跳ねるボール。空気抵抗 の影響を受けるため、運動は完全に放物線 を描くわけではない。
ボールの跳ね返り運動 (ボールのはねかえりうんどう)とは、他の物体に衝突して跳ね返るボール の物理的な振る舞いのことである。特に他の物体 表面と衝突 する直前、瞬間、直後の運動 について概説する。跳ね返るボールの振る舞いの一部は、高校 または学部 レベルの物理学において、力学 の導入として役立つような題材である[ 1] 一方、その挙動を正確にモデリングすると複雑であり、スポーツ工学 (英語版 ) にも関連がある。
ボールのふるまいは一般に斜方投射 (重力 、抗力 、マグヌス効果 、浮力 の影響を受ける)として扱うことができるが、特に他物体との衝突は、通常反発係数 によって特徴づけられる(ボールそのものや衝突面の性質、衝突速度 、回転 、温度 や圧力 などの局所的な条件によって変化する)。多くのスポーツ 競技においては、フェアプレー を担保するために、ボールの弾性 に一定の制限を課し、ボールの空力 的な特性を不正に変化させることを禁じている。ボールの弾性は、メソアメリカの球戯 が行われていたような古い時期からスポーツの特徴の一つになっていた[ 2] 。
飛行中に加わる力と運動への影響
空中を回転しながら飛ぶボールに作用する力 。重力 (F G )、抗力 (F D )、マグヌス力 (F M )、浮力 (F B )。
バウンドするボールの運動は、投射 運動に従う[ 3] [ 4] 。現実のボールには、以下のような多くの力 が作用している。代表的なものとしては、重力 (F G )、空気抵抗による抗力 (F D )、ボールのスピン によるマグヌス力 (F M )、浮力 (F B )などがある[ 5] 。一般に、ボールの運動を解析するには、これらの力全てを考慮に入れた上で運動方程式 を用いればよい。なお、以下では面に対して水平でボールの進行方向と同じ向きをx 軸、面に対して垂直な方向をy 軸、面に対して水平でボールの進行方向に直交する向きをz 軸とする。またそれぞれの軸の単位方向ベクトルをそれぞれi , j , k と表す。
∑
F
=
m
a
F
G
+
F
D
+
F
M
+
F
B
=
m
a
=
m
d
v
d
t
=
m
d
2
r
d
t
2
{\displaystyle {\begin{aligned}\sum \mathbf {F} &=m\mathbf {a} \\\mathbf {F} _{\text{G}}+\mathbf {F} _{\text{D}}+\mathbf {F} _{\text{M}}+\mathbf {F} _{\text{B}}&=m\mathbf {a} =m{\frac {d\mathbf {v} }{dt}}=m{\frac {d^{2}\mathbf {r} }{dt^{2}}}\end{aligned}}}
ここで、m はボールの質量である。また、a 、v 、r はそれぞれ、時間 t におけるボールの加速度 、速度 、位置 を表す。
重力
地面に衝突後、仰角70°で跳ね上がったボールが再び地面に到達するまでの弾道。 :抵抗を考えない場合。 :レイノルズ数が小さくストークスの法則 にしたがう空気抵抗を考える場合。 :レイノルズ数が大きくニュートンの抵抗法則 にしたがう抵抗を考える場合。
重力 は物体に対して鉛直 下向きに働き、その大きさは以下の等式で表せる[ 6] 。
F
G
=
m
g
{\displaystyle F_{\text{G}}=mg}
ここでm はボールの質量、g は重力加速度 であり、地球 上では 9.764 m/s2 から 9.834 m/s2 の間の大きさとなる[ 7] [ 注釈 1] 。通常、重力以外のボールに働く力は、重力に比べると十分小さいため、重力の影響が支配的であるとする理想的な条件 (英語版 ) の元で解析することがしばしばある。重力だけがボールに作用するとする場合、空中を飛んでいる間は力学的エネルギー が保存 される[ 11] 。運動方程式は以下の式で与えられる[ 12] 。
a
=
−
g
j
v
=
v
0
+
a
t
r
=
r
0
+
v
0
t
+
1
2
a
t
2
{\displaystyle {\begin{aligned}\mathbf {a} &=-g\mathbf {j} \\\mathbf {v} &=\mathbf {v} _{\text{0}}+\mathbf {a} t\\\mathbf {r} &=\mathbf {r} _{0}+\mathbf {v} _{0}t+{\frac {1}{2}}\mathbf {a} t^{2}\end{aligned}}}
ここでa 、v 、r はそれぞれ、時間tにおける ボールの加速度、速度、位置を表し、v0 、r0 はそれぞれ、ボールの初速度および初期位置を表す。
より具体的な例を解析する。ボールが地面に接触してバウンドし、地面に対して角度θ の向きに運動するとき、その運動のx 軸方向成分とy 軸方向成分(それぞれ水平方向と垂直方向の動きを表す)は次のように表せる[ 13] 。
x 軸成分
a
x
=
0
v
x
=
v
0
cos
(
θ
)
x
=
x
0
+
v
0
cos
(
θ
)
t
{\displaystyle {\begin{aligned}a_{x}&=0\\v_{x}&=v_{0}\cos \left(\theta \right)\\x&=x_{0}+v_{0}\cos \left(\theta \right)t\end{aligned}}}
y 軸成分
a
y
=
−
g
v
y
=
v
0
sin
(
θ
)
−
g
t
y
=
y
0
+
v
0
sin
(
θ
)
t
−
1
2
g
t
2
{\displaystyle {\begin{aligned}a_{y}&=-g\\v_{y}&=v_{0}\sin \left(\theta \right)-gt\\y&=y_{0}+v_{0}\sin \left(\theta \right)t-{\frac {1}{2}}gt^{2}\end{aligned}}}
この方程式からは、平らな面に衝突して跳ね返ったボールが到達する最大の高度(H )と飛距離(R )および次に地面に衝突するまでの時間(T )[ 注釈 2] が得られる[ 3] [ 13] 。
H
=
v
0
2
2
g
sin
2
(
θ
)
R
=
v
0
2
g
sin
(
2
θ
)
T
=
2
v
0
g
sin
(
θ
)
{\displaystyle {\begin{aligned}H&={\frac {v_{0}^{2}}{2g}}\sin ^{2}\left(\theta \right)\\R&={\frac {v_{0}^{2}}{g}}\sin \left(2\theta \right)\\T&={\frac {2v_{0}}{g}}\sin \left(\theta \right)\end{aligned}}}
以上では重力の影響のみを考慮してボールの運動を解析したが、さらに空気抵抗 (および抗力や風 に関連する効果)、マグヌス効果 、浮力 を考慮に入れることによって、より詳細に解析することができる。ボールが軽ければ軽いほど容易に加速するため、ボールが軽いほど空気抵抗などの重力以外の力の影響を、より強く受けることになる。
空気抵抗
ボールの周りの空気の流れは、以下で定義されるレイノルズ数 (Re)の値の範囲によって、層流 または乱流 のいずれかに分類される[ 15] 。
Re
=
ρ
D
v
μ
{\displaystyle {\text{Re}}={\frac {\rho Dv}{\mu }}}
ここで、ρ は空気密度 (英語版 ) 、μ は空気の粘性係数 、D はボールの直径、v はボールの空気に対する速さである。例えば空気の温度が 20 °C のときには、ρ = 1.2 kg/m3 、μ = 1.8× 10−5 Pa·s である[ 16] 。
レイノルズ数が非常に小さいときには(Re < 1)、ボールにかかる抗力の大きさは以下のストークスの法則 により表される[ 17] 。
F
D
=
6
π
μ
r
v
{\displaystyle F_{\text{D}}=6\pi \mu rv}
ここで、r はボールの半径である。この抗力は、ボールの進行方向とは反対向きに作用する(すなわち
−
v
{\displaystyle \textstyle -\mathbf {v} }
で表される方向)。但し、スポーツで用いられるボールのほとんどは、レイノルズ数が104 〜105 の範囲におさまることが多く、ストークスの法則を適用することができない[ 18] 。レイノルズ数が大きい場合には、ボールにかかる抗力の大きさは以下の式 (英語版 ) で表せる[ 19] 。
F
D
=
1
2
ρ
C
d
A
v
2
{\displaystyle F_{\text{D}}={\frac {1}{2}}\rho C_{\text{d}}Av^{2}}
ここで、C d は抗力係数 、A はボールの断面積 である。
進行方向とは逆の向きの抗力を受けることで、ボールは飛行する間に力学的エネルギーを失うため、高度や飛距離が減少することになる。また他方では、横風によってボールは本来の経路から逸脱する場合もある。ゴルフなどのプレーヤーは、この両方の効果を考慮に入れる必要がある[ 20] 。
マグヌス効果
バックスピンがかかるボールに作用するマグヌス力。小さく円を描くような曲線は、後方乱気流 を表している。気流はボールの回転方向に偏向している。
卓球 においては、ピンポン玉の軌道(
#マグヌス効果 )や卓球台に衝突した後の挙動(
#スピンと衝突時の角度 )を制御するために、選手がピンポン玉に回転を与えることがある。
トップスピン をかけると、より遠くで最高点に達し、その後急速に落下する。卓球台に衝突後はさらに前方へ進み、相手の
ラケット に当たったボールは上方へ跳ね上がる傾向にある。
バックスピン をかけた場合は、この逆の傾向をとる。
ボールのスピン は、マグヌス効果 を通じてその弾道に影響を与える。クッタ・ジュコーフスキーの定理 によれば、空気を非粘性流体 と仮定しその中を回転する球を考えると、マグヌス力は以下のように表せる[ 21] 。
F
M
=
8
3
π
r
3
ρ
ω
v
{\displaystyle F_{\text{M}}={\frac {8}{3}}\pi r^{3}\rho \omega v}
ここで、r はボールの半径、ω はボールの角速度 、ρ は空気密度、v は空気に対するボールの速度である。マグヌス力は、運動方向と回転軸のそれぞれに対して垂直な向きに働く[ 22] (つまり、
ω
^
×
v
{\displaystyle \textstyle {\hat {\mathbf {\omega } }}\times \mathbf {v} }
で表される向き)。一般に、バックスピンがかかっている場合には上向き[ 22] 、トップスピンがかかる場合には下向きになる[ 23] 。
実際の流体はほとんどの場合粘性 を持っており、その場合のマグナス力は以下のように表される[ 24] 。
F
M
=
1
2
ρ
C
L
A
v
2
{\displaystyle F_{\text{M}}={\frac {1}{2}}\rho C_{\text{L}}Av^{2}}
ここで、ρ は空気密度、C L は揚力係数 、A はボールの断面積、v は空気に対するボールの速度である。揚力係数は複雑なパラメータで、rω /v で表される比やレイノルズ数、面の粗さ 等に依存する[ 24] 。特定の条件下では揚力係数が負になることもあり、その場合にはマグヌス力の方向が逆転する(逆マグヌス効果 )[ 6] [ 25] [ 26] 。
テニス やバレーボール などのスポーツでは、プレーヤーはマグヌス効果を利用して、ボールの弾道を制御することができる(トップスピン やバックスピン (英語版 ) )。ゴルフ においては、通常ゴルファーに不利益となるスライスやフック の原因となるが、ティーショット やその他のショットの飛距離をあげるのに役立つこともある[ 27] [ 28] 。野球 では、投手 がマグナス効果を利用することでカーブ などの変化球 を投げることができる[ 29] 。
ボールの改造 が反則になることもある。クリケット では、2006年8月のイングランドとパキスタンの試合 (en:2006 ball-tampering controversy ) に関連して議論の的になった[ 30] 。野球には「スピットボール」という用語が存在するが、これはボールの空気力学 的性質を変えるために、唾液や松脂 といったものでボールをコーティングすることを指し、メジャーリーグや日本のプロ野球では規則で禁止されている行為である[ 31] [ 32] 。
浮力
水や空気などの流体 中にある物体は、浮力 と呼ばれる上向きの力を受ける。アルキメデスの原理 によれば、浮力の大きさは物体によって押しのけられた流体の重量と等しい。球を考えると、浮力(F B )の大きさは次のように表せる[ 35] 。
F
B
=
4
3
π
r
3
ρ
g
{\displaystyle F_{\text{B}}={\frac {4}{3}}\pi r^{3}\rho g}
ここで、r は球の半径、ρ は流体の密度、g は重力加速度である。浮力は空気中においては、たいていの場合、抗力やマグナス力に比べて小さく無視できる。ただし例えばバスケットボール の場合には、その容積に比べると軽いため浮力はボールの重量の約1.5%に達することもあり、無視できなくなる。
衝突
他の物体表面に衝突するボールの圧縮(A→B)と膨張(B→C)。衝突時に受ける力は通常、(特に圧縮が小さい場合には)圧縮された幅に比例し、ばね力 としてモデル化できる[ 38] [ 39] 。
ボールが他の物体表面に衝突 すると、ボールだけでなく物体表面も反発 、振動し、音 や熱 などが発生するため、ボールは運動エネルギー を失う。さらに、衝突時の衝撃によりボールは一定の回転成分を得るため、ボールが持っている並進運動エネルギー の一部が回転運動エネルギーに変換されることもある[ 41] 。このようなエネルギーの損失は、通常反発係数 (COR、式においてはe で表される)によって(間接的に)特徴付けられる[ 42] 。
e
=
−
v
f
−
u
f
v
i
−
u
i
{\displaystyle e=-{\frac {v_{\text{f}}-u_{\text{f}}}{v_{\text{i}}-u_{\text{i}}}}}
ここで、v f 、v i はそれぞれボールの衝突直後、衝突直前の速度であり、u f 、u i はそれぞれ、ボールが衝突する対象である物体表面の衝突直後、衝突直前の速度を表す[ 注釈 3] 。ボールが衝突する物体が固定されているなど、表面が動かない場合では、反発係数は次のように表せる[ 43] 。
e
=
−
v
f
v
i
{\displaystyle e=-{\frac {v_{\text{f}}}{v_{\text{i}}}}}
したがって、ボールが床に落下して衝突する場合を考えると、反発係数は0(全く跳ね返らない場合。ボールが持つ運動エネルギーは衝突によってすべて失われる)と1(衝突前と同じ速さで跳ね返る場合。衝突により一切運動エネルギーを失わない)の間で変化する。0未満あるいは1を超えるような反発係数も、理論上は考えることができる。e < 0 のときにはボールが表面を突き破ってそのまま運動するような場合に対応し、e > 1 のときには衝突を通じてボールの速度が増幅される状況に対応する。実際、特定の条件下で反発係数が1を超える事例も報告されている[ 45] [ 46] 。
運動の垂直方向成分と水平方向成分を分けて解析する目的で、反発係数の物体表面に対する法線 方向成分(e y )と接線方向成分 (e x )に分解されることもある。これは以下のように定義される。
e
y
=
−
v
y
f
−
u
y
f
v
y
i
−
u
y
i
{\displaystyle e_{y}=-{\frac {v_{y{\text{f}}}-u_{y{\text{f}}}}{v_{y{\text{i}}}-u_{y{\text{i}}}}}}
e
x
=
−
(
v
x
f
−
r
ω
f
)
−
(
u
x
f
−
R
Ω
f
)
(
v
x
i
−
r
ω
i
)
−
(
u
x
i
−
R
Ω
i
)
{\displaystyle e_{x}=-{\frac {(v_{x{\text{f}}}-r\omega _{\text{f}})-(u_{x{\text{f}}}-R\Omega _{\text{f}})}{(v_{x{\text{i}}}-r\omega _{\text{i}})-(u_{x{\text{i}}}-R\Omega _{\text{i}})}}}
ここで、r とω はボールの半径と角速度であり、R とΩ は衝突面(野球のバットなどが一例)の半径と角速度を表す。特に、rω はボールの表面における接線方向の速さで、RΩ はボールが衝突した物体の衝撃面における接線方向の速さである。こうした解析は、ボールが斜めの角度 で表面に衝突する場合、あるいは回転 を考慮する必要がある場合に用いられる。
ボールに作用する力を重力のみと仮定し、さらにボールが回転せずに地面にまっすぐ落下する場合には、反発係数は次のように他のいくつかの物理量と関連付けることができる[ 39] [ 49] 。
e
=
|
v
f
v
i
|
=
K
f
K
i
=
U
f
U
i
=
H
f
H
i
=
T
f
T
i
=
g
T
f
2
8
H
i
{\displaystyle e=\left|{\frac {v_{\text{f}}}{v_{\text{i}}}}\right|={\sqrt {\frac {K_{\text{f}}}{K_{\text{i}}}}}={\sqrt {\frac {U_{\text{f}}}{U_{\text{i}}}}}={\sqrt {\frac {H_{\text{f}}}{H_{\text{i}}}}}={\frac {T_{\text{f}}}{T_{\text{i}}}}={\sqrt {\frac {gT_{\text{f}}^{2}}{8H_{\text{i}}}}}}
ここで、K とU はそれぞれボールが持つ運動エネルギー と位置エネルギー であり、H はボールが到達する最大の高さ、T はボールの飛翔する時間を表す。 iおよびfの添字はそれぞれ、ボールの衝突前、衝突後の状態を表す。同様に、衝撃時に失われるエネルギーも、次のように反発係数を用いて表すことができる。
Energy Loss
=
K
i
−
K
f
K
i
×
100
%
=
(
1
−
e
2
)
×
100
%
{\displaystyle {\text{Energy Loss}}={\frac {{K_{\text{i}}}-{K_{\text{f}}}}{K_{\text{i}}}}\times 100\%=\left(1-e^{2}\right)\times 100\%}
ボールの反発係数は、複数の条件によって変化する。下記はその条件の例である。
上記以外にも、例えば温度 などの外部条件により、衝突面またはボールの特性が変化し、剛性 や弾性が変化することもある。こうした変化も、反発係数に影響を与える[ 39] 。一般に、ボールはより速く衝突するほどボールもより変形し、その結果より多くのエネルギーを失うし、反発係数も小さくなる[ 39] [ 53] 。
スピンと衝突時の角度
回転しながら床面に衝突するボールにかかる力。主に、重力、垂直抗力 、摩擦力が挙げられる(摩擦力は並進エネルギーにも回転エネルギーにも影響する)。もし床面が傾いている場合、重力の向きは床面に対して同じ角度だけ傾くが、他の力は床が傾いているとしてもその傾いた床に対して水平、もしくは垂直な方向に働く。
地面に衝突すると、ボールの衝突角度や角速度に応じて、並進運動エネルギー の一部が回転運動エネルギーに変換されたり、あるいは逆に回転運動エネルギーの一部が並進運動エネルギーに変換されることがある。ボールが衝突時に地面と水平の方向に動く場合、摩擦 力はボールの進行方向と反対の向きの「並進」成分を持つ。上の図では、ボールは右に移動しているため、摩擦力はボールを左に押す向きの並進成分を含む。さらに、ボールが衝突時に回転している場合、摩擦力はボールの回転と反対の向きの「回転」成分を持つ。この図では、ボールは時計回りに回転しているため、地面と衝突する点は、ボールの重心 に対して左に移動している。したがって、摩擦の回転成分はボールを右に押す向きに働くことになる。垂直抗力や重力とは異なり、これらの摩擦力はボールにトルク を及ぼし、ボールの角速度(ω )を変化させる作用がある[ 54] [ 55] [ 56] [ 57] 。
ボールの回転の影響については以下のような事例が考えられる[ 57] [ 58] [ 59] 。
ボールにバックスピンがかかっている場合、並進による摩擦と回転による摩擦は同じ方向に作用する。ボールの角速度は、水平方向の速度と同様に衝突後は減少し、ボールは上向きに押し出され、場合によっては元の高さを超えてバウンドすることさえある。また、ボールが反対方向に回転し始め、衝突までの進行方向とは逆に跳ね返る場合もある。
ボールにトップスピン がかかっている場合、並進による摩擦と回転による摩擦の作用は反対方向である。この場合の運動は、2つの成分のどちらが支配的であるかによって決まる。
ボールが移動するのに比べはるかに速く回転している場合、回転による摩擦が支配的になる。衝突後、ボールの角速度は減少し、水平方向の速度は増加する。ボールはそれまでの進行方向と同じ向きに押し出されるが、バウンドの最高点は低くなり、同じ向きに回転し続ける。
ボールが回転するのに比べはるかに速く動いている場合、並進による摩擦が支配的になる。衝突後、ボールの角速度は増加するものの、水平速度は減少する。ボールのバウンドはそれまでの高さを超えることはなく、同じ方向に回転し続ける。
地面が角度θ だけ傾斜している場合、ボールに働く力などを含め全体が角度θ だけ回転するが、重力だけは変わらず鉛直下向きに作用する(すなわち、地面と角度θ をなす方向)。このとき、重力は地面に平行な成分を持つため、その成分が摩擦に寄与しボールの回転にも寄与する[ 57] 。
卓球 やラケットボール などのラケットスポーツにおいて、熟練者はスピン(サイドスピンを含む)を利用することで、地面や相手のラケット といった他の物体表面にボールが当たった際に、ボールの進行方向が突然変わるようにする。クリケット でも同様に、ボールがバウンド地点で大きく軌道変化するような投法(スピンボウリング)のさまざまな形態が存在する[ 60] 。
非球形のボール
衝突時にラグビーボールに作用する力としては、重力 、垂直抗力 、摩擦力 がある。
楕円形のボール(カナディアンフットボール やラグビー で使用されるものなど)のバウンドを予測するのは、一般に球形のボールのバウンドを予測するよりもはるかに難しい。衝突の際のボールと衝突面の接点の位置次第で、垂直抗力 はボールの重心 から前後にずれて作用することもあるし、地面からの摩擦 についても、スピンや衝突時の速度だけではなくボールが接触する位置に依存する。また、ボールが地面を転がるとき、一般に力の作用する点は重心に対して相対的に変化する。そのため、垂直抗力や重力を含むあらゆるボールにはたらく力が、ボールにトルク を生じる可能性がある。このことにより、ボールは衝突後、進行方向の前方や後方、横方向など、あらゆる方向にバウンドする可能性がある。回転運動エネルギーの一部が並進運動エネルギーに変換される場合も考えられるから、反発係数が1を超えることもあり、ボールの進行方向の速度が衝突以前に比べて増加する場合もある[ 62] 。
複数積み重ねたときの挙動
テニスボール をバスケットボール の上に乗せ、2つを重ねたまま同時に地面に落下させると、そのテニスボールが跳ね上がる高さは、テニスボールを単独で落とした場合よりもはるかに高くなる[ 63] [ 64] 。この結果は一見、エネルギー保存則 に反しているように見える[ 65] 。しかし、よく観察してみると、テニスボールと同時に落としたバスケットボールは、テニスボールを重ねずに単独で落とした場合に比べると、バウンド後の最高点は低くなっている。つまり、バスケットボールが持つエネルギーの一部がテニスボールに伝達され、テニスボールがより高くまでバウンドしたと考えられる[ 63] 。
よく用いられる説明として、この問題をバスケットボールが床に衝突することと、バスケットボールがテニスボールに衝突することの2つに分け、それぞれの影響を別々に検討するものがある[ 63] [ 64] 。完全弾性衝突 を仮定する。バスケットボールが1 m/sで床に衝突したとき、同様に1m/sで跳ね返ることになる。テニスボールも同様に1 m/sの速度で落下するが、バスケットボールを基準にするとバスケットボールが床に衝突して跳ね返った後は、テニスボールの相対速度 は2 m/sとなる。したがって、テニスボールはバスケットボールに対して相対速度2 m/sで跳ね返ることになる。これは床に対する速度に直せば3 m/sである。つまり、テニスボールを単独で床に落下させた場合と比べると、3倍の速度で跳ね返ることになる。したがって、テニスボールは単独の場合と比較して、9倍の高さまで跳ね返る[ 注釈 4] 。実際にはこれらの衝突は非弾性衝突 であるから、テニスボールが跳ね返る速度や到達する最高高度は上記の理論値よりも小さくなるが、それでも単独で落下させる場合よりも速く、より高く跳ね返るという結論は変わらない[ 64] 。
このような順次衝突が発生するという仮定は実際には有効ではない(衝突して跳ね返るまでのほとんどの時間において、2つのボールは互いに接触したままである)が、そうだとしてもこのモデルは実験結果をよく再現することが知られており[ 64] 、超新星 のコア崩壊 [訳語疑問点 ] やスイングバイ 等のより複雑な現象を理解するために利用されることもある[ 66] 。
球技におけるボールの規制
球技 の国際競技連盟 や各国の国内競技連盟 は、さまざまな方法でボールの弾み具合を規制している。
アメリカンフットボールにおけるデフレートゲート問題 (英語版 ) では、ボールの空気圧が大きな論点になった[ 76] [ 77] 。なお、一部の球技では、ボールの跳ね返り特性を直接調整するのではなく、代わりにボールの製法を指定することもある。アメリカの野球 では、1900年ごろから打者不利の状況が長らく続いていた(デッドボール時代 )が、コルクを芯に用いたボールが導入されたことやスピットボールが禁止されたことをきっかけに、ライブボール時代 と呼ばれる打者に有利な時代を迎えることとなった[ 78] [ 79] [ 80] 。
脚注
注釈
^ 地球上における重力は、物体と地球が引き合う万有引力と、地球の自転によって物体にかかる遠心力の合力として定義される。従って、自転軸からの距離が遠い低緯度地帯ほど重力は小さくなる[ 8] 。さらに、実際の地球は地形の起伏を無視しても自転の影響で両極から押しつぶされたような形状になっている[ 9] 。そのため低緯度であるほどさらに重力加速度は小さくなる。また地球内にも様々な物体が分布しているため均質ではなく、それらも重力加速度に影響する。さらに同じ地点であっても、地殻変動や太陽・月の引力による影響で時間的にも変化する[ 10] [ 8] 。
^ 正確には、高度が初期値であるy 0 に戻るまで
^ ここで、v とu はボールや物体表面の速さではなく、速度を表している。つまり、大きさだけでなくその向き(符号 )も含んでいる。
^ 力学的エネルギー保存の法則は
1
2
m
v
f
2
=
m
g
H
f
{\displaystyle \textstyle {\frac {1}{2}}mv_{\text{f}}^{2}=mgH_{\text{f}}}
であることを示しているから、
H
f
{\displaystyle \textstyle H_{\text{f}}}
は
v
f
2
{\displaystyle v_{\text{f}}^{2}}
に比例する
^ a b
e
=
H
f
H
i
{\displaystyle \textstyle e={\sqrt {\frac {H_{\text{f}}}{H_{\text{i}}}}}}
とボールの直径を用いて計算する。但し空気抵抗は無視できるものとする。
出典
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関連項目