを描くためにトレースして使用できます。
  • ウィキメディア・コモンズは既存のSVG地図が置いてあります。
  • オープンストリートマップ[10]も地図を探すのに向いており、GPSを使用して作成することが可能です。

関連項目

外部リンク

ウィキワラシ

岩手県の民俗文化倉ぼっこはクラワラシとも。

必ずしも記事への加筆、翻訳、そして、上述した地図の作成といった大掛かりな作業だけがウィキペディアへの貢献とは限りません。

メンテナンスや分割、統合といったトークページやノートで意見を表明しないような、もっと小規模でありながら、建設的な編集を行うウィキペディアンもいます。大抵、専門とする比較的狭い範囲の分野で活動し、必ずしも「これは細部の編集です」とは限りませんが、保存する前に「細部の編集」にチェックを入れること、編集の要約に記入しないことが特徴として挙げられます。

軍事史においてもウィキワラシが行っている作業には、句読点の改善、入力ミス、文法の誤りの修正、リダイレクトの作成、カテゴリの追加、リンク切れの修復など、単調ではあるものの重要な作業です。控えめですが、親しみや帰属意識、あるいは大きな目的を求める気持ちから、「誤字」を引き取って、記事を育てることで、自身の介在をひっそりと築いていきます。そういった目的意識を持っているウィキワラシ達は、時おり入力ミスをしながら、ごく稀に勇気を奮い起こし、友好の証として人前(ノート)に姿を表し、簡潔で率直な意見を述べることがあります。

この手のタイプの編集者は、ウィキペディアの元祖であるWikiWikiWebから存在しており、英語版en:Wikipedia:WikiFauna動物相)では、妖精に例えた「ウィキノーム」や庭師の「ウィキガーデナー」と呼び、日本語版でいう「雑草とり」と相性が良いと言われています[1][2]。日本語版では、「雑草とり」の派生や亜種なのか、明確な定義はありません。

よくある例

  • 出典や参考文献に挙げられた本のISBNを追加します。
  • ノートで言及されたような書籍について調査し、参考文献に加え、出典付けを行います。
  • 「誰かが言った」とされる引用について、その出典や著者を調査します。
  • 関連する用語や情報を、わかりやすく表にまとめます。
  • 曖昧さ回避ページへのリンクを修復します。
  • 記事内にある文章で、リンクを追加したり、カテゴリを追加します。
  • リダイレクト、リダイレクトカテゴリを追加します。
  • 「要出典」のタグが付いている箇所に対して、出典を探して追加します。
  • 文章中で言及されている情報に対して、例や詳細を追加します(例:「遠藤周作は世界的に知られている」という文章に対して、『沈黙』や『深い河』などを追加します)。
  • あいまいな情報を明確にします(例:「2009年新型インフルエンザの世界的流行は40年ぶり」とある場合、「1968年のH3N2亜型(香港インフルエンザ)以来」といった形に置き換えます)。
  • リントエラーを修正します。
  • 新しい編集者に対して役立つアドバイスやガイドラインの案内、歓迎メッセージを投稿したりします。
  • ウィキペディアのポータルやフォーラム(WP:HDなど)において、他の編集者をサポートします。
  • ウィキプロジェクトといった記事名前空間以外のページ、私論、サブページなどを始め、維持、管理するのを手伝います。

外部リンク

  1. ^ WikiGnome on the WikiWikiWeb”. C2.com. 2021年7月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月20日閲覧。
  2. ^ Mader, Stewart (2007). Wikipatterns. Wiley. ISBN 978-0-470-22362-8. オリジナルの2013-05-31時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130531100120/http://www.wikipatterns.com/display/wikipatterns/WikiGnome 2010年4月21日閲覧。 

終わりに

ウィキワラシ達は一種のウィキペディアにおける守護霊です。謙虚で控えめな性格ですが、全てのウィキペディアンがそうであるように、日々の編集が評価されていると伝える必要があることを理解しておくと良いかもしれません。もし、記事の執筆で助けられた人々から感謝すら送られないようなことが続くようだと、夜中にウィキペディアンの布団の上に乗ってしまうかもしれません。しかし、彼らの欲求が大きいものではないため、時おり感謝ボタンや簡単なお礼の言葉をかけるだけで、そのような不幸な出来事を避けることができます。

つまるところ、冒頭でWikipedia:秀逸な記事に到達することが最高の目標で、終わりのない努力が必要だと書きました。質、量ともに最高の百科事典が作れるポテンシャルを持ちながら、ウィキペディアのサーバは寄付で成り立っているため、広告が表示されません。それらは様々な編集者による貢献によって成り立っているということの意識が、ベテランの編集者に限って抜け落ちていることがあります。それは大抵の場合、方針を読まない編集者の対応に疲れ切っているか、議論で疲労を感じるような時かもしれません。ウィキペディアの執筆には読書が必要であり、読書すらしていないような生活になっている時は立ち止まってみることも検討してみましょう。また、Category:ウィキペディアの私論を覗いてみるといいかもしれません。日本語版にはないウィキペディアの哲学や議論の方法に関して、en:Wikipedia:Essay directoryに多数のアドバイスがあります。

Prefix: a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

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