京都バス高野営業所![]() 京都バス高野営業所(きょうとバスたかのえいぎょうしょ)は、京都市左京区高野竹屋町にある京都バスの営業所である。主に洛北地域を管轄している。 沿革
現行路線戦前の洛北自動車、鞍馬自動車の流れを汲む洛北地区の路線のほか、1997年6月の京都市営地下鉄烏丸線国際会館駅延伸以降は京都市営バス(以下「市営バス」)から岩倉(国際会館駅以北)・大原発着路線の移管を受け、市営バスを代替する系統が運転されている。地下鉄烏丸線の延伸や、岩倉と上賀茂を結ぶ都市計画道路幡枝葵森線の開通といった周辺環境の変化により、徐々に国際会館駅のターミナル機能が強化されている。 上述の経緯から、同地区にまたがる路線では京都市が発行する各種優待乗車証が使用可能である[注釈 1]。一方、花背線・静市線など従来から京都バスが運営する路線では同様の乗車証が使用できない。また、大原以北および市原以北では「地下鉄・バス一日券」の利用ができないなど、路線ごとに扱いが異なる[注釈 2]。 なお、比叡山線は高野営業所の方が路線に近いものの、本路線は京都バス担当の全便が嵐山営業所の管轄であるため、高野営業所の車両や乗務員による運行はされない。 路線名は、かつてホームページなどでも用いられていたが[6]、2025年現在、旅客案内上は系統番号のみ使用されている。 比良線![]() 京都市左京区の出町柳駅前から川端通・国道367号で八瀬・大原を経由して、滋賀県高島市朽木の「朽木学校前」に至る路線である。1960年7月に従来から保持していた途中までの路線と、新たに取得した途中 - 葛川梅の木の路線免許を利用し運行開始した[1]。1997年10月16日に、出町柳駅前 - 葛川梅の木の路線(11系統)を朽木学校前まで延伸して現行の路線になった[9]。坊村バス停より葛川明王院、朽木学校前バス停より朽木温泉および道の駅くつき新本陣(朽木朝市)へアクセス可能である。 51系統と同じく京都市内を離れて滋賀県内まで運行する路線である。1997年6月のダイヤ改正以降、同区間を走る小出石線や大原線と異なり八瀬バイパス、大原バイパスを経由するようになった。なお、当社の営業路線では運行距離がもっとも長い。 路線内には珍名としてテレビ番組でも取り上げられた途中バス停(大津市)[注釈 3]があり、ここから朽木方面は江若交通堅田葛川線と同じ経路をとっている(バス停も、途中より同社と共同利用)。終点の朽木学校前バス停は、高島市街にあるJR湖西線安曇川駅方面からの江若交通路線のターミナルとなっている。 毎年3月16日から12月15日までの土曜・休日および8月14日から16日に1日1往復運行される。かつては毎日運行されていたが、滋賀県高島市からの運行受託金が廃止されたため、2011年4月1日から土曜・休日のみの運行となった[10]。2019年3月16日のダイヤ改正で1日2往復から1往復に減便されたほか、「葛川学校前」バス停が廃止されたため、高野車庫から北は全線国道367号の現道に沿って走る[11]。 以下、大原線も同じく花園橋以南は均一運賃区間となっている。 大原線
当路線においては17系統が主要な系統となっており、16系統はその区間便という位置づけである(三条京阪付近で一部ルートが異なる)。 17系統は京都駅を、16号系統は四条河原町を始点に市内中心部を走り、三条京阪からは川端通・国道367号を走行し、八瀬や大原に至る路線である。 また、18系統は七条通・東大路通(東山通)・今出川通・白川通・国道367号を経て八瀬・大原に至る路線である。清水寺・祇園・銀閣寺といった京都東山における観光地が多く存在する地域を走行する。 1989年10月5日の京阪鴨東線開業までは、三条京阪から叡山電鉄(叡電)出町柳駅への連絡利便性を図るため当社バス路線の限定で「リレーバス」と称していたことがあり、三条京阪を経由しない18系統と出入庫系統を除きこのバスと叡電との乗継割引もあった[22]。 ダイヤは17系統が毎日運転で1時間に2本程度。16系統は朝夕と夜間に運行され、18系統は休日1本のみ設定されている。 小出石線
国際会館駅前から、白川通・国道367号を経て八瀬・大原、更に左京区北西部の集落である古知谷・小出石に至る路線である。大原 - 小出石で国道367号のバイパスが併走する区間は旧道を経由していたが、2024年3月のダイヤ改正以降は時間帯により往路か復路のいずれかがバイパスを経由するようになった[19]。大原 - 小出石の旧道運行部分は自由乗降区間となっている[25]。 本路線は、慢性的に渋滞の激しい市内中心部を走行していないため、比較的定時性が保たれている。そのため、市内中心部から市営地下鉄烏丸線や叡電本線を乗り継いで大原方面に向かうルートの中で所要時間が最短となっている。また、大原以遠での積雪時は大原で車両交換を行い、大原 - 小出石を区間運行としてマイクロバスでの運行を行う場合がある。 2007年2月までは1日片道1本だけ大原から国際会館駅を経由して一条山まで運行する便があったが、現在は廃止されている。 国際会館駅前-花園橋間は均一運賃区間扱いとなっている。 岩倉線![]()
大原線が全時間帯において川端通を通るのに対し、岩倉線は四条河原町から河原町今出川まで河原町通を経由する便が主流となっている。また、出町柳駅から花園橋までは比良線・大原線と同じ経路をとる。 運行経路は、以前は岩倉実相院発着と岩倉村松発着が交互に運転されていたが、2018年のダイヤ改正以降岩倉村松発着の割合が高まり、2024年のダイヤ改正で岩倉実相院発着便は廃止され全て岩倉村松発着となった[19]。日中(午前9時以降)は四条河原町 - 出町柳駅前で河原町通を経由し、四条河原町行きが41系統、岩倉村松行きが43系統と往復で系統番号が異なる。始発から午前9時までの岩倉村松行きのみ川端通経由の41系統が運行される。以前は三条京阪前発着ではなく、四条大宮から発着していた時期もあった。 2019年3月から均一運賃区間内となっている。 岩倉新線
岩倉新線について国際会館駅から岩倉方面への路線で、京都市営地下鉄烏丸線延伸に伴う市営バスの路線再編の際、その代替路線も含めてまずは24・26号系統が新設され、後に岩倉東線(29系統)も新設された。 24・26系統の一部は岩倉下在地町を経由する。 26系統は当初、朝夕のみの運行であったが、幡枝線が減便されてからは終日運行されている。また、岩倉駅前→岩倉村松を自由降車区間とする深夜バスが3本運行されていたが、2020年3月のダイヤ改正にあわせて同取り扱いを終了した[27]。 高野岩倉出入庫線
2019年3月から全線均一運賃区間内。 花背線![]() ![]()
出町柳駅と京都市左京区北端部の集落である広河原地区を結ぶ路線である。出町柳駅前 - 市原間は#静市線(加茂線)と同じ区間を走る。山間部の鞍馬温泉 - 広河原間は自由乗降区間となっている。 鞍馬温泉以北は典型的な過疎地域である。全体を通しての運行時間は約2時間。比良線に次いで運行距離が2番目に長い路線であるが、鞍馬温泉以北はほとんどが狭隘路であることもあり、運行時間は当路線が一番長い。2021年3月20日のダイヤ改正で、それまで3.5往復だったのを平日2往復、土曜・休日3往復(12月16日~3月15日の土曜・休日は2往復)に減便した[15]。2024年3月20日のダイヤ改正では、土曜・休日に季節運行している1往復の運転を止め、1日2往復に減便した[19]。 冬季(12月16日~3月15日)には、花背・広河原地域の積雪・凍結対応のためタイヤチェーン装着用の補助要員が添乗している[30]。 下の静市線(加茂線)と同じく、市原以南は均一運賃区間内。 貴船線![]()
叡山電鉄貴船口駅から貴船バス停までを結ぶ路線である。1990年ごろまでは三条京阪へ直通していた[7]。なお、貴船バス停は貴船神社まで徒歩10分、鞍馬寺方面への登山口までは徒歩5分程度である。かつては貴船口駅前 - 貴船が自由乗降区間だったが、2020年3月のダイヤ改正をもって廃止された[31]。また、道路が狭隘であることからマイクロバスでの運行である。貴船行きの初便のみ、貴船口始発の特33系統として運行される。 ダイヤは叡山電鉄に接続する形で平日約20分毎・休日15分毎で運行が行われる。なお、11月は叡山電鉄と同様に臨時ダイヤで運行するほか、貴船地区でライトアップが行われる11月中旬から11月末には20時台まで臨時便が運行される。以前は春分の日から11月30日まで運行の路線であったが、現在は貴船の人気化に伴い通年運行されている。ただし、12月中旬から3月中旬までは終バスが1時間ほど早くなる。2018年のダイヤ改正で、高野車庫行の便は春分の日のみの運行とされた後、2022年のダイヤ改正で廃止。 静市線(加茂線)
34・35系統のうち朝晩の一部便は川島織物セルコンを経由する。
西賀茂線![]()
2001年10月に運行開始[1]。加茂川中学前 - 志久呂橋間は往路は鴨川東岸を、復路は西岸を走る。2017年3月18日実施のダイヤ改正により、平日のみ1往復の運行から土日祝日のみ1往復の運行となり、2018年の改正で休日ダイヤのみの運行となったあと、2020年ダイヤ改正より春分の日のみの運行となり、2022年ダイヤ改正で上賀茂西河原町経由の往路が廃止された[17]。2019年3月から全線均一運賃区間内。 産大線・産大国際線
本項目では、上記路線に加えて、京都バスが貸切輸送として行っている上賀茂シャトルバスと二軒茶屋シャトルバスにも触れる。 以前は地下鉄北山駅を結ぶ38系統、出町柳駅からさらに四条河原町を結ぶ39系統も運行されていた。 40系統はもともとスクールバスであったものを一般路線化したものである。2004年10月1日から宝ヶ池シャトルバスとして試験運行を開始したもので、経路は大学から二軒茶屋交差点を経て、幡枝葵森線を経由し国際会館駅に至る路線である。試験運行は2006年3月までの期間限定であったが、その後も設定が続けられ、2006年6月1日に京都バス40系統に変更となった。また、京都産業大学キャンパス内では産大〜国際会館駅前間の運賃190円が100円になる補助券が大量印刷されて置いてあったが、2012年3月31日をもって終了。新たに回数券が発売された。学生向けに得割定期券が販売されており、大学が年間約3000万円を補助して運賃を割り引いている[41]。 運行ダイヤは京都産業大学のカレンダーにあわせて設定される。平日ダイヤについては授業のある平日はAダイヤ、授業がない平日はBダイヤの2パターンが用意されている。36系統・直行36系統(36系統と同経路の直行便)は主に午前中のみ運転される。40系統は終日運転され、2009年9月から40系統の増発扱いで国際会館駅前発産大行直行バスが授業のある平日朝に設定された。30系統は春分の日に限って朝に1本運転される。 特40系統は、岩倉幡枝町西部住民の要望を受けて京都市の「地域と連携したモビリティ・マネジメント事業」に採択され、幡枝町自治会・京都バス・左京区役所が協力してワークショップを実施するなどして運行を開始した路線である[42]。 上賀茂シャトルバスと二軒茶屋シャトルバスは40系統と同様、授業に合わせたダイヤが組まれている。なお、上賀茂は2001年4月から京都バスが担当している。二軒茶屋は2000年4月から運行開始された[1]。京都産業大学内の神山コロシアムは京都バスの車庫として利用されており、乗務員控室も設置されている。シャトルバスの運行は大学が年間約7600万円の費用を負担している(2016年)[43]。通常は平日と土曜に運行されているが、行事がある場合はそのほかの日でも設定がある。なお、上賀茂シャトルは、嵐山営業所の車両が使用されている。 40・特40・50系統の国際会館駅前 - 地球研前では京都市の「敬老福祉乗車証」が利用できる。バス一日券は2019年3月から全線で利用可能になった。 大原鞍馬線
公共交通機関では本路線以外の直通ルートがなく所要時間がかかる大原と貴船口・鞍馬を府道40号下鴨静原大原線経由で直接結んでいる。静原地域では集落がある旧道ではなくバイパスを経由している。 95系統は1986年に運行を開始し、毎年春分の日から11月末までの休日に限って1日3往復運転されていた。しかし観光シーズンの渋滞による遅延の頻発や乗客数の減少などにより、2011年を最後に定期運行が終了となった[44]。京都バスでは、大原と鞍馬という2つの観光地が将来にわたって人気化する可能性を捨てきれない一方、路線自体を一旦廃止してしまうと復活させるのに自治体等との調整を要するなど手続きに手間と時間がかかることから、保有している路線免許の維持のため、現在は毎年春分の日に片道1本のみ、つまり年に1便だけ運行するダイヤとしている[44]。このことが「幻のバス」として広く知られるところとなり、2015年と2016年に運行された際にはテレビのワイドショーでとり上げられ[45][46]、いずれの運行でも乗客の多さから、急遽もう1台臨時便が用意される(2016年にはその両便とも満員になった)ほどだった[45][47][48]。2017年3月から2024年3月まで大原 - 貴船口間でほぼ重複する55系統が運行されていたが、95系統は春分の日のみ大原 → 鞍馬 間片道1便の運行という形態のまま存続している。 鞍馬国際線![]()
これまで直通バスが無かった地下鉄国際会館駅から貴船地区へ直通している。そのため、京都駅や四条烏丸等の烏丸線沿線から貴船までのアクセスが改善された。また日中の50系統の代行の役割も兼ねており、市原・二軒茶屋地区の住民にとって市内中心部へ行く手段となっている。2013年3月30日に貴船口 - 鞍馬温泉間を延伸したほか、2017年3月18日には二ノ瀬バイパス経由の便を新設した。なお、二ノ瀬バイパス経由の便は二ノ瀬・上野中には止まらない。地球研前停留所以北では京都市の「敬老福祉乗車証」が利用できない。市原以南は均一運賃区間内。 その他の路線
廃止路線北陵高校線幡枝線
かつては烏丸通を南北に貫く系統で比較的本数が多かったが、京都市営地下鉄烏丸線の開業や延伸により環境が変化したのに伴い路線の改編および減便が繰り返され、2025年3月に休止された。また、かつては京都駅前から叡山電鉄木野駅前までの48系統が1時間に1本ほど運行されていた他、岩倉実相院発着の47系統も運行されていた。 深泥池停留所付近は狭隘路のため、誘導員が配置されていた。狭隘な道路を運行するため小型車や中型車が中心に使用されるが、朝や夕方を中心に大型車も使用されていた。
2019年3月から全線均一運賃区間内。 岩倉東線
松ケ崎線→「京都バス嵐山営業所 § 松ケ崎線」を参照
雲ケ畑線![]()
マイクロバスで運行されていた。山間部の柊野 - 雲ケ畑岩屋橋は自由乗降区間となっている。2012年3月31日をもって運行を終了し、翌4月1日からは雲ケ畑バス「もくもくバス」(ジャンボタクシー)が運行を開始した(運行はヤサカ自動車に委託)。 幡枝循環線
西幡枝地区の住民輸送を目的に、2020年3月20日より運行を開始した。路線開設時は午前便が反時計回り、午後便が時計回りだったが、2021年3月の改正時に反時計回りのみの運行になり、減便された[60][61]。2022年3月のダイヤ改正により廃止され、以降西幡枝地区は特40系統のみ運行している。
全線均一区間内。 貴船大原線
55系統は、2017年3月18日実施のダイヤ改正に伴い新設された路線。春分の日のみ運行の95系統とは異なり、土曜・休日に3往復運行される。95系統とは若干ルートが異なり、静原学校前 - しずはうす前 間は静原新道ではなく集落の間を縫って走る旧道を通る一方で、市原 - 貴船口間は二ノ瀬バイパスを通り、上野中と二ノ瀬は通らないといった点も異なる。 白川線
嵐山営業所と共管していた。 2005年5月16日に新設された。市営バス5号系統が京都市営地下鉄烏丸線全線開業に伴って減便された後、松ヶ崎海尻町(松ヶ崎駅)を起点に新設され、四条河原町まで運行されていた。系統新設時には1時間あたり3〜5本の運行であったが、2006年10月1日からは1時間あたり2本程度に減便された。さらに2011年5月6日からは平日の一部の時間帯および土曜、休日は毎時1本に減便された。同時に、左京区総合庁舎前を経由して高野車庫まで延伸された。なお、四条通・三条通周辺は、三条京阪を起終点とする岩倉線・花園線や市営バス各路線とは逆の経路で運行していた。 左京区総合庁舎循環線
2012年5月1日に、白川線に代わり、左京区総合庁舎・松ヶ崎・修学院地域への路線として新設された。それまでの白川線55系統と異なり四条河原町・三条京阪方面は経由しない。 循環運転であったが、半数は出町柳駅前ターミナルで運転が打ち切られるダイヤで、また土曜・休日ダイヤでは、時計回りの運転はなかった。 しかし、ダイヤ改正毎に運行が縮小され、2017年3月18日のダイヤ改正で利用者僅少であるとして廃止された。 これに伴い松ケ崎海尻町~松ケ崎橋間の東行区間は休止路線となる(西行区間は運行されている)。 また、本路線のみの経路であった、松ヶ崎通の北山通 - 北大路通間は新たに、高野岩倉入庫線(宝ヶ池公園経由)の経路となった。 その他の路線
注釈
出典
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