佐々木秀義

佐々木秀義（ささきひでよし）は、平安時代末期の武将。源頼朝の挙兵を助けた佐々木四兄弟の父。

生涯

近江国蒲生郡佐々木荘を領し、秀義の母方の伯母は藤原秀衡（一説には藤原基衡^{[注釈 2]}）に嫁ぎ、自身は源為義の娘を娶って^[4]猶子となり^[8]^[9]、この頃の佐々木氏が有力武士であったことをうかがわせる。また宇都宮宗円の娘（下野宇津宮^{[注釈 3]}）を妻とする系図もある^[5]。

保元元年（1156年）に崇徳上皇と後白河天皇が争った保元の乱で、秀義は天皇方の源義朝に属して勝利した。

平治元年（1159年）の平治の乱でも義朝に属し、義朝の長男である義平に従い戦うが、義朝方は敗れ、伯母の夫（もしくは従兄）である秀衡を頼って奥州へと落ち延びる途中、相模国の渋谷重国に引き止められ、その庇護を受け娘を娶り五男の義清をもうけ、20年を渋谷荘に送った。

治承4年（1180年）に源頼朝が伊豆国で平氏打倒の兵を挙げる際、平家の家人大庭景親から頼朝討伐の密事を聞き、子の定綱を使いに出して頼朝に危急を知らせる。定綱、経高、盛綱、高綱を頼朝挙兵に従わせ、その功により本領を安堵され、佐々木荘へと戻る。

元暦元年（1184年）7月の三日平氏の乱において、五男義清と共に反乱鎮圧に赴き、平家継・平信兼らの率いる伊賀・伊勢の平家方残党と甲賀郡上野村で戦い90余人を討った後、戦死した^{[注釈 4]}。享年73。死後、その功により近江権守を贈られる。

^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g 田村哲夫編修 1980, p. 229.
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k 今井尭ほか編 1984, p. 303.
^ 『佐々木系図』
^ ^a ^b 『国史大辞典』, §佐々木秀義.
^ ^a ^b 滋賀県蒲生郡（編） 1922, p. 77.
^ 川島茂裕「藤原基衡と秀衡の妻たち」『歴史』第101号、東北史学会、2003年。
^ 川合康「中世武士の移動の諸相」『歴史のなかの移動とネットワーク』桜井書店、2007年。 /所収:川合康『院政期武士社会と鎌倉幕府』吉川弘文館、2019年、39-42頁。
^ 黒板勝美 1966, p. 421.
^ 佐々木紀一 2008, p. 32.