ラス・タンブリン(Russ Tamblyn, 1934年12月30日[2] - )は、アメリカ合衆国[2]の俳優・ダンサー。ロサンゼルス出身[3]。身長175cm[4]。
来歴
1934年にロサンゼルスでヴォードヴィリアンのエディー・タンブリン(英語版)の息子として生まれ、6歳からダンスやアクロバットを習い始める。
10歳の時に俳優ロイド・ブリッジスに見出されたことがきっかけとなり、1948年の映画『緑色の髪の少年』の端役でハリウッドデビューする。その後はMGMと契約し、子役・若手俳優として人気を集める。
1954年に出演した『掠奪された七人の花嫁』でダンスのダイナミズムに注目される。
1956年に行なわれた第13回ゴールデングローブ賞で新人男優賞を受賞(レイ・ダントン(英語版)と同時受賞)。
1957年の映画『青春物語』で第30回アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされる。1961年には『ウエスト・サイド物語』でジェット団のリーダー・リフ役を演じている[3]。
1966年公開の日米合作映画『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』で科学者のポール・スチュワートを演じたものの、定時の撮影後は共に来日した妻とホテルへ直帰し、食事の交歓の誘いも一切断るなど、前年公開の『フランケンシュタイン対地底怪獣』などに出演したニック・アダムスがスタッフや俳優たちと積極的に交わり、溶け込もうとしたのとは対照的な態度をとった[5]。撮影現場でもまったく演技を合わせようとしなかったため、土屋嘉男によれば、共演した水野久美はタンブリンの態度に怒ってヒステリーを起こしたこともあったという[6][注釈 1]。佐原健二は、言葉の壁があったため孤立していたかもしれないと述懐している[7]。ちなみに、このスチュワート役には当初タブ・ハンターが予定されていた[8]。時を経た2014年にハリウッドのイベント「モンスターパルーザ(英語版)」でタンブリンと再会した佐原は和やかにトークを披露し、同じ作品に出演した同志であることを感じたと語っている[9]。
私生活
弟のラリー・タンブリンはミュージシャンで、ロックバンド「スタンデルズ」の主要メンバーとして知られている。
女優のアンバー・タンブリンは、3番目の妻ボニー・マレイとの間に生まれた娘である。
主な出演作品
公開年 |
邦題 原題 |
役名 |
備考
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1948 |
緑色の髪の少年 The Boy with Green Hair |
クラスメート |
クレジットなし
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1949 |
歓呼の球場 The Kid from Cleveland |
ジョニー・バロウズ |
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サムソンとデリラ Samson and Delilah |
サウル |
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1950 |
拳銃魔 Deadly Is the Female |
バート(14歳) |
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別働隊 Captain Carey, U.S.A. |
ピエトロ |
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花嫁の父 Father of the Bride |
トミー・バンクス |
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1951 |
可愛い配当 Father's Little Dividend |
トミー・バンクス |
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1952 |
地獄への退却 Retreat, Hell! |
ジミー・W・マクダーミッド |
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1953 |
あの高地を取れ Take the High Ground! |
ポール・ジェイミソン |
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1954 |
掠奪された七人の花嫁 Seven Brides for Seven Brothers |
ギデオン |
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1955 |
渡るべき多くの河 Many Rivers to Cross |
シールズ |
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艦隊は踊る Hit the Deck |
ダニー |
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1956 |
最後の銃撃 The Last Hunt |
ジミー・オブライエン |
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必殺の一弾 The Fastest Gun Alive |
エリック・ドゥーリトル |
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ヤング・ガン The Young Guns |
タリー・ライス |
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1957 |
Z旗あげて Don't Go Near the Water |
タイソン |
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青春物語 Peyton Place |
ノーマン・ペイジ |
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1958 |
性愛の曲り角 High School Confidential! |
トミー・ベイカー/マイク・ウィルソン |
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親指トム tom thumb |
親指トム |
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1960 |
シマロン Cimarron |
ウィリアム・ハーディ |
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1961 |
ウエスト・サイド物語 West Side Story |
リフ[3] |
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1962 |
不思議な世界の物語 The Wonderful World of the Brothers Grimm |
ウッズマン/親指トム |
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西部開拓史 How the West Was Won |
脱走兵 |
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1963 |
渚のデイト Follow the Boys |
ワズワース・スミス |
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たたり The Haunting |
ルーク・サンダーソン |
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長い船団 The Long Ships |
オーム |
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1965 |
最後のガンファイター Son of a Gunfighter |
ジョニー・ケッチャム |
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1966 |
フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ The War of the Gargantuas |
スチュワート博士[3][2] |
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1971 |
男子禁制・女体秘密クラブ The Female Bunch |
ビル |
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ドラキュラ対フランケンシュタイン Dracula vs. Frankenstein |
リコ |
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1982 |
ヒューマン・ハイウェイ Human Highway |
フレッド・ケリー |
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1987 |
超高性能兵器サイクロン Cyclone |
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クレジットなし
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1988 |
ターボ・クライシス B.O.R.N. |
ヒュー |
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ネクロマンサー/復讐の魔術 Necromancer |
チャールズ |
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ファントム・エンパイア The Phantom Empire |
ビル |
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1989 |
デザート・スティール Desert Steel |
テイト |
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1990 |
未来警察マッド・ポリス Aftershock |
ハンク・フランクリン |
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1990-1991,2017 |
ツイン・ピークス Twin Peaks |
ローレンス・ジャコビー |
テレビシリーズ
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1992 |
立候補/ダーティ・トリックス Running Mates |
フランク・アッシャー |
テレビ映画
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1993 |
キャビン・ボーイ/航海、先に立たず Cabin Boy |
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1995 |
リアル・フィクション/殺人のシナリオ Starstruck |
ホイーラー/ホームレスの男 |
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1997 |
ゴースト・ドッグ My Ghost Dog |
ヴィト |
テレビ映画
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1999 |
風の行方 Inherit the Wind |
エド |
テレビ映画
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2012 |
ドライヴ Drive |
ドック |
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2012 |
ジャンゴ 繋がれざる者 Django Unchained |
Son of a Gunfighter |
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脚注
注釈
- ^ 水野は、後年のインタビューで「変わった方でした」と述懐している[5]。
出典
参考文献
外部リンク