冨士月子

冨士 月子（ふじ つきこ、1898年3月29日^[1] - 1976年8月19日^[1]）は、女流の浪曲師。本名：飯田 ハル^[1]。関西浪曲界の初代春野百合子とともに大看板と称された^[1]。「月子節」で人気を博す。「富士月子」と書くのは誤記。

北海道函館市に生まれる^[2]。生家はお寺であった^{[2][注釈 1]}。桃中軒雲右衛門の浪曲を聴いたのをきっかけに浪曲に憧れる。子供の頃にすでに天狗連で活躍^[2]。

1913年、16歳で上京して修行に励む^[1][2]。演目の多くは崇拝していた講談師の旭堂麟生から教わった。22歳で大阪に行き、2代目広沢虎吉の指導を仰ぎながら^[1]、女流団「成美会」の一員として「冨士月子」と名乗り、初代春野百合子と共に修行を積んだ^[2]。世話物や仁侠物などを得意とし、巧みな節回し「月子節」で人気を博す^[1]。1930年、大阪市東成区に寄席二葉館を新築し、後進の育成にあたった^[1]。1961年、浪曲親友協会の女性初の第11代会長に就任^[1]。1964年、大阪府民劇場賞を受賞^[1]。1965年、大阪文化祭賞を受賞^[1]。1966年に病に倒れ、長らく闘病生活に入る^[1]。1976年8月19日に死去した^[1]。

2001年、第6回上方演芸の殿堂入り^[1]。

弟子には『宗右衛門町ブルース』が大ヒットした平和勝次とダークホースの平和勝次、冨士月の栄、冨士月の都、冨士月の子らがいる。

• 「赤穂義士」1954.9.15公開。富士月子と誤記で登録あり。

1. ^ 『定本日本浪曲史』p.228によれば、「富山県射水郡西高木の光恵（専の誤記か）寺生まれ。15歳に浪曲師たらんと上京」したという。

1. ^ ^{a b c d e f g h i j k l m n} “冨士 月子〜函館ゆかりの人物伝”. www.zaidan-hakodate.com. 函館市文化・スポーツ振興財団. 2025年2月17日閲覧。
2. ^ ^{a b c d e} “大阪府立上方演芸資料館 ワッハ上方 | 冨士月子”. 2025年2月17日閲覧。

• 『現代上方演芸人名鑑』（少年社、1980年）

• はこだて人物誌 冨士月子 - 函館市 - ウェイバックマシン（2013年1月19日アーカイブ分）