プロペラヘッド・ソフトウェア (Propellerhead Software AB )は、コンピュータミュージック 用ソフトウェアの開発を主な事業とする、スウェーデン のソフトウェア開発 企業である。
概要
1994年創業、本社はスウェーデン・ストックホルム に所在。創業者はCEO のErnst Nathorst-Böös、開発者のMarcus ZetterquistとPeter Jubelの3人。MarcusとPeterはクラビア 社『Nord Lead 』の開発者でもあり、またMarcusはクラビア社『ddrum』とスタインバーグ 社『Cubase 』の開発者でもあった。
当初より音楽制作ソフトウェアの開発に注力しており、1994年にブレイクビーツ 作成用ツール『ReCycle! 』、1997年にローランド TB-303 /TR-808 /TR-909 を模したソフトウェアシンセサイザ 『ReBirth RB-338 』、2000年にスタジオラックを模した統合型ソフトウェアシンセサイザ『Reason 』、2009年にレコーディングソフトウェア『Record 』、2012年にiOS 用作曲アプリ『Figure 』、2013年にiOS用音源アプリ『Thor for iPad 』を発表するほか、『Reason』・『Record』向けのライブラリ製品も制作している。2011年には同社初のハードウェア製品である、オーディオインターフェース『Balance』を発表した。
日本では2004年まではカメオインタラクティブ (メガフュージョン)、2004年〜2010年まではMI7 Japan、2011年以降はコルグ KID(KORG Import Division)が正規代理店を務めている。
主な受賞は米TEC Awards (英語版 ) 2002(Reason)、独mipa award (ドイツ語版 ) 2003(Reason)、英MIA Awards 2011(Reason)、独iFデザイン賞 Gold Award 2012(Balance、設計:No Picnic)、独レッド・ドット・デザイン賞 best of the best 2012(Balance、設計:No Picnic)など。
主な製品
ソフトウェア製品
ReCycle!
Reason
Figure
Thor for iPad
ReBirth RB-338 (2005年に開発終了、無償配布)
Record (2011年に開発終了、『Reason』に吸収)
Reason用拡張(Rack Extension)製品
Polar(2012年)
Pulsar(2012年)
Radical Piano(2012年)
Radical Keys(2012年)
PX-7 FM Synthesizer(2012年)
Rotor(2013年)
Audiomatic Retro Transformer(2013年、『Reason』v7以降は付属)
Parsec Spectral Synthesizer(2013年)
Synchronous(2014年)
A-List Acoustic Guitarist(2014年)
Reason用ライブラリ(ReFill)製品
パッケージ
Strings(2001年)
Reason Drum Kits(2004年)
Reason Drum Kits 2(2005年)
Reason Pianos(2006年)
Abbey Road Keyboards(2007年)
Reason Electric Bass(2008年)
ダウンロード
Creator Series - Salazar Brothers Reggaeton(2007年)
Creator Series - Jason McGerr Sessions(2007年)
Creator Series - Pascal Gabriel's Melophobia Machine(2008年)
Creator Series - Ryan Greene Alt Drums I〜III(2012年)
Reason Soul School(2009年)
Reason Soul School 2(2012年)
Record Drum Takes 1〜5(2010年)
Record Drum Takes 6〜7(2011年)
Reason Disco School(2011年)
ダウンロード(特典として無償のもの)
Electromechanical(2004年、『Reason』v2.5以降ユーザ特典)
Electromechanical 2(2005年、『Reason』v3以降ユーザ特典)
The ReBirth RB-338 ReFill(2005年、『Reason』v3以降ユーザ特典)
RDK Vintage Mono(2006年、『Reason Drum Kits 2』ユーザ特典)
Moog Foundation ReFill(2008年、『Reason』v4以降ユーザ特典、ボブ・モーグ 記念財団へのドネーションウェア )
Dr. Octo Rex Guitar Collection(2010年、『Reason』v5以降ユーザ特典)
ハードウェア製品
主な技術
ReWire
アプリケーション間でオーディオとMIDI および同期情報をやりとりする技術。当初は『ReBirth RB-338』とスタインバーグ 社の『Cubase VST 』の連携を目的に開発されたが、現在では多くの音楽制作ソフトウェアで採用されている。2001年に機能を強化したReWire 2を発表。音楽産業 に関わるソフトウェア企業であれば無償でライセンス申請が可能。
REX/REX2
『ReCycle!』で作成されるスライスループファイル形式 。バージョンはREXとREX2があり、REX2はステレオ音声が扱えるほか、可逆圧縮 が施されている。ファイル読み込みは音楽産業に関わるソフトウェア企業であれば無償でライセンス申請が可能であるが、ファイル書き出しについては外部企業にライセンスされていない。
NN-XTファイル形式
『Reason』が内蔵するサンプラ 「NN-XT」で使用されるパッチファイル形式。ファイル形式の仕様は企業・個人に関わらず誰でも無償でライセンス申請が可能。
ハイパーサンプリング(Hypersampling)
異なるピッチ (音高)やベロシティ(強さ)、バリエーションごとのマルチサンプリング のほかに、異なるマイクセッティングで同時収録し、あとからマイクの構成やミキシング比率を変更できるサンプリング手法。Reason Drum Kits以降のプロペラヘッド社製ReFill製品に多用されている。
Remote
Novation ReMOTE 252001年当初Reason用コントローラとしてアナウンスされたが[ 1] 、発売が約2年遅れた後、汎用コントローラとして発売された アプリケーションとコントロールサーフェス(キーボード 、フィジカルコントローラなど)を連携させる技術。主に『Reason』と『Record』で使用されている。特殊な動作仕様を持つコントロールサーフェスに対応する為のコーデック の開発は、音楽産業に関わるソフトウェア企業であれば無償でライセンス申請が可能。
Rack Extension
『Reason』にサードパーティー 製のラックデバイスを追加する規格。既存のプラグイン システムと異なり、クロスプラットフォーム 開発の容易さや、ホスト本体のクラッシュの防止、アンドゥ 操作などの統合性の高さ、オンラインストアと統合されたライセンス管理などが特徴とされる[ 2] 。2012年にSDKバージョン1、2014年にユーザインタフェース の自由度などが向上したSDKバージョン2が発表された。
脚注
外部リンク