プロジェクト:軍事史/記事の改善
このプロジェクト:軍事史における記事の改善での解説はウィキペディアの公式の方針を理解し、編集に慣れている人向けの備忘録、または回報です。 記事の改善![]() ウィキペディアにおいて記事の改善は終わりのない作業です。どんなによく書かれた記事であっても、どんなに徹底的な調査がなされていても、加筆できる部分や、より良い表現、より信頼できる情報源は常に存在します。ウィキペディアではWikipedia:秀逸な記事に到達することが最高評価の目標とされており、終わりのない努力が求められます。これらの評価基準は、全ての記事の改善に役立つ指標としても機能します。評価の段階はいくつかの基準が存在し、あらかじめ設定された評価に割り当てられます[注釈 1]。記事を改善する際、これらのシステムの基本的な要点と次のステップアップを見据えて、何をしなければならないか理解しておくことが重要です。 そうして評価されることはプロジェクト軍事史の誇りです。 ご存知でしたか?…軍事史の記事で「秀逸な記事」に選出されたものはほとんどありません[注釈 2]。これだけ長い期間をかけて、整理、基準などを議論し、改善に取り組んできた我々のプロジェクトはその程度の段階なのです。そのような評判が、このプロジェクトに参加するメンバーによる記事の改善にふさわしくないということではありません。むしろ、より高い基準を求めて活動しています。秀逸な記事とはウィキペディア全体の割合としてはかなり少なく、その選出は慎重に検討されるため、良質な記事に選出されるような記事をもっと手塩にかけて改善しなければなりません。基本的により高い水準へと引き上げるためには、オフラインでの情報源が必須であり、構成や文面の工夫もまた必要です。こうした目的のため、段階とそれを簡略化した定義、基準を改善する手段を以下に記します。 注釈
スタブの記事スタブの記事とは扱っている内容が百科事典的な定義を提供するに不十分な文章量の記事を指します。多くの場合、数行で構成され、表、画像、出典がありません。外部リンクを基に書かれている場合もあります。これでは記事の価値を高めることが出来ません。スタブは改善が最も簡単な記事です。1つ、2つの段落を追加する、画像、出典を追加すると成長の見込みがあるスタブへと変わります。 スタブの卒業→「Wikipedia:スタイルマニュアル」も参照
成長の見込みがあるスタブは、プロジェクト軍事史において過半数以上を占める大量の記事郡です。通常は導入部、画像、少しの段落、外部リンクによって構成されています。 →「プロジェクト:軍事史/記事の構成(草案)」も参照
スタブを卒業するためには、以下の基準を満たしていることが求められます。
問題が解決されていない記事スタブを外して問題のない記事はスタブを外してください。少なくとも、上述の5点を抑えた記事であれば、スタブを卒業したといって過言ではありません。しかし、ウィキペディアで求められる基準にほぼ達しているが、まだ達していない部分が残っています。構成、文法、出典について、再度、見直しを行い、注釈、出典、参考文献が適切かどうか確認してください。もし、ご自身で解決できる場合は、参考文献を基に改善を行ってください。そうでない場合は、Wikipedia:主要なテンプレート/問題のある記事を使って何が問題として残っているのかを明確にします。 良質な記事に向けてWikipedia:良質な記事で選出されるには4つの最低基準があります。
![]() これらの中で重要なのは3つ目と4つ目です。いずれも他の利用者や編集者から見て、十分に良く書けているという評価がなされなければなりません。特に軍事史に通じた利用者や編集者ばかりではないため、難解な専門用語のオンパレードでは、選出されることはありません。これらが特に難易度の高い部分であり、軍事における基礎的な部分であれば、リンクを貼るだけで説明している記事へ誘導することで解決できますが、関連した記事が作られていない、十分な説明の量のないスタブしかないといった事態も当然あります。そういう時は記事が長くなってしまうことを忍んで、難しいところを噛み砕いて説明するか、関連した記事も併せて執筆することも視野に入れなければなりません。単独で難しい場合、プロジェクトやポータルで協力を呼びかけましょう。 次に重要なのはWikipedia:中立的な観点です。特に研究者や専門家がいかに権威的な発表や定評のある人物であったとしても、その1人による著作だけを参考に記事を執筆しては偏りが発生する可能性があります。複数の参考文献をあげ、個別参照を用いて出典付けを行います。また、そうしたバランスを保った上で、全ての段落に出典付けを行い、内容が確かであることを証明しなければ、査読される記事として不完全という扱いになるかもしれません。 以上のようにスタブの卒業であげた5つのポイントをより厳格に取り組む必要があり、一見難しいことを言っているように聞こえるかもしれませんが、これらはWikipedia:方針とガイドラインに過ぎません。Wikipedia:中立的な観点、Wikipedia:検証可能性、Wikipedia:独自研究は載せない、この3つを重点的に読み、理解する必要があります。同時に、方針とガイドラインを正しく理解したプロジェクトのメンバーがそろわなければ、良質な記事の基準に掲載されたプロジェクト独自の基準というものは到底作れるものではありません。[注釈 1]。 注釈
秀逸な記事に向けて
![]() Wikipedia:秀逸な記事において注意を要するのは最後の一文です。全てを満たす必要があるということです。良質な記事に選出された記事であれば、概ね上記の条件を満たしている部分もあるでしょう。しかし、図や画像の適切な使用といった部分が落とし穴であったり、テーマ(主題)を厳格に調査することに専念するあまり、関連事項、関連した資料まで調査が行き届いていない可能性もあります。 例示として第二次世界大戦をあげましょう。2006年8月に選考へ提出後、不通過でした。2006年12月に再選考、不通過でした。2007年3月に月間強化記事賞で良質な記事に選出されましたが、2011年7月の良質な記事再選考で除外されています。この場合、他の編集者によって評価を落とす要素が入り込む余地があったため、致し方ない部分もあります。同時に我々に対して、継続的なメンテナンスが必要かつ重要であるということを証明しています。 メンテナンス
→「Wikipedia:雑草とり」も参照
ウィキペディアへの投稿を続けていくと、自分の得意分野や興味を持つことを発見している可能性があります。知識が深まり、得意分野の記事に関して、正確で最新の状態を保つために積極的に役割を果たすようになると、やがて特定の記事を重点的にウォッチして監視するようになる可能性があります(そのような決めつけは、全ての利用者や記事に当てはまるを言っていません)。1つ以上の記事を維持するには長期的な取り組みが必要です。内容が十分な情報源と出典を保ち、荒らしや過激な理論の展開、編集合戦、その他の有害な編集がないか確認するのに、閲覧数が多い記事では1日に1回以上の定期的なアクセスを必要とします。 記事のメンテナンスはウィキペディアにとって良いことです。単純に単一の記事に限らず、メンテナンスを好んでやるような編集者は軍事史に関連した記事の執筆や編集の仕方、使用した数々の情報源の両面において、すごく精通しているからです。しかし、過剰な行き過ぎたメンテナンスは問題を引き起こすというマイナス面もあります。最悪の場合、ウィキペディアからブロックされるかもしれません。記事のメンテナンスと所有欲の境界線はどこにあるのか、また、自分以外の編集者がそういった記事にいかに貢献できるか、どうすれば自身の心のバランスを取れるのかを理解することです。 所有権
→詳細は「Wikipedia:記事の所有権」を参照
![]() 最初に所有権について理解しておくべきことは、このウィキペディアの誰も「所有」していないということです。これについてはWikipedia:記事の所有権で解説されているので省略します。簡単に言えば、他の編集者による編集を受け入れ、それが善意に基づく試みの結果と見なすのです。もし、新しく追加された文章の変更や削除、消された文章の復活といった編集へ移る前に以下の点を考慮してください。
ウォッチしている記事の変更が上述に当てはまらなければ、それに異議を唱える正当な理由がない限り、そのままにしておきましょう。そうすることで、所有権に関する方針に接触することはなくなります。例えば、あたな自身が執筆した記事の構成を直されたり、あらゆる努力を無に帰すようなことをされているように見える場合、特に何もしない方が良い場合があります。 掲載や削除の合意
→詳細は「Wikipedia:合意形成」を参照
ウィキペディアにおける合意形成とは、他の編集者とどのように協力するか、ということであり、意思決定の基礎として機能しています。ある記事について幅広く意見を求めて、ある資料を含めるか、除外するか、について一般的な雰囲気や感情がどこにあるのかをより正確に知ることができます。 合意形成の確立は背景を明確にする必要があるという認識から始まります。これらの背景は記事によって違いますが、参戦国や国旗のアイコン、段落、記事で取り上げられた戦況の余波まで、ありとあらゆるものが含まれます。文章の追加、削除、元に戻されることはよくあることで、記事に追加されたものが戻されてしまうため、編集者が執筆から遠ざかってしまうという事態に繋がります。あるシナリオについて合意形成をする必要がわかったら、問題と提案された解決策について議論を開始し、議論に参加している他の編集者に意見を求める必要があります。通常、このような議論は問題の記事のノートで行われますが、過去にはプロジェクト軍事史のノート、注目されないようなカテゴリのノートで議論されたことすらあります。 内容や問題となっている編集を巡る論争の度合いにもよりますが、対処についての合意形成を確立するには、わずかな時間(1週間程度)、長いと1ヶ月以上要することがあります。これらの合意には時間がかかりますが、対処に対する合意を確立することの利点は、それがガイドラインとなって全ての編集者が同じ対処で対応することによって、追加、削除された記事に掲載されるべきか迅速に判断できるようになります。さらにコミュニティと協力し、記事への参考文献の追加や削除に対処するための共通の慣例を確立することで、上で述べた所有権の主張を避けることができます。 POVを考慮した画像の使用
→詳細は「Wikipedia:中立的な観点」を参照
ここでは、Wikipedia:画像利用の方針において触れられていない中立的な観点(単にPOVまたはNPOV)を中心に考えた適切な画像の使い方に関して解説します。 これはよく知られた格言ですが、ウィキペディアの上では、必ずしも正確ではない可能性が高く、特に軍事史の記事においてはその傾向が強いでしょう。当プロジェクト:軍事史の「画像は重要か?」でも解説した通り、ウィキペディアは学術的であることを目指しており、専門家や研究者の意見と業績を重視しています。相対的に新聞などセンセーショナルな報道、ゴシップ誌や娯楽誌など信頼性に欠ける情報源を出典とすることを避けます。 →「データ可視化」も参照
そういった方針の都合上、ウィキペディアでは自由な内容(コンテンツ)を求めるとはいえ、高い評価を得るために画像は必要ではありませんが、画像の重要性は依然として高いままです。編集者が作成できるのであれば、グラフと地図、利用者が物事を視覚での理解を助けるイラストなどは非常に重要です。特に文面的、文学的に重い内容の説明には向いていない情報を要約、視覚化するシーンにおいて画像は特に重宝します。そういった適切に利用されるならば、画像には多くの利点があるのですが、注意しなければならないのは、ウィキペディアで画像を使用する際に避けるべき多くの落とし穴が存在することです。 グラフにおけるPOV![]() →「誤解を与える統計グラフ」も参照
これは近年になってSNSなどでも指摘されるようになった政治的、または思想的な統計の意図的な操作です。国会、ドキュメンタリー、マーケティングにおいて永続的な問題であり、意図的に誤った解釈、誤った表現、誤解を招くグラフ (関数)、その他にも図表(統計図表など)がよく使用されます。 よくある例でいうと、政治家は福祉政策に関するさまざまな指標を示すグラフを取り出しては、数字をねじ曲げて選別し、グラフの見た目を歪め、彼らの成功を実際よりも大きく見せる、そのまた逆に、対立者の失敗が極端に大きかったと視聴者に認識させようと情報操作します。一部例外はありますが、ダイエット向け商品を取り扱う通販で使われるマーケティングの図表も似たようなものです。 政府の経済政策でも同様のことが行われます。学術的な一般的な手法は、グラフのy軸を0からではなく、最低点から始めます。しかし、政治家は失業率がある期間中に減少した場合、視聴者には政府の経済政策のおかげで失業率が急速に0.0%に減少したかのように見えることがありますが、実際は7.5%から7.2%に減少しただけということであり、y軸の範囲が[7.2, 7.5]と設定されていたに過ぎないのです。他にもインフレ率が4.1%から4.5%に上昇した場合、野党は[4.1, 4.5]の範囲でグラフを使い、インフレの破滅的なスパイラルを訴える絵を作り出し、選挙運動で利用することがよくあります。 ひどい物になると、x軸y軸の値を表示せず、必要に応じてランダムに上昇、下降する曲線を示すものまであります。言うまでもなく、どの手法であっても露骨に中立的な観点(POV)に対して違反しており、ウィキペディアでは避けなければなりません。 写真のPOV写真は単体で観点を押し付けるものはありません。ここで重要なのは「適度な重み付け」の逆を行うことです。特に複数の画像と並べ、観点を押し付ける記事が多数あります。これは修正しなければなりません。 軍事史の記事において、これが発生する最も明白な理由は、思想的か感情的な過剰、不均衡な写真の使用です。通常、流血をともなう殺傷やインフラの破壊を描いた写真によって発生します。特に戦争や紛争に関する記事でこれが該当します。中立的な観点(POV)を軍事史に当てはめれば、それぞれの陣営に比例した文章に量を書き出すことが求められており、これは画像にも同様のことです。もし、一方の陣営側による虐殺、殺害、破壊を行ったのでない限り、圧倒的に破壊の写真、一方の陣営だけが戦っている様子の写真などが、これでもかと敷き詰められれば、極めて不適切であり、本来、そういった一方的な戦いというのはそう多くありません。この場合、一方の陣営が中立的な観点に基づく重大な違反となります。 →「Wikipedia:日本中心にならないように」も参照
例えば、第一次世界大戦やイラク戦争に日本は関与したことは事実です。しかし、主要参戦国だったでしょうか?…日本軍や自衛隊が活動している様子の写真ばかり掲載することは、上記と同じ中立的な観点のなかでも、観点が日本中心(JPOV)となっており、違反していることになります。当プロジェクトの「文的影響力」でも解説していますが、自国を中心とした感情的な画像の使用は控えるべきであり、そういった行為から感情的な議論を引き起こしかねない扇動的な編集であり、百科事典的とは言い難いでしょう。特筆性(WP:N)のある写真を掲載するならば、各陣営の文章量とそれに応じた写真のバランスを考えるべきです。 ウィキペディアは検閲されていませんが、いくつかの種類の画像は観点(POV)の問題で多くの論争を引き起こしているため、避けることを考慮しなければなりません。 芸術的表現におけるPOV→「Wikipedia:百科事典向け写真撮影のガイド」も参照
他には記事や説明の文章を入れないがゆえに、POV違反となることがあります。芸術的表現において、対立する陣営の人物が悪役のような 歴史的な人物を描くために使う芸術品な写真や像は、プロパガンダや歴史における側面的な部分を説明する記述を除き、観点を押し付けるような表現を避けて選ぶべきです。同時に政府が他の陣営やその指導者を攻撃するために掲示したプロパガンダの看板やポスターも、他の陣営や指導者を描くためにではなく、そのようなプロパガンダがあったこと、政府の方針や政策そのものを説明するために画像を使用するようにするべきです。可能であれば、情報源を集めて説明の記述を追加します。 軍事史の翻訳
![]() →詳細は「Wikipedia:翻訳のガイドライン」を参照
ウィキペディアは異なる言語で展開されていることの利点は、それらが互いの成長を補完し、促進していることです。特定の言語での記事では、あまり取り上げられていないテーマ(主題)もありますが、時おりそのテーマに関して特定の言語にしか記事が存在しないことがあります。しかし、そういった日本語の記事に書かれていないテーマをについて、日本語以外のウィキペディアで様々な資料から作り上げた記事を翻訳することで、利用者に知る機会を与えることができます。これにより、事前調査せずとも記事を作成、または拡充することができ、他言語のウィキペディアが優れた記事を持っている場合にかなり役立ちます。しかし、翻訳の力を活用するには、様々な手法がありながら、避けるべき落とし穴があります。 落とし穴特定の言語に堪能でない人にとって、軽蔑的なトーンや文化的な参照など、微妙なニュアンスを理解するのは難しいことがあります。さらに日本語に限らず、1つの単語が複数の意味を持つ場合も問題となります。英語版のガイドラインでは、機械翻訳に頼ることしか考えていないなら、基本的に作らない方が良いとされており、英語(SVO型)と日本語(SOV型)の違いについて言及しています。
過剰に直訳昨年、ベトナムの仏教僧ティック・クアン・ドックに関する秀逸な記事がベトナム語に翻訳されたことを受け、エレン・ハマー(歴史家)は 「西洋人の理解を超えた、深くアジア的な現実に対応する迫害と恐怖の暗いイメージを呼び起こした」と直訳されたと評した[1]。特に「西洋人の理解を超えた」という部分は、ベトナム語では「西洋人が理解できなかった」という表現が適切であるとvi:Thảo luận:Thích Quảng Đứcで言及され、文字通りの「西洋人の理解を超えている」のではなく、より正確にすると「彼らには理解できない」という意味だったのです。 単語の意味→「語呂合わせ」も参照
文化的な問題は、言葉遊びという形で現れることがあります。例えば以下のようにです。 越: Khí tượngは漢越語で気象学を意味しますが、単独ではゾウを意味するベトナム語: Tượngという意味もあります。また、Tượngは塑像を意味することもあります。現在、漢越語の単語は主に宗教的な文章、詩、スピーチ、プレゼンテーションなど、形式的な場面で使われることが多いです。現在、一般的にゾウを意味する言葉としてVoiを使われていますが、気象学者が誤った予測をすると、皮肉を込めてKhí voi(テングザル)と呼ばれることがあります。単独で見ると意味は成り立ちませんが、言葉遊びの一種です。これにより、Khí voiは気象学者が未熟であることを嘲笑的に表現しています[2]。ベトナム語に限らず、時にはユーモアを含んだ言葉遊びが数多く存在し、そのような用法に気付けない人は注意が必要です。 複数の意味→「同音異義語」も参照
同様にいくつかの単語には多くの意味があります。AからBに翻訳する際、単語が多義的な使い道をする場合、機械翻訳は間違った結果を生じることがあります。なぜなら、ABと2つの単語の組み合わせことによって、単純にその2つの意味を足しただけでは異なる意味を持つことがあります。例えば、ベトナム語でwikt:ja:Phápはフランス、または法を意味しますが、Google機械翻訳は前者を選びがちです。前提知識がないならば、ベトナムの法 (仏教)とはサンスクリットに由来するダルマ(ダルマ (インド発祥の宗教)#宗教)の意味があることに気づきません。そのため、ベトナム語の文章を機械翻訳させると、Phật Pháp(vi:Phật)が誤って仏法のフランスなどと翻訳されてしまうことがあります。 以上のことから、機械翻訳に単純に依存するのは危険です。それらを修正する場合、大抵は一から翻訳し直した方が早いからです。一方で、その言語に精通しているならば、機械翻訳を使用しても、人の手入れや辞書と組み合わせることで、大いに時間の短縮に繋がることになります。 原文の引用を保つ→「原文」も参照
引用の本来の意味を守るためには、翻訳のサイクルを防ぐ必要があります。例えば、言語Eの記事を言語Jに翻訳する場合、言語Eの記事内で掲載されている一部の引用が言語Jの政治家による演説を元にしている場合、元の演説を言語Jから探し出し、翻訳された記事が忠実に引用を再現できるようにすることが望ましいです。翻訳のサイクルとは、最初の言語から2番目の言語に翻訳されたものを、また違う言語に翻訳することで、違う意味、意図が変わりがちです。これはパラフレーズ(言い換え)を導入してしまうことから、少しづつのずれが発生することによって起きます。 例えば、ティック・クアン・ドックがベトナム語版ウィキペディアへと翻訳された際、大元であるベトナム語の資料からベトナム人による様々な引用を参考にし、翻訳元となった英語版の学術的な文章を使用せずに再現されました。前者の方法がより品質の高い選択となります。 著作権と中立性の問題→詳細は「Wikipedia:ウィキペディア内でのコピー」を参照
クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0 国際 パブリック・ライセンス(CC-BY-SA 4.0)かGNU Free Documentation License(GFDL)に準拠するために、翻訳された記事であることを明確にする必要があります。つまり、記事のテーマや構成が翻訳者によって作成されたものではない、ということです。これを解決する方法として、編集の要約にコメントとして残す必要があります。 必ずしも、ウィキペディアは信頼できる情報源ではないことに注意してください。他の言語版からの翻訳は、日本語版ウィキペディアにとって問題のある内容(コンテンツ)やバランスの欠如を起こす可能性があります。そのため、出典がない情報や信頼性が低い情報については懐疑的に受け取る必要があり、元の記事が偏っていないかを考慮することが重要です。ウィキペディアで複数言語を使う国は一部しか使われていないため、対応するウィキペディアの記事の内容はその国での優勢な見解を反映している可能性が高く、これが民族的または宗教的な偏見を引き起こす原因となることがあり、中立的な観点(POV)違反の危険があることを念頭に置いておくべきでしょう。そういった記事を見つけたら、{{要改訳}}や{{訳語疑問点}}を使って問題の翻訳記事を指摘できます。 ヘルプ![]() 翻訳の助けを求めるには、どうすれば良いのでしょうか? プロジェクト軍事史では、プロジェクト参加者に言語学に通じていること表明するよう求めていますが、まだ試験段階にあります。こういった取り組みの利点は、リストに載っている参加者が軍事史に関連した記事に関心を持っていることを宣言しており、同時にプロジェクト外の言語スキルに通じた編集者よりも、平均的な話でいえば熱心に取り組んでもらえる可能性が高いということです。 成果を保証できない手段としては、翻訳したい言語の記事のノート、その言語のウィキプロジェクトのページへ行き、軍事史の編集経験、または言語に堪能な編集者に直接助けを求めることです。しかし、国によっては、関連するウィキプロジェクトが非常に少ないことがあり、特にアジア圏のウィキプロジェクトではこれが顕著であり、日本語版も例に漏れません。このため、一方的な恩恵に享受することを考えることは道理に反し、我々のようなプロジェクト参加者もまた他言語からの問い合わせに対し、Portalへの告知、井戸端での相談など何かしらの反応を示す必要性があるということです。 一般的な記事の翻訳を告知する方法としては、{{Expand English}}、{{Expand Spanish}}、{{Expand Korean}}などを追加することです。これにより、記事の上部にテンプレートが表示され、他の編集者に対して日本語版の記事が他言語記事から拡充可能であることが認知され、テンプレートによっては機械翻訳へのリンクが設置されます。また、{{翻訳告知|翻訳元の言語コード|翻訳元になった他言語のウィキペディア記事名}}の追加などが考えられます。しかし、これらもまた非常に気の長い話になる可能性があり、記事に関心がある人がいなければ時間がかかります。 最終的な手段としては、Wikipedia:翻訳依頼やWikipedia:共同翻訳依頼に依頼を出すことですが、日本語版における翻訳者は貴重であり、依頼は滞りがちです。それ以外にWikipedia:執筆・翻訳者の広場でちょっとした相談にのってもらう方法があります。 関連項目Engrish: 完全に間違っていたり、恥ずかしい翻訳を生じさせる現象について。Engrishで写真を含む紹介されています(英語版では (en:Chinglish) ですが、日本語圏では一般的ではなく、近いものではピジン言語があります) 出典
分割と統合の作業![]() →詳細は「Wikipedia:ページの分割と統合」を参照
→「Wikipedia:ページの改名」も参照
ときに記事の統廃合を行い、整理することはメンテナンスにおいて改名に匹敵するほど重要な作業です。成長の見込みのないスタブは親記事への統合、逆に記事の分量が多すぎるなら、分割を視野に入れるべきでしょう。 英語版en:Wikipedia:Prosesize(文章量)は日本語版では導入されていないため、Shubinator's DYK toolによるスクリプトを自身で追加(日本語版で実装されるとガジェットへ追加される)するか、mw:XTools/jaで調べる必要があります。en:Wikipedia:Article sizeの解説によれば、Prose sizeがHTMLを含めた文章量、Word count がHTMLを除いた単語の量、References sizeが脚注における<ref>などHTMLを含めた出典の全体量です。ただし、これらのHTMLには、ウィキ書式やそのマークアップ、ウィキリンク、画像、blockquoteを始めとする引用、表、注釈、参考文献、外部リンクが含まれません。 先にあげたXTools使って、第二次世界大戦を見てみましょう。 ツール→外部ツール→履歴統計からXToolsへたどり着けます。2025年2月27日 (木) 15:57 UTC時で、822,728バイトとそもそも巨大ですが、中身のほうはバイト: 579,807、文字:199,045、単語数:989、出典: 1,037(?)となっていました。日本語が1字で2バイトを使用するせいか、カウントがおかしいようです。たぶん。 統合分割基準はないとにかく、慌てないでください。尋常な量ではないので、すでにノートに設置してある{{Section sizes}}が注意喚起になっています。Wikipedia:ページの分割と統合(MN)に明確な規定はなく、日本語版のHelp:ページサイズにも統合や分割の基準はありません。余談ですが、Help:ページサイズが英語版ではガイドラインWikipedia:Article sizeになっています。そこでは、単語数10,000以上で読む平均速度が30から40分かかり、集中力の限界に近いとしています。そのため、単語数15,000以上で確実に分割の必要があり、9,000で加筆の可能性があれば分割、または整理するという規定があります。単語数です。 分割を検討すべきなのかもしれないし、誰かが<ref>を廃してSfnやHarvに置き換える整理を実施したり、誰かがそれ以外の妙案を提案してくれるような気がします。なにより、現在の日本語版は分割の規定にサイズが根拠になっているわけではありません。つまり、このような巨大な記事は公式の方針やガイドライン上、存在しても問題ないということです。理由としてはWikipedia:アクセシビリティに著しく欠ける、といったほうが説得力があるかも知れません。大事なのは、ヘルプでも紹介されているような特別:長いページなどを時おり確認し、自身の手入れ予定リストに入れておくことです。 地図の作成
![]() →詳細は「Commons:方針とガイドライン」を参照
→「Help:画像などのファイルのアップロードと利用」も参照
地図は軍事史の記事に大きな付加価値を与えます。記事に記載された軍事的な出来事とは、間違いなく地図上で計画されており、同じ形式で簡単に説明、正確に描写することができます。この解説では、軍事関連の地図を描く方法について大まかに記します。 フォーマット地図は、ベクター画像として描かれるべきです。 これは、地図上の各オブジェクトの座標(x座標とy座標)などの特性をベクター画像と呼ばれるデータなら保存が可能であり、ピクセル画像ではそれが出来ないからです。ベクター画像は、拡大(ズームイン、ピンチイン)、縮小(ズームアウト、ピンチアウト)が可能であり、ピクセル画像はピクセルが拡大や縮小時に解像度が変わると画質が落ちるという特性があります。ベクター画像にそういった欠点はなく、SVG(Scalable Vector Graphics)というファイル形式で保存されます。SVG形式の画像を描くためのツールはいくつか存在します。 すべてのブラウザや画像アプリがSVG画像のレンダリングをサポートしているわけではないため、表示されないこともあります。そうした時はSVG画像はPNG(Portable Network Graphics)形式に自動的に変換されます。PNGはオープンソースのビットマップ画像のファイル形式であり、すべてのブラウザで表示できます。 SVGを圧縮する必要はありませんが、ピクセルを使ったデータではなく、ベクターのデータ自体が圧縮されているため、JPEG(JPG)のようにファイル作成時の圧縮で画素数が失われることはありません。そのため、画像の鮮明さ、明瞭さの損失を最小限に抑えられます。最も重要なのはSVGとPNGは、JPEGやGIFなどのピクセル画像と違い、鮮明さを損なうことなく拡大もできるということです。 SVG(編集用)とPNG(表示用)の両方のバージョンをウィキメディア・コモンズにアップロードすることをお勧めします。 ツール以下のツールは、SVG機能を提供します。
すでにSodipodiやFreehandなど、他のベクター画像プログラムをお持ちであれば有効に活用してください。 ビットマップ画像編集ツールは必要ありませんが、PNG形式のバージョンでリサイズや色深度の調整など、後処理を行いたい場合には便利です。
他のビットマップ画像編集プログラムも利用できます。 推奨フォントスケーリングに適したフォントはDejaVuフォントの「DejaVu Sans Condensed」です[7][8]。 工程![]() 優れた軍事地図(軍用地図)を作成する簡単な方法は、既存の地図のベースから必要な地域のところを使用することです。出典次第では、既存の地図をそのまま著作権の問題なく使用できる場合もあります。または、著作権のある地図を参考に自作で地図を作成する方法もあります。そのためには地図の特徴をトレースする必要があり、それは以下の手順で基本的に可能なことです。
以下、これらを地形レイヤーと記します。地形レイヤーは戦闘や戦線の出来事を示す際に、その地図自体はあまり変更されないため、ロックしておくことが得策です。続いて、この地形レイヤーに記事や出典などを参考に歴史的データ、つまり戦闘の段階ごとのデータを追加します。以下、歴史レイヤーとします。こういった歴史レイヤーは表示するか、しないか、を選べるため、それぞれの戦闘ごとの歴史レイヤーを作成できます。基本的に地形レイヤーはロックしたまま、一番下のベースレイヤーとし、歴史レイヤーを上から重ねることが出来ます。これにより、1つ戦闘の流れに関連するすべての地図データを1つのSVGファイルにまとめることができます。 必要な歴史レイヤーが完成したら、最初の歴史的レイヤーを表示し、このデータをPNGファイルとしてエキスポート、または保存します。次に最初の歴史レイヤーを非表示にして2番目の歴史レイヤーを表示状態に設定して、2番目PNGファイルを作成します。この手順を繰り返すと、戦闘の流れを表す軍事地図がPNG形式のファイルとして完成することになります。これらPNGファイルをウィキメディア・コモンズにアップロードし、そのアップロードした画像を記事内に配置できるようになります。 テンプレートSVGはオープンソース形式のため、工程を大幅に短縮するテンプレートがたくさん存在します。テンプレートはSVGファイルとしてダウンロードし、選択したベクターグラフィック編集ツールで開くことができます。流れとしては、テンプレートの特徴がオブジェクトやパスとして含まれているため、画像をグループ解除し、その構成要素を分ける必要があります。グループ解除されたオブジェクトは、地形レイヤーや歴史的レイヤーにコピーして貼り付けることができます。また、注釈レイヤー(annotation layers)には(en)という接尾辞(サフィックス)が付いています。地図を異なる言語に翻訳したい場合は、既存の(en)レイヤーの上に新しい注釈レイヤーを作成し、そのレイヤーに翻訳した単語や文章に置き換えます。そうして作った言語レイヤーの表示を切り替えてエキスポート、または保存することで任意の言語で画像が作れます。 ![]() 参考用のテンプレートは以下の通り。
注意点
地図のソース
関連項目
外部リンク
ウィキワラシ→「en:Wikipedia:WikiGnome」および「座敷童子」も参照
必ずしも記事への加筆、翻訳、そして、上述した地図の作成といった大掛かりな作業だけがウィキペディアへの貢献とは限りません。 メンテナンスや分割、統合といったトークページやノートで意見を表明しないような、もっと小規模でありながら、建設的な編集を行うウィキペディアンもいます。大抵、専門とする比較的狭い範囲の分野で活動し、必ずしも「これは細部の編集です」とは限りませんが、保存する前に「細部の編集」にチェックを入れること、編集の要約に記入しないことが特徴として挙げられます。 軍事史においてもウィキワラシが行っている作業には、句読点の改善、入力ミス、文法の誤りの修正、リダイレクトの作成、カテゴリの追加、リンク切れの修復など、単調ではあるものの重要な作業です。控えめですが、親しみや帰属意識、あるいは大きな目的を求める気持ちから、「誤字」を引き取って、記事を育てることで、自身の介在をひっそりと築いていきます。そういった目的意識を持っているウィキワラシ達は、時おり入力ミスをしながら、ごく稀に勇気を奮い起こし、友好の証として人前(ノート)に姿を表し、簡潔で率直な意見を述べることがあります。 この手のタイプの編集者は、ウィキペディアの元祖であるWikiWikiWebから存在しており、英語版en:Wikipedia:WikiFauna(動物相)では、妖精に例えた「ウィキノーム」や庭師の「ウィキガーデナー」と呼び、日本語版でいう「雑草とり」と相性が良いと言われています[1][2]。日本語版では、「雑草とり」の派生や亜種なのか、明確な定義はありません。 よくある例
外部リンク
終わりにウィキワラシ達は一種のウィキペディアにおける守護霊です。謙虚で控えめな性格ですが、全てのウィキペディアンがそうであるように、日々の編集が評価されていると伝える必要があることを理解しておくと良いかもしれません。もし、記事の執筆で助けられた人々から感謝すら送られないようなことが続くようだと、夜中にウィキペディアンの布団の上に乗ってしまうかもしれません。しかし、彼らの欲求が大きいものではないため、時おり感謝ボタンや簡単なお礼の言葉をかけるだけで、そのような不幸な出来事を避けることができます。 つまるところ、冒頭でWikipedia:秀逸な記事に到達することが最高の目標で、終わりのない努力が必要だと書きました。質、量ともに最高の百科事典が作れるポテンシャルを持ちながら、ウィキペディアのサーバは寄付で成り立っているため、広告が表示されません。それらは様々な編集者による貢献によって成り立っているということの意識が、ベテランの編集者に限って抜け落ちていることがあります。それは大抵の場合、方針を読まない編集者の対応に疲れ切っているか、議論で疲労を感じるような時かもしれません。ウィキペディアの執筆には読書が必要であり、読書すらしていないような生活になっている時は立ち止まってみることも検討してみましょう。また、Category:ウィキペディアの私論を覗いてみるといいかもしれません。日本語版にはないウィキペディアの哲学や議論の方法に関して、en:Wikipedia:Essay directoryに多数のアドバイスがあります。 ←:前へ戻る
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