ヴォイジャー (マイク・オールドフィールドのアルバム)
『ヴォイジャー』(Voyager)は、マイク・オールドフィールドが1996年に発表した、通算16作目(サウンドトラックを除く)のスタジオ・アルバム。 背景本作の制作当時は、舞台作品『リバーダンス』の成功によってケルト音楽が再評価されており、オールドフィールドもレコード会社からケルト・アルバムの制作を提案されて、自身も元々ケルト音楽をルーツとしていたことから、その提案を受け入れたという[1]。本作のレコーディングには、チーフタンズのショーン・キーンとマット・モロイ、プランクシティのリアム・オフリン、『リバーダンス』で演奏したことでも知られるモイア・ブレナック、ノエル・エクルズ、デイヴィ・スピラーンを含むケルト音楽界の奏者が参加した[1]。オールドフィールドは、本作のレコーディングに関して「最新のテクノロジーはそれほど使わないで、より自然発生的になった。実際、録音にはたった1か月半しかかからなくて、過去最短の期間で作れたアルバムだよ。曲によっては、1日の朝のうちに作曲から録音まで済ませた。いつもの私のやり方とは少々違う」と語っている[12]。 「ソング・オブ・ザ・サン」は、ガリシアのグループ「ルアル・ナ・ルブレ」のバグパイプ奏者ビエイト・ロメーロが書いた曲「O Son do Ar」のカヴァーである[1]。 「ウーマン・オブ・アイルランド」は、後にチーフタンズを結成するメンバーも在籍していたグループCeoltóirí Chualannが、「Mná na hÉireann」というタイトルで発表した曲が原型とされており、本作のヴァージョンでは、ヘンデルの「サラバンド」(『ハープシコード組曲第2集』第4番ニ短調より)のフレーズが挿入された[1]。なお、「ウーマン・オブ・アイルランド」とヘンデルの「サラバンド」は、いずれもオールドフィールドが敬愛していたスタンリー・キューブリックの監督映画『バリー・リンドン』のサウンドトラックでフィーチャーされていた曲でもある[1][13]。 反響・評価全英アルバムチャートでは6週トップ100入りして最高12位を記録し、自身12作目の全英トップ20アルバムとなった[2]。本作から1997年にシングル・カットされた「ウーマン・オブ・アイルランド」は、全英シングルチャートで70位に達した[14]。 Ross Boissoneauはオールミュージックにおいて5点満点中2点を付け「オールドフィールドの突き刺すようなギター・プレイは際立っており、シンセサイザーと溶け合ったバグパイプの音も、荘厳な雰囲気を与えようとしているが、結局のところ、この録音ではどこへも旅立てない」と評している[15]。 収録曲特記なき楽曲は、トラディショナル・ソングをマイク・オールドフィールドがアレンジしたもの。
参加ミュージシャン
脚注
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