ロケット・ソフトウェア
ロケット・ソフトウェア(英語: Rocket Software)は アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 ウォルサムに本社をおくソフトウェアを開発する会社である。特に、IBMのメインフレーム向けのソフトウェア製品やソリューションをOEM提供している。 日本法人であるロケットソフトウェアジャパン株式会社は、神奈川県横浜市西区みなとみらいに所在。 概要ロケット・ソフトウェアは、企業向けのビジネス・インテリジェンス、ストレージ、ネットワーク、コンプライアンス、アプリケーション開発、インテグレーション、モダニゼーション、データベース・サーバーやツールなどの製品を提供するソフトウェア開発会社である。IBM、EMC[1]、富士通(米国、オーストラリア)[2]、日立データシステムズ(米国)[3]、Avaya、Epicor、Infor他、業界有数のテクノロジー・パートナー、ソリューション・プロバイダー、リセラーとも提携して、企業向けのソリューションを提供している[4][5]。 米国の他、英国、ドイツ、ロシア、オーストラリア、中国、日本など、世界に研究・開発拠点を持ち、グローバルに展開している[6]。 また、ロケット・ソフトウェアは音楽を愛する会社でもあり、楽器を演奏するだけではなく、手作りのカスタム・ギター(通称 Rocketcaster)をつくり[7][8]、それを展示会や企業イベントで展示したり、参加者に景品としてプレゼントすることもある[9]。IBMのイベントで、エアロスミスや、ペン&テラー、グレース・ポッター、マルーン5、エルトン・ジョンのコンサートのスポンサーとして協賛し、社長兼CEOのアンディ・ユーニスが率いるRocket Bandは、その前座をつとめたこともある[10][11][12][13]。 歴史1990年4月:ボストン郊外にて、アンディ・ユーニス(現 社長兼CEO)とジョアン・ゲッダが、共同設立。IBM DB2向けのツールを開発したのが始まりである。ロケット・サイエンティストになりたくて、この社名をつけたと述べている[14]。 初期の5年間は、ロケット・ソフトウェアはIBMにライセンスを供与し、IBMの全世界の販売チャネルを通じて、IBMブランドで販売された。この時期からロケット・ソフトウェアはOEMビジネスを拡大し、IBM以外にもソフトウェアを供給してきた。並行して、研究・開発にも投資し、2000年以降、企業買収を始める[15]。 2005年5月:Servergraph (米国 オースティン)から、データ・バックアップ・ツールのServergraphを買収[16] 2005年6月:Astrac (英国 ウォリック)から、IBM z Systems向けのデータ分析ソリューションASを買収[16] 2006年7月:Mainstar Software Corporation(米国 ベルビュー) から、IBM z Systemsのシステム管理製品 Mainstarを買収[17] 2007年:Seagull Software(オランダ アムステルダム)から、端末エミュレーションのBluezone、LegaSuiteを買収[18] 2007年:CorVu(米国 イーダイナ)から、ビジネス・インテリジェンスとエンタープライズ・パフォーマンス管理のCorVu製品群を買収[19] 2007年12月:Arkivio(米国 マウンテンビュー)から、データ・アーカイブとバックアップ製品であるArkivioを買収[20] 2009年:マイクロソフトから、Windowsベースの情報検索システムFolio、電子出版ソリューションのNXTを買収[21] 2009年:IBMからマルチバリュー・データベースのUniVerseとUniData (U2) を買収[22][23][24] 2010年:Computer Corporation of America (CCA) (米国 ウォルサム)から、IBMのz Systems向けのデータベース製品Model204を買収[25][26] 2011年:Marlin Equity Partners(米国 エメリービル)からアプリケーション・ライフサイクル管理システムのAldonを買収[27] 2012年1月:IBMから高可用・障害復旧ソリューションiClusterを買収[28][29] 2012年2月:Zephyr Development Corporation(米国 ヒューストン)から、Passportを買収[30][31] 2012年5月:本社オフィスを、ニュートンから現在の ウォルサムに移す[32] 2012年10月:Progress Software(米国 ベッドフォード)からメインフレーム向けデータ連携ソフトウェアのShadowを買収[33] 2013年:Database Trends and Applications MagazineのDBTA100に選出される[34] (以降、2014年[35]、2015年[36] も選出される) 2013年:TigerLogic(米国 アーバイン)のMultiValue部門からマルチバリュー・データベースのD3を買収[37][38] 2014年:Trubiquityから、電子データ交換(EDI)をサポートするTrubiquity製品群を買収[39][40] 2014年4月:TrubiquityがCorp! Magazineの2014 DiSciTech Award(Science & Technologyカテゴリー)を受賞[41] 2014年9月:IBMからIMS Tools製品を買収[42] 2015年2月:ラスベガスで開催されたIBM InterConnect2015で、エアロスミスのコンサートのスポンサーとなり、Rocket Bandがその前座をつとめ、共演[43] 2015年4月:横浜 みなとみらいに日本オフィス設立[44][45] 2015年5月:ラスベガスで開催されたIBM Edge 2015で、ペン&テラーやグレース・ポッターのステージをスポンサー[10] 2015年10月:ラスベガスで開催されたIBM Insight 2015で、マルーン5のステージをスポンサーし、Rocket Bandが前座をつとめる[12] 2016年2月:ラスベガスで開催されたIBM Inter Connect 2016で、エルトン・ジョンのコンサートをスポンサー[13] 2016年4月:北海道 札幌に日本第二の開発拠点を設立[46][45] 製品ロケット・ソフトウェアは、買収した製品を含めて100以上のソフトウェア製品を開発および販売している。以下は、ソリューション毎の主な製品[47]。 アーカイブ・バックアップ管理Rocket Arkivio:Arkivio社から買収したストレージ管理製品[20]。クアンタム社からもRocket ArkivioとQuantumのストレージを組み合わせたソリューションが提供されている[48]。 Rocket iCluster:高可用性(ハイ・アベイラビリティ)と障害対応をサポートするIBM i 用のソフトウェア。IBM社から買収した[28][29]。 Rocket Servergraph:企業内のマルチベンダーのバックアップ製品をモニターし、IBM Tivoli Storage Managerや、NetBackup、Avamar(EMCが買収)、NetWorker、Hitachi Sepaton、Veeam、IBM Flashcopy Manager、Rocket iCluster、Symantec Backup Exec、 VMware、Hyper-V など、さまざまなバックアップ製品や仮想テープ・ライブラリー環境 (VTL) をサポートする。 Servergraph社から買収した[16]。IBM社から販売されている[49]。 アプリケーション・ライフサイクル管理Rocket Aldon:アプリケーションの変更管理、リリース管理、構成管理を行う製品で、Aldon_Inc. が開発し、買収によりロケット・ソフトウェアの一つの製品ファミリーとなる[27]。IBM i用のソフトウェアである。 エンタープライズ・パフォーマンス管理Rocket CorStrategy:KPIで目標達成度を追跡・管理する製品。 Rocket CorPlanning: 組織全体でのリソース配分を行い、予算編成と計画プロセスを支援する製品。 検索&テキスト・アナリティックスRocket Folio:検索、コンテンツ管理、パブリッシング機能を持つロケット・ソフトウェアの一つの製品ファミリー。 マイクロソフト社より買収[21]。 Rocket NXT:高速検索機能を持つ、コンテンツ作成、保存、セキュリティー保護、および配信をサポートする製品ファミリー。 マイクロソフト社より買収[21]。 サプライ・チェーン・インテグレーションRocket Trubiquity:グローバルな企業間取引(B2B)、電子データ交換(EDI)、マネージド・ファイル転送 (MFT)のための製品ファミリー。Trubiquity社より買収[39][40]。 端末エミュレーションRocket Bluezone:IBMの3270、IBMの5250、DECのVTやセキュアなFTPなど、さまざまな環境へアクセスするための端末エミュレータ。 Seagull Softwareから買収[18]。 Rocket Passport:IBMの3270、IBMの5250、DECのVTやセキュアなFTPなど、さまざまな環境へアクセスするための端末エミュレータ。 Zephyr Development Corporationから買収[30][31]。 データ仮想化Rocket Data Virtualization:IBMのz Systems向けのデータ仮想化製品。 データベース&アプリケーション・サーバーRocket D3:Pickオペレーティング・システムを起源とするマルチバリュー・データベースの一つである。 TigerLogic社のMultiValue部門から買収[37][38]。 Rocket M204:IBM z/OS用の高いパフォーマンスが要求される大容量データ向けのデータベース。 Computer Corporation of America から買収[25][26]。Model 204参照。 Rocket U2:UniDataとUniVerseの2つマルチバリュー・データベース。Unix、Linux、Windows上で稼動する。 IBMから買収[22][23][24]。Rocket U2参照。 データ・マイグレーションRocket Tape/Copy:テープのマイグレーション、仮想テープ・ライブラリー(VTL)をコントロールするための製品。 Rocket Virtual Data Recovery:仮想テープ・バックアップのデータ作成とリカバリーを自動化するための製品。 ネットワーク管理Rocket NetCure:企業やサービス・プロバイダー向けのネットワーク管理やサービス保証を行う製品。 ビジネス・インテリジェンス&アナリティクスRocket CorVu:ビジネス・インテリジェンスとエンタープライズ・パフォーマンス管理のための製品。 CorVu社から買収した[19]。 Rocket Discover:2015年に発表されたビジネス・アナリスト向けのセルフサービス型の製品。 Rocket AS:IBM DB2やVSAMなどの複数のデータ・ソースに対してクエリーを実行し、レポートを作成し、データをビジュアル化するための製品。3270画面とEclipseベースのユーザインタフェースがある。 Astrac社より買収[16]。 メインフレームRocket Mainstar:IBMのz Systems向けのパフォーマンス最適化、カタログおよびシステム管理、障害復旧、ストレージ管理、およびセキュリティーのためのデータ管理製品。 Mainstar社から買収[17]。 モダニゼーションRocket LegaSuite:3270画面、5250画面ベースのアプリケーションをHTML5ベースのWebアプリケーションとして、Webブラウザーやモバイルからアクセスできるようにする製品。 Seagull Software社より買収[18]。 Rocket Mobile:製品に組み込まれている連携コンポーネントを使って既存のIBM i アプリケーションをモバイルから使えるようにするRocket Mobile for iや、ロケット・ソフトウェアのマルチバリュー・データベース(U2やD3)をモバイル・アプリケーションからアクセスできるようにするRocket Mobile for MultiValueがある[50]。 関連項目脚注
外部リンク
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