ヴァルツァーの紋章
『ヴァルツァーの紋章』(ヴァルツァーのもんしょう)は、メディアワークス刊『電撃PCエンジン』で連載されていた読者参加型ゲーム。 当初は『マル勝PCエンジン』(角川書店)において「魔獣創世紀ヴァーズ」のタイトルで連載されていたが、「お家騒動」により連載が打ち切られたため改題・設定変更のうえ、『電撃PCエンジン』で連載を再開した。 プレイヤーは半人半獣の「魔獣」12体から1体を選択し、立ちはだかる「妖獣」や「天使」を撃破してより強力なパワーを得ることが目的であった。 魔獣創世紀ヴァーズ『マル勝PCエンジン』1992年6月号 - 12月号に、奇数号の「女神スタジアム」とローテーション掲載。199X年に地上の文明を破壊すべく降臨した天使の軍団と、彼らに立ち向かう地の底から現れた魔獣の戦いを描く。東京→南極大陸→バイカル湖→フィリピン、と地球全土を転戦したが、前述の通り企画が打ち切りに遭ったため、物語の半ばで予告もなく終了した。
魔獣戦線 ヴァルツァーの紋章『電撃PCエンジン』1993年3月号から1995年1月号まで連載。掲載ペースは隔月で、奇数月は本作、偶数月は「女神天国」がローテーション掲載されたが、連載初期は偶数月にも読者ページ「魔獣と遊ぼう ピン!ポン!パン!」が掲載されていた。 『ヴァーズ』同様にゲームと平行して小説版が掲載されており、当初は別々の場所での出来事を描きつつ次第に双方がリンクしていく形式となっていた。詳細は#ノベライズ節を参照。 第4回(1993年9月号)で突然イラスト担当の小林瑞代が降板してしまい、急遽代役として佐嶋真実が起用された。佐嶋は企画終了および電撃文庫版までイラスト担当を務め上げた。 ゲームの目的は魔界の住人「魔獣」となって、指導者六邪星の指示のもとに敵を倒して喰らい、さらに強大な力を得ることである。1000年の時を経て魔界とつながった地上から侵攻してきた「妖獣」を撃退した魔獣たちは、さらに地上へと逆侵攻をかけ、第6回(1994年1月号)でついに妖獣王ガルゴスを討ち取るが、その後、真の敵である《神》と天使が出現。最終回では圧倒的な数の天使を倒しきることができず、魔獣が全滅するというバッドエンドになった。 ストーリー《造物主》は、完全な存在である「神」と戦いを求める「魔神」を造り出した。しかし神々は《造物主》に反逆するようになり、暴れまわる魔神たちをも含めた三つ巴の争いが繰り広げられた。やむなく《造物主》は神々を天界へ、魔神たちを地の底の魔界へ封じ込め、自らは星辰の世界へ還っていった。 やがて地上には人類が誕生し、繁栄を謳歌するようになったが、そこへ神々の尖兵である「天使」が降臨し、《造物主》の遺した世界すべてを滅ぼそうとした。だが、魔神の子らである「魔獣」もまた地上に現れ、かつての敵である神々へと戦いを挑んだ。 人でありながら魔神の血を引く超越者ヴァーズが、自らの命と引き換えに神を封じ込めることに成功し、戦いは終結した。地上は荒れ果て、多くの生物が絶滅寸前になったが、それでも人間は滅びずに細々と命脈をつないだ。 それから1000年。ヴァーズの施した封は緩み、この世界に神が再び現れる時が近づいた。地上は、新たな戦いの時を迎えようとしていた。 システムこのゲームでは、プレイヤーの作成した魔獣の勝敗に関わらず獲得したパワーは次回に持ち越される。そのため、同一性の証として4桁の暗証番号を設定する必要があり、この番号と参加者名は変更不能だった。心機一転を図って新たな名前で再登録することは禁止されていないが、累積したパワーが多いほうがゲームで勝ちやすいため、基本的に長く続けたほうが有利になる。 プレイヤー登録の次に、12の種族(後述)から自分の魔獣を決める。それから12種のパワーアップアイテムからひとつ選ぶ。アイテムの効果は種族ごとに相性があり、ヒントを読み解いてより有効な物を見極めなくてはならない。なお、アイテムと種族の相性は毎回変化する。魔獣作成が済んだら戦闘エリアを決め、そこで自分が取る行動を接近戦・遠隔攻撃・完全防御・特殊攻撃の4つから4ターン分選択する。その後、妖獣や天使との対戦を行うという流れになる。 また、プレイヤー同士の対戦を行う「闘強の間」に参加することも可能だった。勝者は敗者のパワーの半分を奪って獲得するため、ここで勝てば本編の戦闘も有利になった。なお、闘強の間での勝敗のいかんに関わらず本編の戦闘には参加できる。 戦闘終了後、成績優秀者には賞金が贈られた。パワーが多い順に、1位が10000円、2位は8000円、3位7000円……8位2000円、9 - 10位はともに1000円だった。また、対戦での戦績1位にも10000円が進呈された。逆に、やる気があったにもかかわらずまったく戦果を残せなかった魔獣には粗品が用意されていた。また、希望者には連載を通じての成績表が送付された。 魔獣
将軍ゲームの戦闘エリアは、どの将軍のもとで戦うかで表される。各将軍にも種族が設定されているが、プレイヤーの魔獣との相性の数値などは特に存在しない。ゲームでは第1回は6名、それ以降は7名の中から所属を選ぶが、メンバーの入れ替わりがあったため、のべ8名の将軍がいる。また、小説版には名だたる魔獣《列強》として登場している。
スタッフ
ノベライズ新木伸・著。タイトルに「魔獣戦線」は付かない。本誌掲載分に加筆修正を施したもので、連載では魔獣の全滅で終了した物語にエピローグが補完されており、十数年後に新世代の魔獣が誕生するという希望をもって締めくくられている。
登場人物
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